季節はもうすぐクリスマス。しかし世間では新型コロナウイルスが猛威を振るっており、「今年はサンタさん来てくれるかな?」と心配している子どもたちもいるかもしれない。そんな中、「サンタクロース」として子供たちへ思い出とプレゼントを届けているボランティア団体が岡山市内にある。

参加したボランティアスタッフ

サンタクロースとの夢の時間

それが「NPO法人チャリティーサンタ」だ。北海道から沖縄まで20以上の都道府県で活動し、岡山支部ができたのは2009年。活動の主軸となっているのは、依頼のあった家庭にサンタクロース(ボランティア)が訪問し、保護者が事前に用意しておいたプレゼントを子どもたちに手渡すというもの。その際、保護者から事前に聞いておいた、褒めてほしいことや応援してほしいことなどをプレゼントに添えて伝える。すると子どもたちは「え!なんで知っているの?!」と驚き、とても嬉しそうな表情を見せるそうだ。

保護者からの反応もよく、あるひとり親家庭からは、「我が家には人が訪ねてくることがほとんどなく、なんとなく閉鎖された雰囲気になりがちなのですが、特別な夜の特別な訪問者、とても嬉しかったです。1年の最後に特別な時間をプレゼントしてくださって、本当にありがとうございました。」という声が届いたという。

1年の楽しみ!サンタさんとメリークリスマス!

訪問の道中で出会った子どもと会話をするサンタクロース

思いやりがつながっていく仕組み

チャリティーサンタでは、訪問する家庭から寄付金を預かり、集まったチャリティーで発展途上国や被災地、経済的に困難を抱える家庭の子どもたちの支援を行ってきた。誰かの笑顔が、また誰かの笑顔につながっていくという仕組みだ。また、岡山市と連携して、クリスマスには貧困家庭に無償で訪問するという取り組みも始めた。

今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、あらゆる行動に制約がかかった一年だった。子どもたちも我慢を強いられ、遠足や旅行など、家族や友達と出かける思い出は少なかっただろう。
チャリティーサンタ岡山支部の副代表である岡田奏さん(岡山大学4年生)は、「しんどい年だったからこそ、クリスマスという特別な日が、誰かを思う大切な1日であってほしい。これまでお世話になってきた大好きな岡山のために何かしたい。ご家族やお子さん、そしてボランティアに参加してくださる皆さんと、何か少しでも一緒に思い出を作りたい気持ちでいっぱいです。ご家庭からの喜びの声が、また来年も楽しい思い出を届けようというエネルギーになります。」と話す。

サンタになる練習会にて、笑顔の奏さん:写真左

あなたも誰かのサンタクロース

「誰かのために何かしたい。」その気持ちをチャリティーサンタは繋げてくれる。全国の対象地域で「サンタクロース」そしてサンタクロースを訪問先へ送迎する「トナカイ」のボランティアを募集中だ(申込〆切あり・定員になり次第終了)。
今年の冬は、あなたも「誰かを想い行動する」サンタクロース、そしてそれを導くトナカイになってみてはいかがだろうか?

NPO法人英田上山棚田団 福尾咲紀

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