「最初は風邪と診断されたのに…」救急搬送され、即入院した3歳児。医師から告げられた“まさかの診断”と現在の生活に迫る

「最初は風邪と診断されたのに…」救急搬送され、即入院した3歳児。医師から告げられた“まさかの診断”と現在の生活に迫る

@____lerinさんの娘さんは、3歳5ヶ月で1型糖尿病と診断されました。1型糖尿病は自己免疫疾患で、先天性や生活習慣病ではありません。生きるにはインスリン注射が必要で、原因は不明、誰でも発症する可能性があります。今回は、娘さんが1型糖尿病と診断されたときのことについて、お母さんである@____lerinさんに話を聞きました。

3歳5ヶ月で「1型糖尿病」に…

1型糖尿病と診断される数日前、娘さんは風邪のような症状に加え、だるさや気持ち悪さを訴えていました。1ヶ月ほど前から夜尿がひどく、2時間おきにおむつを替えてもシーツまで濡れるほど。日中の多尿や喉の渇き、体重減少もあったと@____lerinさんは振り返ります。

素人にはこれらが1型糖尿病の兆候とは判断できませんでした。かかりつけの小児科を受診しましたが、最初は風邪と診断され、風邪薬が処方されます。

しかしその夜、娘さんの状態は急速に悪化。翌朝再度受診すると、すぐに救急搬送され緊急入院となり、そこで1型糖尿病と診断されました。

娘さんが緊急入院した際、@____lerinさんは「体の状態が悪化していたので、病名がわかり、命に関わる病気でなくてよかった」と安堵した一方で、完治しない病気であることから今後の生活に不安もあったといいます。

診断直後の娘さんは、インスリンが分泌されず体調が非常に悪く、丸一日寝たきりの状態でした。

次第に病気のことを受け入れるようになった娘さん

娘さんは入院の大変さをなんとなく察していました。@____lerinさんは、病気の話も他の話題と同じような穏やかな口調で伝えるよう心がけたといいます。

「1型糖尿病で注射などがんばることはあるけれども、今まで通り保育園は行けるし、やりたいことは我慢しなくていいんだよ」と伝えました。そのとき娘さんはまだ3歳。あまりよくわかっていない様子でしたが、その後何度も娘さんは病気について聞いてきたそうです。

10万人に一人か二人の「1型糖尿病」(@____lerinさんより提供)
血糖値の測定(@____lerinさんより提供)

食事の前には血糖値を測定する必要があり、初めは痛い、怖い、嫌だと泣くこともありました。次第に「ご飯を食べる前にはこれをしないといけないんだよ」と自分で言い出すほどになります。

「自分の病気について理解をして受け入れている様子がわかりました」と語る@____lerinさん。

一人で測定ができるようになり…(@____lerinさんより提供)

インスリンポンプや腕のセンサーについて友達に聞かれたくないと避けていましたが、今では「病気のために必要なものだから触らないでね」と自分で言えるようになったそうです。

そのように病気を受け入れる娘さんを見て@____lerinさんは「我が子ながら立派だと思います。まだ幼いのに痛みを我慢しながら日常的に治療を続ける娘を誇りに思います」と明かしてくれました。

娘さんには病気を気にせず、日常を過ごしてほしい

現在は、できるだけ外食やお惣菜、ジュースを避けることを一番意識しているといいます。

「禁止するわけではなく、楽しみとして外食にいくことはもちろんあります。毎日、毎食そうなると血糖値のコントロールが難しくなるため、できるだけ意識しています。」

また、1型糖尿病になったことについて@____lerinさんが大変だったことは、周囲への説明でした。
「今は自分も娘の病気についてだいぶ理解してきましたが、発症当時は自分でもきちんと理解できていないことを、周りの人にも説明しなければならない状況でした」

現在の娘さん(@____lerinさんより提供)

@____lerinさんが親として思うことは、1型糖尿病を重く捉えすぎないでほしいということ。
「病気を理由にできないことは特にないので、不都合があれば治療法を変えることで対応できますし、そのあたりの交渉は親が行うので娘は病気を気にせずに日常を過ごしてほしいなと思います」と話してくれました。

1型糖尿病への正しい理解で生きやすい世の中に…

@____lerinさんがSNSで娘さんの病気について発信しようと思った理由は、1型糖尿病への正しい理解が広まればいいなと思ったからでした。

眼鏡をかけている人に「それはなんですか?」という人はあまりいないでしょう。しかし、娘さんの場合はどこへ行ってもインスリンポンプについて説明しなければならないのです。

「私自身、娘が病気になるまで1型糖尿病が後天的に発症する病気だということも、遺伝や年齢は関係ないということも知りませんでした。少しでも理解が広まれば娘や同じ病気の人が生きやすい世の中になるのかなと思いました」と語ります。

生きるために必要なもの(@____lerinさんより提供)
生きるために必要なもの(@____lerinさんより提供)

同じような病気がある人には「1型糖尿病といっても、人それぞれ病気の状態や悩みや不安は違うかと思いますので、安易に『1型糖尿病でも大丈夫』とは言えません。ですが、私個人としては、1型糖尿病の娘のおかげでたくさんの人が支えてくれて、たくさんの人と関わりを持つことができている今の生活をとても楽しんでいます」と話していました。

娘さんには「たくましく、図太く育ってほしい」と願います。

生活習慣病のイメージが強い2型糖尿病とは異なり、1型糖尿病は誰にでも突然発症する可能性があります。みんなが1型糖尿病を理解し、インスリンポンプを持つ人も気軽に過ごせる世の中になるといいですね。

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