高1の時、腰に違和感。病院に行くと…医師「もう少し遅ければ危なかった」その後判明した病に衝撃。 現在ポジティブな活動をする様子に迫る

高1の時、腰に違和感。病院に行くと…医師「もう少し遅ければ危なかった」その後判明した病に衝撃。 現在ポジティブな活動をする様子に迫る
高校1年生のときに病気がわかり…(@rina47udさんより提供)

高安動脈炎という病気を知っていますか?

100万人に一人の難病といわれるこの病気は、大動脈に炎症が起こる自己免疫疾患で、血管炎のひとつです。原因不明の病気で個人差はありますが、炎症が生じた血管の部位によってさまざまな症状が出るため、倦怠感や痛み、手足のしびれ、頭痛やめまいなどが見られます。

高安動脈炎と向き合っているRiNA(@rina47ud)さんは、難病ダンサーとして活動し、病気のことをSNSで発信しています。目には見えない病気と闘うRiNAさんに話を聞いてみました。

高安動脈炎だとわかった次の日、激痛で緊急搬送に…

最初は腰の違和感程度だと思い整体に通っていたRiNAさんですが、痛みは次第に背中全体へと広がり、悪化していきました。
その後、いくつもの病院をまわって精密検査を受けますが「原因不明」「異常なし」と言われ続けます。

そして、ようやくある病院で「高安動脈炎」と診断されました。
それは、高校1年生、16歳のときのことでした。

高校1年生のときに病気がわかり…(@rina47udさんより提供)

これまでRiNAさんは、原因のわからない痛みに苦しみながらも、周囲にうまく説明できず「痛いから休む」「動けない」と伝えるしかありませんでした。それを“甘え”と受け取られることもあり、つらい思いをしていたと話します。

だからこそ病名を告げられたとき、まず感じたのは安堵でした。一方で、治らない病気だと知り、今後は臓器への影響や一生付き合うことへの不安も大きかったそうです。

病院で「翌日、大学病院へ行ってください」と言われた翌朝5時、RiNAさんは激痛で目を覚まします。
「悶え苦しむような状況だった」と後に母親から聞いたそうで、すぐに救急車を呼びました。

到着までは30分もかかりませんでしたが、痛みが強すぎて時間が何倍にも感じられたといいます。

病院到着後に鎮痛剤の点滴を受けましたが1本では効かず、2本目までしか覚えていないとのこと。その後の検査中の記憶はなく、目を覚ますと病室のベッドでステロイドの点滴を受けていました。

そして、あれほどの痛みが嘘のように消えていたといいます。

「神様に生かされた」という思いから…

緊急搬送されたとき、医者から「もう少し遅ければ危なかった」と言われ、RiNAさんは「神様に生かされた」と感じました。

もう少し遅かったら…(@rina47udさんより提供)

「誰かのために何かをしたい」と強く感じたRiNAさん。
診断を受けた当時、同じ病気について発信している人がほとんどおらず、ステロイドの副作用によるムーンフェイスがいつ戻るのかといった不安を抱えていたことを思い出します。

そして「自分が発信すれば、同じ思いをする人が少しでも減るかもしれない」と思い、SNSで発信を決意。

また「今の時代、SNSで簡単にやり取りができる時代だからこそ発信をしていけば相談もしやすく、同じ経験をしているからこそ助け合えることもある」という思いも、発信のきっかけとなりました。

世の中には目には見えない病気があることを知ってほしい

RiNAさんは、腎臓の手前の血管の狭窄や、心臓の真裏にある下行大動脈の小さな瘤により、倦怠感や痛み、手のしびれなどの症状があります。目に見えず、日によって症状が異なり、予兆もなく起こる病気に悩む中で、支えになったのは家族や仲間でした。

突然の痛みや倦怠感で動けなくなるRiNAさんを理解し、寄り添ってくれたそうです。ダンスイベントで痛みのため出演できなくなった際も、短時間で構成を組み直し、RiNAさんがいなくてもステージを完成させてくれました。

難病ダンサーとして(@rina47udさんより提供)

こうした体験をしたRiNAさんは、もっと世の中には目に見えない病気があること、さまざまな症状があることを知ってもらいたいと話します。そして「優しい世界になってくれたらいいな」とも。

RiNAさんの旦那さんは「病気や障がいの有無に関係なく、やりたいことを叶えられる社会を」という思いから「UD DANCE SCHOOL」を設立しました。
今後は活動をさらに広げ「病気があっても理解してくれる場所、方法を一緒に考えてくれる場所があることを伝え、居場所を見つけてもらいたい」とRiNAさんは話します。

「私は元不登校で、人間関係も苦手でした。病気をきっかけに主治医からダンスをやめるよう止められたこともあります。そんな私を支えてくれた夫や仲間たちが心の支えです。病気に負けず、自分のペースで、自分に合った方法で“したいこと”を叶えればいい。一緒に闘い続けましょう」とRiNAさんは語ります。

目には見えない病気はなかなか理解されず、苦しんでいる人が多いかもしれません。目には見えない病気があることや、人によってさまざまな症状があることを、もっと理解する必要があると感じた人も多いのではないでしょうか。RiNAさんが願っているように、優しい世界になることを願います。

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