@yukino.21.sgmtさんの息子さんは、起立性調節障害の影響で中学校の3年間は不登校でしたが、高校進学では自らの意思で通信制高校を選び、通うことになります。
高校1年生のとき「最優秀生徒賞」に選ばれ、そのことをThreadsに投稿したところ「未来が明るいですね」「涙が…」などのコメントが寄せられていました。
そこで母親の@yukino.21.sgmtさんに、息子さんについて話を聞きました。
※「起立性調節障害」…ホルモンバランスが大きく変化する思春期に好発し、自律神経のバランスが崩れることで、立ちくらみやめまい、ふらつきなど様々な症状が起こる疾患。特に午前中に症状が出やすく、日常生活に支障をきたすこともある。
朝になると不調を訴え起き上がれない日々
@yukino.21.sgmtさんは、息子さんが5歳のときにご主人を心筋梗塞で亡くし、ご自身のご両親が住む街へ引っ越しました。日々忙しい中、おじいちゃんが毎日保育園まで軽トラで送迎してくれていたといいます。
小学生時代の息子さんは、サッカーやスイミングに励む活発な子どもだったそうです。
しかし、小学6年生ごろから顔色がすぐれず、朝の目覚めがつらそうな日が目立つように。中学入学から数日後にはさらなる体調不良が現れました。
ある朝、「頭痛と吐き気がひどくて行けそうにないから休ませて」と訴える息子さんに対し、@yukino.21.sgmtさんは「入学早々に休ませてはいけない」と思い、強めに促しました。
しかし、ベッドから降ろすとそのまま床に崩れ落ちてしまったといいます。
その症状はその日限りではなく、連日続きました。
「力ずくで連れて行こうとしても、どうにもならない状態でした」と当時を振り返ります。
起き上がってもふらつき、倒れ込むことを繰り返す息子さんの様子に、「行き渋りというよりも、意識がないと言った方が近かった」と話します。
また、過眠の傾向が強い時期もあり、あまりに眠り続けるため、何度も呼吸を確認しに行ったこともあったそうです。
不登校の背景にあった病
総合病院の小児科を受診し新起立試験を行った結果、息子さんは起立性調節障害と診断され、さらにサブタイプである体位性頻脈症候群(POTS)であることも判明しました。
現在では、病気の仕組みを理解できているという@yukino.21.sgmtさんですが、当時は「学校へ行けない」ことに対する焦りや葛藤があったといいます。
夜になると元気になる息子さんに、「本当は怠けているだけなのでは…」と疑念を抱き、ぶつかることもあったそうです。
そのたびに息子さんが口数を減らしていき、「親子ともに一番苦しかった時期だった」と語ります。
同年代の子たちが制服を着て登校する姿を見るたびに、かつての息子さんの姿を思い出し、涙をこらえることもあったそうです。
「入学してまもなく始まった起立性調節障害による体調不良は、息子の自信を徐々に奪い、学力の面でも以前のような力を発揮できなくなっていきました。きっと本人も、どうすればよいのか分からず戸惑っていたと思います」と振り返ります。
両親の言葉に救われて
「もう未来はないのではないか」と思い詰めていた@yukino.21.sgmtさん。そんなとき、ご両親から「あの子は昔と何も変わらない!大丈夫だから!時が来たら必ずまた頑張れる日がくる!」と声をかけられたといいます。
その言葉は、息子さんだけでなく、@yukino.21.sgmtさんにとっても大きな励ましとなったそうです。
「息子を信じてくれる存在がいてくれたことが、私自身の支えにもなりました」と話します。

息子さんは、ある歌い手の方に強く惹かれていたといいます。
@yukino.21.sgmtさんは、息子さんが話してくれる“推し”の話題に耳を傾け、会話を楽しむように意識。また、医師のアドバイスのもと、遠方のライブにも一緒に出かけるようになりました。

そうした体験を通して、徐々に息子さんの気持ちが外へ向いていったそうです。
後に息子さんは「日々生きる中に楽しみができたことで、気持ちを前向きに保つことができた。僕にとって、それはとても大切なことだった」と話してくれたといいます。
進路を自分で選ぶまでに
中学3年生になる頃には体調が回復傾向にあり、気力も戻ってきました。
そのとき息子さんは、「勉強は自分で調整するから、信じて見守ってほしい」と@yukino.21.sgmtさんに伝えます。
@yukino.21.sgmtさんはその言葉を信じ、中学3年生の1年間を見守り、進路も本人の意思に任せた結果、通信制高校への進学を選ばれました。
卒業式には出席しませんでしたが、校長室で証書を授与してもらう機会が設けられたといいます。

自分のペースで花開く
現在の息子さんは、体調を見ながら多くのことに取り組めるようになっています。
高校では週2日登校するコースを選び、1年生のときには週3日のアルバイトにも励んでいたそうです。2年生となった現在は、塾にも通いながら大学受験の準備を進めており、レポートや試験勉強などを自分で計画・管理しているといいます。

高校1年生のときには「最優秀生徒賞」を受賞。周囲からもその努力が高く評価されました。

@yukino.21.sgmtさんは、「子どもは親が思う以上に将来を見据えている。親がポジティブな気持ちでいることで、良い循環が生まれるのだと実感しました。本当にうれしかったです」と語ります。
そして、これからも続く高校生活に向けて「通信制高校ならではの強みを活かし、自分の目標に向かって迷わず進んでほしい」と息子さんへエールを送っていました。
「最優秀生徒賞」に選ばれたのは、息子さんの努力はもちろん、@yukino.21.sgmtさんやご両親が温かく見守ってきた賜物。とても心温まる出来事ですね。

