安産祈願として妊婦のお腹に絵を描くマタニティペイント。この存在をもっとたくさんの人に知って欲しいと話すのが、ジュエリーマタニティアーティストの長瀬みずきさん。大手メイクアップブランドの販売員を経て、現在はフリーランスのアーティストとして日本全国を飛び回っています。
「結婚式やウエディングフォトと同じくらい、当たり前の文化にしていきたい」と意気込む長瀬さんに、マタニティペイントの魅力について聞きました。

新たな命が宿った奇跡を形に残す

(長瀬さん提供)

近年、日本でも少しずつ注目を集めている「マタニティペイント」は、安産祈願として妊婦のお腹に絵を描くボディペイントで、一般的に妊娠8か月頃に行います。しかし、長瀬さんが考えるマタニティペイントは、単なる安産祈願だけではありません。

「もちろん安産祈願の意味もありますが、赤ちゃんを授かることは一生のうちに何度もあることではないと思うんです。妊娠するまでにも、たくさんの思いがあったはず。マタニティペイントは、かけがえのない妊娠期間を思い出として、形に残すものとしての価値があると思います」

長瀬さんが描くマタニティペイントの最大の特徴は、キラキラと光るジュエリーを使う点です。

個性に合わせたアートをする(長瀬さん提供)

「昔から『誰もやっていないことをやりたい』という気持ちが強かったです。マタニティペイントも最初は絵を描くだけでしたが、ラインストーンなどのジュエリーを使用している人がいなかったので、肌への負担が少ない素材で、完全オリジナルのデザインを提供しています」

今まで約100人の妊婦にマタニティペイントを施してきた長瀬さん。一人一人のオーラを汲み取り、似合う色やデザインを提案しているといいます。

肌に優しい素材を使用する(長瀬さん提供)

「同じデザインを描くことはないですね。逆に描けないというのもありますけど。その人の雰囲気やInstagramの投稿、ネイルデザインなどからインスピレーションを受けています」

今では毎月の予約枠が埋まるほどの人気を誇る長瀬さん。今後はジュエリーマタニティアーティストを増やしていきたいと話します。

コミュニケーションも大切にしている(長瀬さん提供)

「最近は妊婦さんからだけでなく、このアートを仕事にしたい人からの問い合わせも増えています。ジュエリーマタニティアーティストの母数が増えることは、さらにたくさんの妊婦さんを幸せにできる機会が増えるので、今後はリトリート(のイベント)なども開催していきたいですね。個人的には、活動範囲を日本だけでなく海外にも広げていきたいです」

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