子育て中の「イヤイヤ期」は、時に私たち大人に大きな試練を与えます。
そんな中、今回「機転を利かせた」と語るのは、お母さんのミサキさん(偽名)。
保育園で、マスクを断固拒否する3歳の息子さん。遅刻寸前のピンチを、驚きのアイデアで乗り越えたエピソードについて、お話を伺いました。
「マスクいやー!」イヤイヤ期の息子に母もタジタジ
保育園でのマスク着用が必須だった頃。イヤイヤ期真っ只中の息子、ハヤトくん(偽名)は「マスクいやー!」と毎朝大暴れ。
「もう保育園の駐車場なのに、今すぐ預けて仕事に行かないと遅刻してしまう。かと言ってマスクなしでは登園させられない…」
ミサキさんは焦っていました。息子さんの好きなキャラクターや車のマスクも、その日に限ってはすべて拒否。
「んーー…あ!それなら……」と、ミサキさんはある作戦を思いつきます。
消防士の夢を逆手に取った「呼吸器マスク」
ミサキさんは、車に常備していた油性ペンを取り出し、真っ白な子ども用マスクにある絵を描き始めました。
「実は息子は、将来消防士になりたいと常々言っていました。それなら、と描いたのは消防士さんが火災現場でつける『呼吸器』です」
ミサキさんはハヤトくんにそのマスクを見せ、「見てこれ、呼吸器!これつけたら消防士さんだね!あれ、保育園が火事じゃない?隊長、屋内侵入しましょう!」と、ごっこ遊びに誘いました。
「息子は『隊員』として指示されるより、『隊長』として頼られる方が動いてくれるのを知っていたんです」
ミサキさんの狙いは見事に的中。ハヤトくんは「これ!つけてく!!ママ行くぞ!」と、勇ましい隊長になりきってくれたのです。
母の知恵が生んだ、世界に一つのマスク
ハヤトくんは「呼吸器マスク」をしっかりとつけ、リュックを酸素ボンベに見立てて背負うと、「先生!助けに来た!」と叫びながら保育園の玄関へ走っていったそうです。
ミサキさんからこっそり事情を聞いた先生も「隊長、お待ちしておりました!」と見事な連携プレーを見せてくれ、ハヤトくんは楽しそうに教室へ入っていきました。
この日の朝の一部始終を夫に伝えると、「さすが母親だな。絵がうまいのもあるのかもな、発想も才能もすげえわ」と、とても感心していたと言います。
「息子の話は普段からしっかり聴くこと、そして何かに備えて車にはいろんな物を積んでおくこと。このエピソードで改めて学びました」と語るミサキさん。お母さんの機転と愛情が、大変な朝を笑顔に変えた素敵なエピソードでした。
あなたにも、子どもの「イヤイヤ期」を乗り越えたユニークな思い出はありますか?
