家の中をドシドシと歩くガンダムが、Twitterで話題になっています。くろぼうし(@zgokzogok)さんが投稿する数々のガンダムコスプレには「完璧なガンダムだ!!」「クオリティの高さよ…」「完成度えっぐ」など、精巧に作られたガンダムに対して賛美のコメントが集まっています。

くろぼうしさんに話を聞くと、記者の質問に丁寧に謙虚に答えてくれました。

ガンダムとの出会いは?

僕が4、5歳の時に、父がプラモデル好きで、簡単に作ることができるガンダムSEEDのプラモデルを買ってきてくれました。小学校低学年の頃は、特にハマって戦車、飛行機、船なども作っていました。

当時からものづくりは好きでした。(当時は)ガンダムと知らずに「かっちょいいロボットだな」と思っていました。父もガンダムが好きなので、ガンダムの資料集や登場するモビルスーツ(※)がたくさん掲載されている雑誌、プラモデルの作例のような雑誌を勝手に読んでいました。そうしていく中で、「ガンダムって面白そうだな」と思い、ガンダムのアニメをレンタルして見始めました。

(※)ガンダムシリーズの中に出てくる人型兵器のこと

コスプレとの出会いは?

コミケ(※)にガンダムのモビルスーツのコスプレをされていた方がいました。その完成度がすごかった!

私も当時ものづくりに興味があったので、自分の好きなものに全力で全てを使って表現しているのが素敵だなと思いました。その時、「これ自分もやってみようかな」と思いました。8か月後に夏のコミケがあるのでそこまでに自分でモビルスーツを作って、コスプレしようと決めました。

(※)コミックマーケットの略。8月と12月に東京ビックサイトで開催される同人誌即売会。

最初はどうやって作った?

私がコスプレをはじめようと思ったきっかけになった人のTwitter、昔書かれたブログに制作過程があったので、それを見て、試行錯誤しながら初めての衣装を作りました。

今は、まともなモビルスーツの衣装は7機作っているので、ここはこうすれば短くなる、ここはこうすれば足は長くなる。というのは分かっています。

当時は、何もわからなかったので、かなり作って「これ全部捨てる」とか「胴体全部捨てる」とか、ただの頭かぶりもので1万円以上かけて、「それを捨てる」とかを繰り返しながら8か月かけて作りました。今みたら当時作ったもののクオリティーはとんでもないものです。

初めて作った作品ヅダ:基本的には100円均一やホームセンターで買えるもので作っているとのこと(くろぼうしさん提供)

コミュニティについて

(コスプレの世界は)顔を出してコスプレをする人がほとんどで、ロボットのコスプレイヤー(以下、ロボコス)のコミュニティはものすごく小さいです。作り始めた当時は、一人でたんたんと作っていました。イベントに出る時も一人でいました。

ですが、Twitterに少し写真をアップすると、ロボコスをやっている先輩が「今度イベント出ようね」とか「こういう素材使うともっと良くなるよ」と声をかけてくれて、一緒にイベントに出たり情報を交換したりする友達がたくさんできました。

今自分も、Twitterで、「こういうの(ロボコス)を真似して作っています」というツイートを見つけようものなら「はじめまして。失礼します。よかったら一緒に頑張りましょう」と連絡することもあります。同じようなことしている人を見つけるとすごく嬉しいですね。

ブルーディスティニー:着ていると夏は暑いし冬はガタガタ震えるくらい寒いそう 空間部分にPC用扇風機を入れているとのこと(くろぼうしさん提供)

今後の目標は?

今のように個人の活動で、非営利で自分の好きなロボコスを楽しんでいければいいなと思っています。

あとは、大阪で『スーパーロボコス大展』というイベントの運営をしています。コミケや普通のイベントなんかでは顔出ししているコスプレイヤーの方が多くロボコスプレイヤーの肩身がせまいので、ロボコスだけのイベントを企画しました。

2020年の秋に1回小規模ですが、入場料無料で開催しました。入場制限をしていたのですが、入るのに最大2時間待ちになるなど、大盛況でした。来場者の中には、「くろぼうしさんの見に来ました」という方もいて、すごく嬉しかったですね。

去年の『スーパーロボコス大展』開催時の様子 中央の赤いロボット(シナンジュ)がくろぼうしさんのモビルスーツ(くろぼうしさん提供)

今年は、コロナの状況を見ながら、クリエイティブセンター大阪というところで開催する予定です。一般人の方に見ていただいてロボコスの世界を知っていただけたらなと思っています。

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