子どもの豊かな想像力は、時に大人の予想をはるかに超え、日常の風景を摩訶不思議な世界へと変えてしまいます。
そんな中、今回「最初はギョッとしました」と笑いながら語るのは、30代で看護師として働くお母さん。
ある日の夕方、5歳の娘さんが自宅の階段で繰り広げた、驚きの光景とその可愛らしい理由についてお話を伺いました。
夕方の自宅、階段に広がる異様な光景
その出来事が起きたのは、夕方16時ごろ。お母さんがふと自宅の階段に目をやると、そこには異様な光景が広がっていました。
階段の一段一段に、一体ずつぬいぐるみがずらりと並べられていたのです。一段目には犬、二段目にはうさぎ、三段目にはいるか…と、まるで何かの儀式のように整然と配置されていました。
「一瞬、何が起きたのか分からず、ギョッとして少し怖くなりました」
犯人は5歳の娘!「触らないで!」その理由とは
驚いているお母さんのもとへ、2階から三女のミオちゃん(仮名)が降りてきました。そして、階段の作品を見るなり、お母さんにこう言いました。
「これはミオちゃんのだから、触らないでね!」
その一言で、この光景がミオちゃんの仕業であることはすぐに分かりました。お母さんが「これは何をしてるの?」と尋ねると、その可愛らしい理由が明らかになります。
「きのう読んだ絵本だよ!」
前日に読んだ大好きな100階建ての家の絵本の世界を、自宅の階段で再現しようとしていたのです。
恐怖から一転、愛おしさへ。絵本の世界が我が家に
その理由を聞いた瞬間、お母さんの気持ちは恐怖から一転、笑いと愛おしさに変わりました。
「なるほど、と納得すると同時に、その発想が面白くて思わず笑ってしまいました。『よく思いついたね!すごいね!』とたくさん褒めました」
最初に感じた異様な光景は、娘の豊かな想像力が生み出した、世界で一つだけのアート作品へと姿を変えました。一段一段に違う動物が住んでいるという絵本の設定を、忠実に再現しようとした娘の純粋な気持ちに、心が温かくなったそうです。
ミオちゃんの小さな頭の中に広がる壮大な物語が、いつもの我が家の階段を、夢いっぱいの「100かいだてのいえ」へと変身させた、素敵な出来事でした。
このお話のように、お子さんとのやり取りで「ハッとした」エピソードはありますか?
