いつの時代も、親は「子どもにどんな習い事が合うだろうか?」「何歳くらいから習わせたらいいだろうか?」と悩むものです。
8月11日にオンラインでSDA×Swimmyコラボ企画「水泳教育のプロが教える『水泳で身につく子どもの能力』」配信イベントが行われました。

SDAは「NPO法人スーパーダディ協会」の略。日本に生まれた子どもたちのためにパパが子育てに積極的に参加することを提案する団体です。
このイベントは、SDAのメンバーであり、SwimmyのCEO・水泳教育者の菅原優さんが『子どもに必要な能力はすべて水泳で身につく』(かんき出版刊)を出版した記念として開催されたもの。子どもに水泳を習わせようか迷っている保護者にとって、参考になる内容を披露しました。

水泳で身につく能力とはどんなものなのでしょうか?

東大生の約6割が水泳を習っていた?

「子どもに必要な能力はすべて水泳で身につく」菅原優 著 (かんき出版)

菅原さんは、東大生が幼少期から小学校低学年時期にやっていた習い事の1位が水泳であることに着目。
インタースペースが運営する『ママスタまなび』が2021年に行った現役東大生が幼少期に習っていた習い事のTOP3でも、「スイミング(59%)」「ピアノ(45%)」「英語・英会話(39%)」となっています。これは、学習塾を抑えてのトップです。約60%の東大生が水泳を習っていたという結果でした。

この数字から、菅原さんは「東大へ行くためのノウハウ…勉強だけではない、例えば自分のモチベーションを維持する力、集中力などが身についたのでは?」と推測。
水泳教育者の立場から、水泳で身につく集中力や自己肯定感を本にまとめて出版しました。

水泳で能力が身につく秘密

水泳教育者としての顔も持つ菅原優さん 提供:Swimmy

菅原さんは、水泳を習うことで「主体的に行動する力が伸びる」と話しました。
主体的に行動できる人とできない人の差は「自信があるか、ないか」にあると言います。
では、自信はどうやったら身につくのかというと自己肯定感を伸ばすことが重要だと話しました。

性格の特性の約半分は遺伝ですが、残り半分は後天的なもの。やり方次第で伸ばせるということになります。

自己肯定感を高めるには、スモールステップで小さな成功体験を多く経験することが大切。成功体験の積み重ねが自信につながりますが、水泳はこの成功体験を得やすいと話します。

例えば、5m泳げたら、次は10m。その次は…と少しずつ目標を設定することで達成した経験が積み重なっていくイメージです。

「水泳は、目標設定がしやすいスポーツ。泳ぎ方×距離×タイムで目標設定は無限大」だと説明。

タイムや距離は客観的な指標なので、誰にでもわかりやすいところもポイントです。

他の人気スポーツの習い事、野球やサッカーなどのチーム競技と比較すると、「ホームランを打った」「ゴールを決めた」など目立つ活躍があれば別ですが、毎回活躍できるわけではありません。

自分の活躍度を客観的に把握できるという面でもベストだと話しました。

いつから習ったらいいの?スイミングスクールの選び方

菅原優さんが水泳を教えている様子 提供:Swimmy

菅原さんが話す、水泳を習い始めるのに適した年齢は4~5歳。

理由として、4~5歳は「ゴールデンエイジ」という運動神経が発達する時期なので、水泳に限らず体を動かす環境を作ってあげることで体の使い方を覚えやすいこと、そして、オーストラリアのグリフィス大学の研究では、4~5歳時に水泳を習っていた子と習っていなかった子では、学力・絵を描く能力・物を作る能力に差があったというデータがあることなどを挙げています。

ただ、水嫌いになる前の4~5歳以前から習ってもいいし、逆に体力がついてくる小学校高学年から習うという考えもあるとのこと。小学校高学年くらいになると、指導者の言うことを理解できる力がある状態であるためスムーズに習得できると言います。どの時期から水泳を習い始めるかは、その子の状況や保護者の判断によっても変わるとのことでした。

また、スイミングスクール選び方についても解説。通いやすさや月謝といった面もありますが、ズバリ「人数が少ない」がポイントなのだとか。
1人の先生が多くの生徒を見ていると、実際にレッスンの中で泳げる時間が少なくなるためです。

そしてもう1つ大切になるのが、スイミングスクールの母体。フィットネスクラブが母体なら、楽しむことを主眼にしていることが多いですが、スクールなら泳ぎ方の習得・タイムが重視されます。そうした方針の差も見て判断することが大切だと話していました。

水泳を習うメリットやスクールの選び方など、参考になる情報がぎっしりの内容でした。ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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