子どもの豊かな想像力は、時に日常のありふれた風景を、壮大な物語のワンシーンへと変えてしまいます。
そんな中、今回「センスがあるなと思いました」と笑いながら語るのは、40歳の女性会社員、カズミさん。
ある雨上がりのイベント会場で目撃した、長男リクくんの”地球規模の遊び”と、それを見事に理解した旦那さんとの絆について、お話を伺いました。
「ねえ、見て!ぼく地球割ってる!」
その日は、家族みんなでグルメイベントを訪れていました。雨が上がったばかりの会場は活気があり、カズミさんご夫婦は椅子に座って屋台の料理をゆっくりと味わっていました。
一方、さっさと食べ終わった子どもたちは、近くのアスファルトの駐車場で遊んでいます。すると突然、長男のリクくんが、足をしっかりと広げて力を込めたポーズで、拳をアスファルトに突き立てました。そして、こう叫んだのです。
「ねえ、見て!ぼく地球割ってる!」
その大袈裟な表現に、カズミさんは「はいはい、すごいね」と、子どもの遊びだと適当に流してしまいました。しかし、隣にいた旦那さん(タカシさん)は違いました。「お、ほんとだ。地球割れてるな」と、息子の意図にすぐに気がついたのです。
アスファルトの亀裂が「ピキピキ!」アニメの世界が現実に
旦那さんの言葉に、カズミさんも「え?」と思い、リクくんがポーズを決めている場所をよく見てみました。
そこは、雨上がりで濡れた部分と乾いた部分がまだら模様になったアスファルト。リクくんが拳を突き立てていたのは、アスファルトの「ヒビ」の部分でした。水が溜まって黒く強調されたその亀裂が、まるでリクくんのパンチを起点に「ピキピキ!」と大地が割れ始めているように見えたのです。
「なるほど、これか!と。グルメイベントの楽しい雰囲気も相まって、みんなで大笑いしてしまいました」
センス抜群!家族の共通言語「アニメ」が生んだ絆
理由がわかった瞬間、カズミさんは「すごい!センスがある!」と感心しきり。ご自身も、アニメで見た地面が割れるシーンを連想してしまったそうです。
旦那さんに意図が伝わったことで、他の兄弟たちも「ほんとだ、確かに!」「お兄ちゃんすごいパンチだー!」と大盛り上がり。その場で記念撮影までするほど、楽しいひとときとなりました。
カズミさんご一家は、旦那さんを筆頭にみんながアニメや漫画が大好き。 「きっと長男は、『アニメ好きなお父さんなら、詳しい説明をしなくてもこの面白さがわかってくれるはず』と信じて呼んだんだと思います。そして、実際にその意図が一瞬で伝わった。それこそが、我が家らしいなと感じる瞬間でした」
リクくんの鋭い観察眼と、家族の共通言語である「アニメ」が、雨上がりの駐車場を最高の遊び場に変えた、微笑ましいエピソードでした。
このお話のように、お子さんとのやり取りで「ハッとした」エピソードはありますか?
