今回は、小学5年生の娘さんから突然LINEで宿題のヘルプを頼まれ、思わず驚いてしまったというタロウさん(仮名・50代・会社員)に、ちょっと予想外のエピソードを伺いました。
仕事中に届いたSOS
「その日も会社で、溜まっていた資料をなんとかまとめようと奮闘していたんです」と苦笑いするタロウさん。
集中してパソコンに向かっていた時、スマホの通知音が鳴りました。
画面を見ると、娘さんからのLINE。
軽い気持ちで開いてみると、想定外のメッセージが飛び込んできました。
「『パパ、今日の社会の宿題、パパのほうがくわしいからやって!』って。……え? やって、ってどういうこと!? しかも、なんで僕が詳しいって知ってるんだ? と、一瞬フリーズしましたね」
まさかの“宿題の外注”に困惑
「いやいや、宿題は自分でやるものだよな……」と思いながらも、なぜ自分に頼ってきたのか理由が気になります。
後日、その理由を娘さんに尋ねると、意外な答えが返ってきました。
「『知ってるよ! でもパパって、テレビ見ながらいつも昔のことばっか話すじゃん!』と言われて、思わず苦笑いしてしまいました」。
普段から昔の出来事をよく話すタロウさんを見て、社会(特に歴史)の宿題は父が詳しい、と娘さんは思っていたようです。
子どもの素直な発想に感心
突然の“宿題の外注”依頼に驚きつつも、子どものユニークで素直な発想に感心したといいます。
「誰かに頼るという発想自体には驚きましたが、僕のことを『詳しい』と思って素直に頼ってきたんですよね。子どもって、こういう『素直に頼ってみる力』をうまく使うんだな、と気づきました」
歴史を一緒に学ぶ喜び
このLINEのやり取りの後、タロウさんは娘さんと宿題について話しました。
「娘は『明治時代』の話を聞いて笑いながらも興味を持ち、さらに学びたいと感じていました。歴史を知ることは今と未来をつなげる大切な学びだと伝えると、『もっと歴史を調べたい』と言ってくれて、二人で一緒に学ぶ楽しさを実感できました。教えるだけでなく、一緒に学んで成長していきたいと改めて思いました」と、タロウさんは顔をほころばせます。
家族に生まれた小さな変化
この出来事をきっかけに、家庭にはちょっとした変化が生まれました。
「夕食の時間やテレビを見ている時に、娘が『これは昭和のドラマだね!』と話題を出すようになり、家族で歴史の本を読む機会も増えました。娘の成長を感じるとともに、一緒に新しいことを学ぶ喜びを改めて実感しています」と、タロウさんはうれしそうに語ります。
世代間のギャップは、思いがけない発見をもたらし、家族の新たなコミュニケーションのきっかけにもなるのかもしれません。

