異文化での生活は、新しい発見に満ちている一方で、予期せぬ驚きに遭遇することもあります。
今回お話を伺ったのは、日本で働く30代の女性会社員、エイミーさん（仮名）。アメリカ合衆国出身の彼女が日本に来て最初に驚いたのは、街の喧騒とは対照的な、公共の場における静けさだったと言います。
電車内の静寂にカルチャーショック！
日本に到着して間もない頃、エイミーさんが最も衝撃を受けたのは、電車の中の異様な静けさでした。
「アメリカの公共交通機関は、もっとざわざわしているのが普通でした。人々が普通に会話したり、電話で話したり。でも、日本の電車の中では、ほとんどの人が静かにスマートフォンを操作しているか、じっとしている。その光景は、私にとって本当に信じられないものでした」
この静けさの中に、エイミーさんは日本社会の他者への配慮、公共のマナーを重んじる文化を感じ取ったそうです。
道に迷う私を助けてくれた、見知らぬ人の温かいサポート
日本の秩序に感銘を受けた一方で、エイミーさんの心を深く捉えたのは、日本人の親切心でした。
「ある日、駅のホームで乗り換えに迷っていたんです。すると、見知らぬ女性が私に声をかけてくれて、『どこへ行くの？』と尋ねてくれました。目的地を伝えると、その方は丁寧に電車の乗り方を教えてくれただけでなく、私が間違えないように、次の乗り換え駅まで一緒に来てくれたんです」
異国の地で不安を感じていたエイミーさんにとって、この見ず知らずの人の親切は、忘れられない感動体験となりました。「その時、日本の『おもてなしの心』を肌で感じ、日本に来て本当に良かったと思いました」と、エイミーさんは笑顔で振り返ります。
日本の魅力は「親切な人々」と「秩序ある社会」
日本での生活を通して、エイミーさんが強く感じる魅力は二つあります。
「一つは、日本人の親切さです。困っている時、迷っている時、いつも誰かが助けてくれます。街で会う人も、挨拶や笑顔を向けてくれることが多く、それがとても嬉しいです」
そしてもう一つは、「秩序ある社会」です。「公共の場でのマナーがしっかりしているので、安心して生活できます。誰もがルールを守ろうとする意識が高いと感じます」とエイミーさんは語ります。
アメリカとの文化の違いに驚きながらも、日本の人々の温かさと秩序ある社会に魅了されたエイミーさん。彼女の体験は、私たち日本人が当たり前だと思っていることの中に、多くの魅力が詰まっていることを改めて教えてくれます。