864gで生まれた息子→1年後の現在の姿に「涙が出そうです」「大きくなってね」

864gで生まれた息子→1年後の現在の姿に「涙が出そうです」「大きくなってね」
カンガルーケア(@natsumi.k_fleelanceさんより提供)

@natsumi.k_fleelanceさんは妊娠26週で緊急帝王切開となり、864gで息子さんを出産しました。

それから1年が経ち、成長した息子さんの姿をThreadsに投稿したところ「涙が出そうです」「大きくなってね」などのコメントが寄せられ、話題となっています。

そこで@natsumi.k_fleelanceさんに話を聞きました。

妊娠26週0日、864gで生まれ…

@natsumi.k_fleelanceさんは妊娠初期から切迫流産の状態で、血腫があると診断されていました。妊娠14週には前置胎盤と判明し、出血も続いていたため、主治医からは「血腫と胎盤の位置の影響で出血は避けられない」と伝えられ、安静が必要になります。

ところが妊娠25週で出血量が増え、切迫早産のため入院することに。
「なんとか34週までもってくれたら…」と祈るような思いで過ごしていましたが、入院から6日後に大量出血してしまいます。

「母体も赤ちゃんも危険です」と言われ、全身麻酔での緊急帝王切開になったのは、妊娠26週0日でした。

@natsumi.k_fleelanceさんは、頭が真っ白になり、ただただ混乱したといいます。緊迫した空気の中で医療スタッフの人たちが素早く対応し、手術室に運ばれました。

また、涙が止まらない@natsumi.k_fleelanceさんに「大丈夫ですからね」とスタッフさんから声をかけられて、肩をポンと叩かれた瞬間に意識が遠のき「気づいたときには手術が終わっていました」と話します。

目が覚めると、旦那さんがそばにいて、顔を見た瞬間に@natsumi.k_fleelanceさんは涙があふれました。

出生時(@natsumi.k_fleelanceさんより提供)

864gで生まれた息子さんはNICUに運ばれ、全身麻酔の影響で当日は会えず、@natsumi.k_fleelanceさんは不安で胸がいっぱいでした。翌日、車いすでNICUへ行くと、保育器の中の息子さんは驚くほど小さく、管や機械に囲まれていたそう。

「もっとお腹の中で育ててあげたかった」と思いながら、初めてかけた言葉は泣きながらの「ごめんね」でした。

「成長ノート」は宝物に

息子さんは約3ヶ月間、NICUとGCUで過ごし、最大の壁は呼吸でした。

早産の影響で肺の機能が未熟で自力で呼吸できず、約2ヶ月半、人工呼吸器を装着。特に生後1ヶ月までは無呼吸発作が多く、自宅にいる間も心配で、早くNICUに行って無事を確認したかったといいます。

頭の形が心配でした(@natsumi.k_fleelanceさんより提供)

そのときは帽子をかぶっていたため、頭の形も心配でした。

NICUでは、看護師さんたちが夜の様子や変化を丁寧に記録した“成長ノート”があり、息子さんの写真とかわいいイラストが貼られたそのノートは@natsumi.k_fleelanceさんの宝物です。
「次男が大きくなったときに見せたい」とも話しています。

人工呼吸器の影響でしばらく沐浴できなかった息子さんは、生後57日目にやっと沐浴ができました。その際、記念写真を撮ってお祝いし、成長ノートに記録してもらえたことを、とても嬉しかったと語ります。

@natsumi.k_fleelanceさんが最も印象に残っているのは「カンガルーケア」でした。息子さんを素肌の胸の上で抱くケア方法で、小さく生まれた赤ちゃんによい影響があると聞き、迷わずお願いしたそうです。

カンガルーケア(@natsumi.k_fleelanceさんより提供)

「両手に収まるほど小さな体を抱くのは不安もありましたが、胸の上でぬくもりを感じることができ、ただただ嬉しかったです。たくさん声をかけることができました」と語っていました。

退院後の生活に悩んだことも…

約3ヶ月後、息子さんは退院することになり、主治医からは「もう普通の赤ちゃんと同じように生活して大丈夫」と言われますが、それでも最初は不安だったという@natsumi.k_fleelanceさん。

退院後の1週間は旦那さんに休みを取ってもらい、しばらくは自身のお母さんにもサポートをお願いしてなんとか乗り切ることができました。

退院できました(@natsumi.k_fleelanceさんより提供)

お世話になった産院には定期的に受診の予定があり、先生や助産師さんに相談したり、地域の保健センターの担当の方にも気にかけていただいたりと、たくさん支えられていたと話します。

@natsumi.k_fleelanceさんが悩んだのは、当時3歳の長男であるお兄ちゃんのことでした。
「昼は次男、夜は長男を優先しようと心がけていましたが、思うようにいかず悩む日々もありました」

退院して1ヶ月ほど経ったころ、お兄ちゃんが腕を骨折し幼稚園に登園できなくなりました。真冬だったこともあり「骨折中の長男と小さく生まれた次男の2人を家の中でどう過ごすか」と試行錯誤の日々が続いたといいます。

ベビーマッサージで笑顔に(@natsumi.k_fleelanceさんより提供)

悩みながらも@natsumi.k_fleelanceさんは、お兄ちゃんも連れてベビーマッサージに参加しました。そこで、寝ているときにしか笑わなかった息子さんが、初めて起きているときに笑ってくれたのです。その後も少しずつ笑うことが増え、表情で反応してくれるようになりました。

お兄ちゃんと(@natsumi.k_fleelanceさんより提供)

また、最初は突然現れた小さな赤ちゃんに戸惑い、赤ちゃん返りもあったお兄ちゃんですが…。少しずつ優しく接してくれるようになり、今ではすっかり「弟大好きなお兄ちゃん」になりました。

1年を改めて振り返って

1年前は自分を責めたり後悔したりする日々を過ごしていたという@natsumi.k_fleelanceさん。しかし、この1年でめまぐるしく成長していく息子さんに「いつの間にか私のほうが励まされていたように思います」と話します。

「小さな体で一生懸命生きようとする姿から、生命の力強さと現代医療の素晴らしさを実感した1年でした。あたたかく支えてくださった皆さまに、心から感謝しています」

1年が経ちました(@natsumi.k_fleelanceさんより提供)

息子さんには「これからも自分のペースで成長していってほしい」と願ってます。
新しいことができるたびに「あんなに小さく生まれたのに、またひとつ成長したんだ」と感動し、その姿を見るたびに「私も頑張らなきゃ」と思うと@natsumi.k_fleelanceさんは話します。

「これからも笑顔にあふれた日々を過ごしてほしいですし、その時間をできるだけ一緒に見守っていけたら」と語ってくれました。

小さく生まれた息子さんですが、この1年の成長には目を見張るものがあります。
これからも家族とともに、楽しく穏やかな日々を重ねていってほしいですね。

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