子どもが泣いていて、必死になだめようとしている親御さんの姿をみかけることがあります。
できることなら何かしてあげたいけれど…と実際に手助けをすることは少し勇気がいりますよね。今回は機転をきかせた対応で、女の子を笑顔にしたユミ(仮名)さんのお話です。

泣き続ける女の子

ユミさんが電車に乗っていたときのことです。

隣の席に座っていた2歳くらいの女の子がお昼寝から目が覚めてしまったようで、大きな声でずっと泣き続けていました。車内が静かだったこともあり、ママさんは周りの目を気にしながら必死に女の子をなだめていましたが、なかなか泣き止みません。自身も3人のママであるユミさんは、困っているママの気持ちが痛いほどよくわかりました。

そこで「大丈夫ですよ!周りのことは気にしなくて大丈夫ですからね!」という気持ちをこめてママにアイコンタクトを送り、偶然持っていたキャラクターの小物を女の子に見せてあげました。すると、興味を持ったようでケロッとした顔をして泣き止み、楽しそうに小物を触り始めたのです。女の子はうまく気持ちの切り替えができたようで、そのあとは機嫌よくすごすことができました。

ママの気持ちが痛いほどよくわかるから…

ユミさんにそのときのことを聞いてみました。

ーその行動を取った理由を教えてください。
私もこれまでに幾度となく子どもが外でぐずりだし、人目を気にしながらやってきた経験があるので、そのママの気持ちが本当によくわかりました。そういうときに、冷ややかな視線を送られると本当に辛くなってしまうけれど、たまにさりげなく温かい手をさしのべてくれる方がいると、とてもありがたく救われた気持ちになります。私も困っている人に遭遇すると、何かしてあげられることを探すようにしています。

ーあなたが取った行動で、その方はどういった反応をしていましたか?
電車のなかだったので、あまり会話という会話はできませんでしたが「ありがとうございます」と微笑んでくれました。最初は、泣き止まないお子さんに振り回され、逃げるに逃げられない状況下で、ママも追い込まれている様子でした。でも、無事に泣き止んだお子さんを抱っこしながら、ホッと一安心したような、安堵の顔をされていて、私としても少しはお役にたてたのかなと嬉しい気持ちになりました。

ーご自身がした行動について、どう思いましたか?
人見知りをするような子だと、いらぬことをすると余計に泣いてしまうのではないかなぁと、ちょっと心配でしたが、無事に泣き止んでくれて良かったです。

自分がされて嬉しいことをする

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
子育てで困っている人がいたら、私も他人にされて嬉しいくらいのさりげない心遣いはしようと思っています。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
公共の場でお子さんが泣いたりぐずったりすると、ママとしては大変だと思います。でも、大半の人は同じように子育てをしてきた人です。全員に理解はしてもらえなくても1人くらいはあなたの強力な味方だと信じてみてください。

ユミさんの機転のおかげで女の子もママも笑顔になりましたね。もし泣き止まなかったとしても、ユミさんの行動はママに勇気を与えてくれたことでしょう。特別なことでなく、声をかけるだけでも、応援する気持ちは伝わります。子育て世代がよりリラックスしてお出かけが楽しめるように、周囲ができることを積極的にしていきたいですね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

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