”ガキ大将だった”少年時代→しかし、40歳になった現在の姿に…「イケメンすぎます」「劇的変化」 変わらぬ芯と今の思いを聞いた

”ガキ大将だった”少年時代→しかし、40歳になった現在の姿に…「イケメンすぎます」「劇的変化」 変わらぬ芯と今の思いを聞いた

SNSに投稿された一枚の写真が、多くのユーザーに衝撃を与えました。投稿主は、オリジナルブランド「MADFOOLMIND(マッドフールマインド)」を手掛けるデザイナー、madfoolmindmadさん(@madfoolmindmad)。そこには、やんちゃな「ガキ大将」だったという10歳の頃の姿と、鋭い眼差しでカメラを見つめる現在の40歳の姿が並べられていたのです。

このビフォーアフターに、コメント欄は「イケメンすぎます」「俳優に転身したかのような劇的変化ですね!」といった驚きと称賛の声で溢れました。今回、madfoolmindmadさんご本人にお話を伺いました。

やんちゃな少年時代と、変わらぬ芯



投稿について尋ねると、「40歳になった記念に、過去の自分を投稿してみました。当時はガキ大将で、写真を見ると母親も若いなあと感じますね」と、当時の心境を気さくに語ってくださったmadfoolmindmadさん。写真の少年は、近所の子どもたちを引き連れて遊ぶ、まさに「ガキ大将」そのものだったそうです。

「目立ちたがりなところはありましたね」と当時を振り返ります。しかし、その内面は「今も昔も、本質的な部分は何も変わっていません」ときっぱり。人の目を気にせず、自分らしさを大切にする生き方は、この頃から一貫しているのかもしれません。

意外にもファッションへの興味は20歳を過ぎてから芽生えたと言います。それまでは男子校に通い、服装には無頓着だったそうです。転機は、ふとしたきっかけで芽生えた異性への意識と、大好きな「うさぎ」でした。

「当時、うさぎをモチーフにしたブランドがあまり見当たらなくて。それなら自分でデザインして着てみようと思ったのが始まりです」。アパレルスタッフとして働いていた頃、自作のうさぎデザインの服を着ていたところ、お客様から「その服が欲しい」と声をかけられたことがあったそうです。「売り物ではないと伝えたのですが、どうしてもと。そこから趣味として本格的に作り始めたのが、ブランドの第一歩ですね」と、設立の経緯を教えてくれました。

ブランドに宿る「狂愚の精神」幕末の人物に影響を受けて


24歳頃に趣味で始めた服作りは、30代前半で本格的なブランドへと発展します。ブランド名は「マッドフールマインド(MADFOOLMIND)」。マスコットキャラクターはうさぎの「マーフィーくん」。そして、その根底に流れるのは「狂愚の精神(きょうぐのせいしん)」というテーマです。この言葉は、madfoolmindmadさんの出身地である山口県ゆかりの幕末の志士、高杉晋作や吉田松陰の生き様や思想に関連付けられることがあります。

「彼らの、常識にとらわれず自分の信念を貫き通す姿に強く感銘を受けたんです」と熱く語ります。「マッドフールマインド」を漢字で表現すると「狂愚の精神」。「他人がどう見ているかではなく、自分自身が大切に思うこと、今この瞬間にしか感じられないことに誇りを持って生きていこう、という精神をブランドに込めています」。

うさぎのデザインにも深い意味が込められています。「うさぎの長い耳は、周囲の目を気にしてしまう現代人の姿を象徴しています。SNSやライブ配信など、常に誰かに見られているような感覚の中で、本当はこうしたいと思っていても、なかなか一歩を踏み出せない。まるで肉食動物に追われるうさぎのように臆病な心を持つ人が多いのではないでしょうか。でも、誰もが持っているその臆病な心を乗り越え、自分にしかできない小さなことでも誇りを持ち、自分らしく表現することに本気で挑戦してみよう、というのがブランドのテーマなんです」。実際にブランドのSNSなどでも、この熱い想いが発信されています。

ライブ配信での成功と葛藤、そして見つけた「本当に伝えたいこと」

実はmadfoolmindmadさん、かつて40万人ものフォロワーを抱える人気ライブ配信者でもありました。ライブ配信を始めたのも、自身の洋服ブランドやデザインを広めたいという想いからだったそうです。

しかし、コロナ禍でライブ配信業界は変化しました。才能あるクリエイターよりも、世渡り上手な人や短期的な収益が優先される風潮に疑問を感じるようになったと言います。「私自身、ライブ配信では独自のキャラクターで人気を博し、洋服も売れ、収入も得ることができましたが、本当に求めていた洋服やデザインのファンはなかなかいなかったんです」と当時を振り返ります。

この経験から、「しっかりとデザインや自分の発信内容で評価されたい」とライブ配信業界を離れ、一時期は顔出しもやめていました。

「自分のデザインや洋服だけで評価されたいと思っていたからです」

ですが、ブランドのデザインが評価されファンが増えてきた今、再び顔を出し、自身の過去もさらけ出す道を選びました。

「昔太っていたことや、今の自分を率直に見てもらう方が早く伝わると感じました。幸い、今はデザインをきちんと評価してくれるファンも増えてきましたので、顔を出すことでさらに多くの人に知ってもらえるなら、自分自身を最大限に活用しようと考えたんです」

「ダサいことをかっこよく」― 次世代へのバトン

現在、madfoolmindmadさんの活動では、自身のブランドをバックボーンにしたファッションショーの企画や、モデルを目指す人々のプロデュースをしています。

「今の時代、インフルエンサーになりたい、ランウェイを歩きたい、ファッションモデルになりたいという人は多いですが、具体的に何をすればいいのか分からない人も少なくありません。だから、私のブランドを一つの武器として、彼らが発信していく手助けをしたいと思っています」

「ダサいことをかっこよくするために俺たちは生きている」をテーマに、参加者と共に作り上げるステージを目指しています。

「最初から華やかで格好いい舞台だけを目指すのではなく、一見地味に思えるようなことでも積み重ねていく。今の時代はきらびやかなものばかりが注目されがちですが、多くの人は他人の自己満足的な発信にはあまり興味がないのではないでしょうか。だからこそ、不器用でも一生懸命努力している姿や、泥臭く何かに取り組んでいる過程を発信することが、人々の心を打つのではないかと思っています」

今後の夢を尋ねると、「特に壮大な夢というものはありませんが、ブランドを通じて普通に生活していければ十分です」と謙遜しつつも、「それ以上に、自分のブランドをきっかけに何かに挑戦したい人や、表舞台に立ちたいけれど方法が分からないという人たちが、チャンスを掴めるような場を提供できたら嬉しいですね」と、次世代への熱い想いを語ってくれました。

「自分だけのちっぽけなことを大切に」

最後に、この記事を読む読者の皆さんへメッセージをお願いしました。
「他人の評価を気にしすぎることなく、自分にしかない、たとえ小さくても大切なものを見つけて、それを誇りに生きていってほしい。私のブランドや活動が、そういった方々の背中を少しでも押せるようなものであればと願っています」

現在、モデルやアンバサダーとしてブランドを一緒に盛り上げていく仲間も募集しているというmadfoolmindmadさん。
彼の挑戦と、彼が手掛ける「マッドフールマインド」の世界観は、これからも多くの人々に勇気とインスピレーションを与え続けることでしょう。

 

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