プロ野球選手を目指して、ずっと野球に取り組んできた日々が、ある日180度変わってしまいます。
上野遥介さん(@sukenii7625)は交通事故により、首から下が動かなくなり、夢を諦めざるを得ませんでした。
医師からは「一生車いすです」と告げられたものの、懸命にリハビリやトレーニングに取り組み、歩けるまでに回復した現在の姿に迫ります。
事故により、首から下が動かない状況に…
@sukenii7625さんは19歳のとき、車の後部座席で事故に遭いました。幸い、シートベルトをしていたため車外に飛び出すことはありませんでしたが、事故の激しい衝撃で身体が大きく揺さぶられ、首を骨折してしまったのです。
事故直後は、まるで映画のワンシーンのような状況に「夢かもしれない…」と信じられなかったと、当時の思いを語ります。

手や足に力が入らず、身体も動かないことに、「もう野球はできないかもしれない…」という思いも。その後、救急車で搬送される際には、だんだんと意識がもうろうとしてきて、看護師さんが@sukenii7625さんを必死に起こしてくれていたそうです。
病院に到着すると検査などが行われましたが、そのときの記憶はあまりないといいます。ただ、検査後に病室へ運ばれ、寝ているときにお姉さんとお母さんが駆けつけてくれたことは覚えていました。
夢を諦めざるを得ない現実、それでも前を向いて
いまだに事故について、夢の中で起こっているような感覚になることがある一方で、プロを目指して野球に取り組んできたことに絶望を感じていたと明かします。
「これまで何のために野球をやってきたのかという思いが強く込み上げてきて、積み上げてきたものすべてが水の泡になってしまった…そんなふうに感じていました」と当時の思いを振り返っていました。
さらに、事故から4ヶ月ほど経ったころ、医師から告げられたのは「一生車いすです」という言葉でした。
しかし、そのときにはすでに気持ちが前を向いていた@sukenii7625さん。ネガティブに受け止めるのではなく、その場で医師に「僕は歩けるようになります」と伝えたことを、今でもはっきりと覚えているそうです。

「また歩けるようになる」自分との約束を胸に
@sukenii7625さんは、事故によって首から下が動かなくなった身体と、部活動のような感覚で向き合ってきたと明かします。
「歩けるようになると自分で決めてからは、毎日のように身体と向き合い、できることを一つずつ増やしていく。そうやってポジティブに、前向きに取り組んできました」と語る@sukenii7625さん。
そして、懸命にリハビリに取り組んだ結果、「一生車いす」と言われた当時から、歩けるまでに回復しました。あくまで@sukenii7625さん自身の経験ではありますが、そこには日々のリハビリやトレーニングとともに、自分自身と交わした約束がありました。
それは、「また歩けるようになって、外に出て、友達と遊んだり、ご飯に行ったり、もう一度人生を楽しむ」「野球をやっていたころよりも、もっと輝ける人生にする」ということ。
「その自分との約束が、リハビリを乗り越える心の支えになっていたのだと思います」と語ります。
また、現在も新たな挑戦に向けて、日々トレーニングに取り組んでいるという@sukenii7625さん。これからも自分自身の可能性を広げるため、さまざまなことに挑戦していきたいと話していました。
「どん底は終わりじゃない」ことを伝えるために
@sukenii7625さんは、自分自身の境遇についてSNSで発信しています。そのきっかけは、障がいに対するコンプレックスでした。身体的な障がいは目に見えるのでわかりやすい一方で、排泄障がいや自律神経の障がいなど、目に見えない障がいもあります。
そうしたことを友達にもなかなか言えず、話す機会もなかったため、@sukenii7625さんは「どうせ言うのなら、いっそ全世界に発信してみよう」と思ったことが始まりでした。
そして、事故に遭った当時の自分が「こんな人がいてくれたらよかった」と思えるような存在に、自分自身がなっていきたいという思いで発信を続けています。
SNSでの発信を通じて、@sukenii7625さんが一番伝えたいのは「どん底は終わりじゃない」ということです。これは@sukenii7625さんのSNSのプロフィールにも書かれています。
「僕自身、どん底を味わって一度は人生を諦めました。それでも、そこからもう一度立ち上がり、復活して人生を前に進めることはできる。それを自分の活動を通して伝えていきたい」と語っていました。
2026年12月、ホノルルマラソン完歩を目指して
@sukenii7625さんの今の一番の目標は、2026年12月のホノルルマラソンで42.195kmを歩いてゴールすることです。
挑戦のきっかけは、奥さんからの一言でした。2023年ごろに「ホノルルマラソンに挑戦しない?」と声をかけてもらったといいますが、そのときは「さすがに命に関わるし、やめとくわ」と軽くかわしていたそうです。
ですが、2025年の年末、今後の挑戦について奥さんと改めて話す機会があり、そのときに「よし、行こう」と自然に思えた@sukenii7625さんは、挑戦を決めたのでした。
この挑戦はギネス世界記録に申請しているそうで、誰もやったことのないことや、自分自身の限界を超えるような挑戦をこれからも続けていきたいと考えているといいます。
「具体的には、富士山登頂やトライアスロンにもチャレンジしてみたいですね」と話してくれました。
@sukenii7625さんのSNSでの投稿には、「スゴすぎて鳥肌がたった」「本当にすばらしいです」「諦めない気持ちは宝物だね」といった声が寄せられています。
「ゴールすることに意味がある」と話し、ホノルルマラソンに向けて練習に取り組む@sukenii7625さん。事故を経験してから現在までの歩みと、これからの挑戦がうかがえるエピソードでした。

