小さな子どもを1人で連れて出かけるのは大変なことも多いです。子どもがぐずって困ってしまったという経験のある人もいるでしょう。
今回紹介するのは「子連れで出かけたスーパーで助けたもらったこと」についてのエピソードです。

イラスト:23ca

スーパーで泣き出した1歳と0歳の子ども

エナ(仮名)さんが、1歳と0歳の子どもを連れてスーパーへ行ったときのことです。エナさんの旦那さんは土日祝日休みではない仕事だったため、エナさんが子ども2人を1人で連れて出かけることが多くありました。

その日も買い物に行くため、上の子はベビーカー、下の子は抱っこ紐でスーパーに出かることに。エナさんは、妊娠・結婚してから旦那さんの住む町に越してきました。その頃は慣れない場所での子育てで、とても疲れていたエナさん。

いつものように買い物をしていると、上の子がベビーカーから降りたがって泣き出してしまいました。上の子が泣いたことで、下の子まで泣き出してしまう始末。

毎日の子育てに疲れ果てていたエナさんは、無言で立ち尽くしてしまいました。2人が泣いている状況に、エナさんまで涙が出そうになってきたとき「大丈夫ですか?」と声をかけられました。

ハッとして声がする方を見ると、中学生くらいの男の子3人組。我に返ったエナさんは「大丈夫ですよ。ありがとうございます」と返しました。すると男の子たちは「子どもさん、可愛いですね。お買い物が終わるまで抱っこさせてもらっても大丈夫ですか?」とニッコリ笑いながら言ったのです。

『子連れで出かけたスーパーで助けたもらったこと②』イラスト:23ca

子どもたちは泣いて暴れてうるさかったはずなのに、男の子たちは優しく子どもたちを抱きかかえてあやし、一緒に笑ってくれました。そんな様子を見て、エナさんは心が少し軽くなった気がしました。

買い物が終わり、男の子たちにお礼を伝えると、男の子は「俺にも、このくらいの弟がいるんですよ。大変だと思うけど、無理せずに頑張ってください」と言ってお店を出ていきました。

この男の子たちの行動に、とても嬉しく優しい気持ちになったエナさん。子どもたちが大きくなったら、あの男の子たちみたいな優しい子になってほしいと思いました。

周りに頼りながら子育てを

このときの出来事について、エナさんに話を聞きました。

ー助けてもらったとき、男の子たちに対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
「ありがとうございます」と伝えました。大人に声をかけるのは勇気がいることですが、泣きそうになっていた私を見て声をかけてくれたのかな?と思います。私も、息子たちが大きくなったときに、あの男の子たちみたいな声がけができる優しい子に育てたいと思いました。今はもう上の子も8歳。あのときの話を子どもたちにもしています。子どもたちは、とても優しい子に育っています。

ー相手の方とはその後何か会話をしましたか?
中学生ぐらいの男の子としかわからず、あのあとは会うことはありませんでした。名前も聞けずじまいで少し後悔しています。

ー小さな子どもを連れて出かけるときなど、子育てならではの大変さを感じることを教えてください。
スーパーや人が多いところなどへ行くときは、ミルクはもちろん、オムツにおもちゃ、お菓子などを持って行っていました。その日も持って行ってはいたのですが、泣いたときは頭が回りませんでした。帰るときに、お菓子やおもちゃなどを持ってきていたことを思い出しました。また、その当時はまだ小さかったのでスタイをしていたのですが、ヨダレですぐ汚れてしまうので、スタイの替えは2〜3枚程、常にリュックに入れていました。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
子どもを連れていく際は、色々な想定をしています。しかしあのときは、気持ちが落ちていたこともあって、うまく考えられませんでした。あのあとからは、子どもたちの好きなものを常に持っていくようにして、周りに迷惑がかからないよう、気をつけるようになりました。

ーこの経験を誰かに話したことはありますか?
親や友人に話しました。友人も同じように悩んでいたため、優しい声がけをしてくれる中学生に驚いていました。そんな優しい子がいるのだと嬉しそうでもありました。親も子育て中の私を心配していたこともあり、そのお話をした際は嬉しそうにしていました。

ー子どもと一緒にいて困ったとき、周りにどういった対応をしてもらえると嬉しいと思いますか?
子どもが泣くのは当たり前だと思ってもらうことは違うとは思いますが、母親も初めてなことばかりで戸惑う人はたくさんいると思います。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、優しく見守っていただけると嬉しいです。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
私はワンオペ育児で大変な思いをしましたが、周りで見てくれている人は絶対にいます。私みたいに見ず知らずの人にも、優しく声をかけてくれた方がいました。中学生の子に限らず、お店のスタッフの方やご高齢者の方、友人やご近所の方などが必ず見てくれています。1人で子育てはできません。もっと頼ってもいいと思います。実際に私も「もっと頼れ!」と両親に怒られました。まだまだヤンチャな子ども2人ですが、これからも子育てを頑張りたいと思います。大丈夫です、子どもは親を見て育ちます。一生懸命頑張っている親にこたえようと子どもも頑張っています。私の子どもも一緒に悩んで笑ってくれる、とても優しい子に育ってくれています。一緒に頑張りましょう。

子育てをしていると、さまざまな壁にぶつかり心身ともに疲れてしまうことがあります。そんなときは周りに頼って一緒に子育てをしていくことも大事ですね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

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