子どもを連れてのお出かけは、何かと心配事も多くなりますよね。もし電車内で子どもが騒いでしまったら…。今回はそんな「ピンチの状況になっていたママに向けてかけられた優しい一言」のエピソードです。

イラスト:チッチ

電車内で泣き止まない息子…

トモミさん(仮名)が電車に乗って1歳になったばかりの息子さんを連れ実家に向かっていたときの出来事です。2時間近くかかる道中の半分あたりまできたとき、眠っていた息子さんが目を覚まし、ぐずり出してしまいました。

しばらくしても息子さんは泣き止まず、周りには他の乗客もいたためトモミさんは焦るばかり。
ちょうど下の子を妊娠中だったので、息子さんを抱っこするわけにもいきません。かといってまだよちよち歩きの息子さんをデッキで立たせるわけにもいかず…。どうしたらいいのかわからず、トモミさんは汗だくになりながら、必死に息子さんをあやしていました。

息子さんの泣き声はどんどん大きくなり「もう限界だ」と息子さんを抱いてデッキに向かおうとしたそのとき、後ろの席にいた初老の男性が立ち上がりました。「堂々としていていいんですよ、子どもは地域の宝なのだから」と言い、席にとどまるようすすめてくれたのです。思いがけず温かい言葉をもらったことで「自分にも味方になってくれる人がいる」と安心して息子さんをあやすことができたのでした。

「ピンチの状況になっていたママに向けてかけられた優しい一言②」イラスト:チッチ

あたたかい言葉に助けられた

そのときの話をトモミさんに聞いてみました。

ー助けてもらったとき、相手に対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
わざわざ立ち上がって温かい言葉をかけてくださったので、なんて紳士な方なのかと思いました。そして「子どもが泣き止まず、周りの方々に迷惑をかけてしまっていると思うと、もうどうしたらよいかわからす困り果てていました。あたたかいお言葉をかけてくださりありがとうございます」とお伝えしました。お隣りには奥様らしきご婦人が乗っていて、にっこりとやわらかな表情でうなずいてくださっていたので、ご婦人にも「ありがとうございます」とお礼を言いました。

ー相手の方とはその後何か会話をしましたか?
先に私たちが電車を降りたので降りる際に「お世話になりました」と伝えると男性は笑顔で息子に「バイバイ」と言ってくれました。

ー今回のような状況において、子育てならではの大変さを感じることを教えてください。
長距離の電車に乗る際は、乗る時間から逆算して子どもに食事を取らせるようにしてから、ベビーカーに乗せ子どもを寝かしつけるようにしていました。1時間ほどはいい子に寝ていますが、その後は起きてしまいます。寝起きが悪い子でしたので電車での移動はいつもハラハラしていました。特急の指定席を予約する際は、近くに多目的ルーム(授乳などをできる部屋)があるか確認したり、できるだけ電車が空いている曜日や時間帯で乗車したりするようにしていました。

まずは準備をしたうえで…味方はいると信じて

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
自分の子どもは成長し、電車での移動は心配なくなりましたが、今でも電車に乗ると同じような境遇の親子が困っている姿をたびたび見られます。自分のときにしていただいたように、あたたかく見守ったり「気にしなくて大丈夫ですよ」と声をかけたりするようにしています。

ーこの経験を誰かに話したことはありますか?ある場合、どんな反応や返答がありましたか?
電車を降りてすぐ、迎えにきてくれた母に伝えました。助けてくれたのは母と同じ世代の方ということもあり「よく声をかけてくれたわね」と感心していました。

ー子どもと一緒にいて困ったとき、周りにどういった対応をしてもらえると嬉しいと思いますか?
声をかけることは勇気のいることで、私でもできないことの方が多いので、あたたかく見守ってくださるだけでもありがたいです。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
世の中には、子どもを大事に思ってくれる方が多いですが、迷惑に思う人も少なくありません。
子どもを迷惑と思っていなくても、電車の乗車時間を仕事の休息などにあてている人もいます。なるべく子どもがぐずらないように、方法を考え備えたうえで、もしぐずってしまってもどこかに味方はいるので慌てず焦らず、子どもをあやしてあげることが大事だと思います。

思いやりにあふれたひと言のおかげで、落ち着いて子どもに接することができたというトモミさん。トモミさんの一生懸命な姿が、周囲の方々にも通じたのではないでしょうか。子どもや乗車マナーに対する感覚は人それぞれです。子育て中の人も、そうでない人も、お互いの状況を尊重し合えるといいですね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

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