職場で指摘されて初めて知った、メールの言葉遣いの違い
仕事のメールで、特に問題ないと思って使っていた言葉が、場面によっては失礼に受け取られることがあると知り、戸惑った経験はありませんか。
今回は、30代・パート勤務の女性に、職場でのメールのやり取りをきっかけに知った言葉遣いのマナーについて話を聞きました。
普段通りに使っていた「了解です」という返信
女性がそのマナーを知ったのは、パート先で業務連絡のメールを受け取ったときでした。
内容を確認し、問題なかったため、「了解です。ありがとうございます。」と返信したそうです。
了承の意味で使っており、失礼にあたるとはまったく思っていなかったといいます。
日常会話でもよく使う表現だったことから、深く意識せずに送ったメールでした。
やんわりと伝えられた、思いがけない指摘
後日、そのメールについて、社員の方から個別に声をかけられました。
悪気はないのは分かるけれど、目上の人への返信では「了解です」は避けた方がいいよ、とやんわり伝えられたそうです。
感情的に責められることはなく、あくまで穏やかな言い方だったと振り返ります。
それでも、その場で初めてマナーとして注意されることがある表現だと知り、驚きが大きかったと話します。
調べてみて分かった、ビジネスシーンでの考え方
帰宅後に自分でも調べてみると、ビジネスメールでは「了解です」という表現を、目上の人に使わない方がよいとされるケースが多いことが分かりました。
普段の会話では問題なくても、仕事の場では受け取られ方が変わることがあると感じたそうです。
知らなかったとはいえ、相手に失礼な印象を与えていたかもしれないと、少し反省しました。
恥ずかしさと同時に感じた、教えてもらえた安心感
注意された直後は、恥ずかしさや気まずさもありました。
そんな細かいところまでマナーがあるんだ、というショックもあったといいます。
一方で、理由も含めて説明してもらえたことについては、ありがたかったとも感じています。
知らないまま使い続けていたら、評価を下げていたかもしれないと思ったそうです。
それ以来、言葉選びを少し意識するように
この出来事をきっかけに、女性はメールや文章での言葉遣いに、以前より気を配るようになりました。
完璧に使い分けられているわけではないものの、相手や場面を意識するようになったと話します。
知らなかったことを知れたという意味では、良い学びになった経験だと感じているそうです。
言葉そのものよりも「どう受け取られるか」がポイント
今回のエピソードは、「了解です」という言葉自体が、常に失礼だという話ではありません。
相手との関係性や立場、ビジネスという場面において、どう受け取られる可能性があるかが関係しているケースのひとつです。
ここから、ビジネスマナーの専門家に解説を聞きました。
専門家のコメント
このようなケースについて、撫子Plus株式会社の鮎永 麻琴さんに話を聞きました。
■ なぜ「了解です」が注意されることがあるのか
「了解です」という言葉自体が失礼な表現というわけではありません。
ただし、ビジネスシーンでは「誰が・誰に向かって使うか」によって、受け取られ方が変わる言葉のひとつです。
「了解」という言葉には、
• 内容を理解した
• それを承認・把握した
という意味が含まれています。
そのため、立場によっては「対等、もしくは上から目線に聞こえる」と感じる人がいるのも事実です。
特に、目上の人や取引先からの依頼・指示に対して使うと、
「承知しました」よりもカジュアルで軽く受け取られることがあります。
これは言葉の正誤というより、ビジネス慣習としてのニュアンスの違いだと考えると分かりやすいでしょう。
■ 誤解されやすい場面とは
「了解です」が誤解されやすいのは、次のような場面です。
• 上司や社員など、立場が上の人からの業務指示への返信
• 初めてやり取りする相手、関係性がまだできていない相手
• メールやチャットなど、表情や声のトーンが伝わらない文章のみのやり取り
日常会話では問題なくても、
文章だけになると、どうしても言葉の印象が強調されてしまうため、意図しない形で受け取られることがあります。
■ 無難で安心な言い換え表現
迷ったときは、次のような表現を選ぶと安心です。
• 「承知しました」
• 「かしこまりました」
• 「承りました」
• 「ありがとうございます。対応いたします」
これらは、
• 相手を立てる
• 受け取った内容を丁寧に確認した
というニュアンスが自然に伝わるため、職場や取引先とのやり取りでも無難です。
「了解です」を完全に使ってはいけない、ということではありません。
ただし、フォーマルな場面では別の選択肢を持っておくことが、コミュニケーションの安心感につながります。
■ パート・アルバイトの方でも意識しておきたいポイント
「正社員ではないから」「そこまで厳しくなくてもいいのでは」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、立場に関係なく、言葉遣いは“仕事への姿勢”として受け取られることがあります。
実際には、
• 言葉遣いが丁寧 → 仕事も丁寧そう
• 細かい部分に気を配れる → 任せやすい
といった印象につながることも少なくありません。
逆に言えば、
今回のように教えてもらえたこと自体が、信頼されている証拠とも言えます。
知らなかったことを必要以上に恥じる必要はありません。
「次から気をつけよう」と意識できた時点で、コミュニケーションは一段階アップしています。
■ 最後に…言葉選びで大切なのは「正しさ」より「配慮」
ビジネスの言葉遣いに、完璧な正解があるわけではありません。
大切なのは、
この言葉は、相手にどう受け取られるだろうか
と一度立ち止まって考える姿勢です。
言葉そのものよりも、相手への配慮が伝わるかどうか。
その意識が、働きやすさや人間関係の安心感につながっていきます。
知らなかったことを、責めすぎなくていい
ビジネスの言葉遣いには、知っていないと分からないルールや慣習も少なくありません。
今回の女性のように、注意されたことで初めて気づくケースもあります。
大切なのは、知らなかったこと自体を責めることではなく、その後どう意識していくかです。
専門家の解説を参考にしながら、無理のない形で言葉選びを見直していくことが、安心して働くことにつながるのかもしれません。
※本記事は、実際の体験談をもとに構成しています。
※言葉遣いの受け取られ方は、職場や相手との関係性によって異なる場合があります。
