同級生「来るな!病人!」心無い言葉に傷ついた12歳女子。体重減少により判明した病とは

同級生「来るな!病人!」心無い言葉に傷ついた12歳女子。体重減少により判明した病とは
幼少期の様子(@naaachin7puqさんより提供)

糖尿病には、1型や2型などさまざまな種類があることをご存じでしょうか。

「1型糖尿病」は、ある日突然、血糖値を下げる働きを持つインスリンというホルモンが体内で作られなくなる、原因がはっきりとは分かっていない疾患です。生活習慣とは関係なく、小児期から高齢期まで幅広い年代で発症するとされています。

12歳のときに1型糖尿病を発症した@naaachin7puqさんは、同級生との鬼ごっこの最中に「来るな!病人!」と言われ、傷ついた経験を明かしています。

今回は、病気が判明した当時のことや、現在の生活について話を聞きました。

血液検査で異常な数値が出て即入院に

@naaachin7puqさんは12歳の春頃から、多飲多尿や強い空腹感、体重減少など、痛みはないものの体の変化を感じていたそうです。

病院を受診するきっかけとなったのは、尿検査で尿糖が見つかったことでした。その後の血液検査では通常とは大きく異なる数値が確認され、すぐに入院することに。

そこで「1型糖尿病」と診断されましたが「糖尿病」という言葉は知っていても「1型糖尿病」という病名は初めて聞き、当時は状況をうまく理解できなかったといいます。

お母さんとの写真(@naaachin7puqさんより提供)

その中で特にショックだったのは、一生インスリン注射が必要になると知ったことでした。ですが次第に「インスリン注射を続ければ生活していける」「命を守ることができる」と前向きに捉えられるようになり、安心する気持ちのほうが大きくなっていったと振り返ります。

退院後は、自宅で食事管理や注射を行う生活が始まりました。退院から2週間ほど経った頃、お母さんから自分でやってみるよう声をかけられたそうです。

それをきっかけに、自分でご飯の量を量り、インスリン注射も自分で行うようになった@naaachin7puqさん。
「自分の身体は自分で守る」という大切さを、お母さんは“手は離しても目は離さない”姿勢で教えてくれていたことが、今でも印象に残っているといいます。

12歳で受けた心ない一言

1型糖尿病と診断されたばかりの頃、@naaachin7puqさんは男の子たちと一緒に野球に打ち込んでいました。

インスリン注射にも少しずつ慣れてきた頃のこと。もともと足が速かった@naaachin7puqさんが、鬼ごっこで男の子たちを追いかけていた際、同じ野球部のチームメイトから「こっち来るな!病人!」と言われたそうです。

その日は悔しくて、家族に気づかれないよう布団の中で泣いたことを、今でも鮮明に覚えていることを明かします。

発症当時の野球に打ち込んでいた12歳(@naaachin7puqさんより提供)

支えとなったのは、お母さんの存在と『ソウル・サーファー』という本との出会いでした。主人公のベサニー・ハミルトンさんは、@naaachin7puqさんにとって憧れであり、人生の目標のような存在です。

ベサニー・ハミルトンさんは、サメによる事故で片腕を失いながらも、リハビリを経て再び海へ戻り、現在もサーファーとして活動しています。

そんな彼女の「誰かの希望を見出す手助けになれるなら、私は腕を失った価値はあった」という言葉に励まされ、@naaachin7puqさんも「自分の経験が、誰かの希望につながれば」と思いながら歩んできたと語っていました。

病気と向き合いながら続けた挑戦

@naaachin7puqさんは、発症から21年後のSNSの投稿で「諦めるなんてもったいない」と話しています。その背景には、発症当時は「1型糖尿病では運動も難しい」と言われていた時代だったことが関係していました。

運動が大好きだった@naaachin7puqさんにとって、運動できないのは最もつらいこと。そこで主治医と相談しながら、自分自身で「できること」と「やりたいこと」の差を埋めてきました。

そうした経験を重ねる中で「1型糖尿病だから」とやりたいことを諦めてしまうのは、とてももったいないことだと感じるようになります。
また「どうすれば“やりたいこと”を実現できるか」を考えながら行動するようになったことも、前向きに生きるきっかけになっていきました。

女子駅伝で区間賞をとったとき(@naaachin7puqさんより提供)

5人の子どもを育てる今

@naaachin7puqさんは現在、1歳から7歳までの5人の子どもを育てるママです。旦那さんが仕事で忙しいため、1人で育児を担う時間も多いといいます。

日々の生活で特に意識しているのは、低血糖を防ぐこと。1型糖尿病では、低血糖が体調に大きく影響することがあるためです。

そのため、1日の血糖変動を把握できる持続血糖測定(CGM)を活用し、低血糖になるとアラートが鳴るよう設定。体調を崩さないよう、早めの行動を心がけています。

5人の子どものママ①(@naaachin7puqさんより提供)

今後も「伝えること」を大切にしていきたい

@naaachin7puqさんは「嫌なことや悲しいこと、心ない言葉は世の中にたくさんあります」と語ります。

そんな中で、今後伝えていきたいのは「小さな幸せは日常の中にたくさんあり、それを少しずつ積み重ねていくことで、自分自身を幸せにできる」ということ。
「みなさんにも、その思いが広がれば嬉しいです」と話していました。

また、2026年5月からは神戸新聞の「随想」コーナーで、8月までエッセーを掲載予定とのこと。
文字や言葉を通して「伝えること」を大切にしている@naaachin7puqさんは「これからも変わらず、伝えることを大切にしていきたいです」と語っていました。

ライブをしたとき(@naaachin7puqさんより提供)

1型糖尿病への理解は、まだ十分に広まっているとはいえず、誤解や偏見に傷つく人も少なくありません。
@naaachin7puqさんの発信は、1型糖尿病について知り、理解を深めるきっかけのひとつになっていきそうです。

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