妊娠検査で陽性反応が出たときの喜び。しかし、その後の健診で予想もしなかった事実を告げられ、喜びよりも戸惑いが大きくなることもあります。
「嬉しさよりも、『どうしよう…???』という気持ちが強かったです」
そう語るのは、37歳のイノウエさん(仮名)。
妊婦健診のエコー検査で、予期せぬ双子の妊娠が判明した瞬間を振り返ります。今回は、イノウエさんが体験した、不安と驚き、そして現実的な課題に直面したリアルな体験談をお届けします。
長引くエコーと医師の溜息…
その日の妊婦健診、イノウエさんはエコー検査の時間がいつもより長いことに気づいていました。
「なんだかエコーの時間が長すぎるな…と思っていたんです」
不安を感じ始めた矢先、医師が漏らした「あれ?ああ〜〜………」という、何かをためらうような声。イノウエさんの心臓はドクンと跳ね上がります。
「なにか異常があったんじゃないかって、すごく不安になりました」
そして告げられた、双子の可能性。イノウエさんの口から出たのは、「えっ……???」という、ただ戸惑うばかりの言葉でした。喜びよりも先に、「どうしよう…?」という混乱した気持ちが心を占めていたと言います。
戸惑う私と、喜びを伝える夫
健診後、イノウエさんは夫に結果を伝えました。
「主人も驚いてはいましたが、嬉しそうでしたね。すぐに自分の実家に電話して伝えていました」
戸惑うイノウエさんとは対照的に、喜びを隠せない様子の夫。その反応に、少しだけ心が軽くなったとはなします。
喜びより先に…3日間の「双子出産病院」探し
しかし、イノウエさんの頭はすぐに現実的な問題でいっぱいになりました。それは、双子を出産できる病院探しです。
「実家から通える範囲で、双子を安全に出産できる病院は2件しかなくて…。どちらの病院にするか、判明してから3日間、ひたすら情報を調べまくりました(笑)」
嬉しいはずの妊娠報告。しかし、多胎妊娠特有の課題が、判明直後からイノウエさんにのしかかってきたのです。
あの日の私へ「とりあえず、なんとかなるよ」
様々な不安や課題を乗り越え、現在子育てに奮闘するイノウエさん。もし、あの日の自分に声をかけるとしたら、どんな言葉をかけますか?
「『とりあえずなんとかなるよ』って伝えたいです」
その一言には、きっと多くの経験と実感、そして未来への確信が込められているのでしょう。具体的な心配事は次々と出てくるけれど、一つ一つ向き合っていけば道は開ける、そんな力強いメッセージが感じられます。
予期せぬ双子の妊娠は、大きな驚きと戸惑い、そして現実的な課題をもたらします。しかし、イノウエさんの体験談は、どんな状況でも「なんとかなる」と信じて進むことの大切さを教えてくれているようです。