小さな子どもを連れての外出は大変なことも多いです。特に、公共交通機関を利用しなくてはいけないというときには「泣いてしまわないか」「周りの人に迷惑をかけないか」など心配してしまうという方も多いのではないでしょうか。

今回紹介するのは「子どもをあやしてくれた高校生」についてのエピソードです。

イラスト:23ca

バスの車内で泣きだしてしまった子ども

1歳になる前の子どもを育てるマユ(仮名)さん。買い物に行くためにバスに乗って出かけることになりました。近くのスーパーまで行く予定で、最初は抱っこ紐の中で寝ていてくれた子ども。しかし、その日は道が混んでいたり信号に引っかかったりでなかなか進みません。いつもなら10分程度で着くところが、倍以上の時間がかかっていました。

そして、ついに子どもが目覚めて泣き出してしまったのです。走行中だったため、立ってあやすこともできず、バスに乗ったことを後悔しながら必死になだめていたマユさん。

すると、後ろの席に座っていた女子高生が、自分のスマホのキーホルダーを見せてあやしてくれたのです。最初は不思議そうな顔をしていた子どもですが、女の子がニコニコしながら話しかけてくれたおかげで、安心したのかキャッキャと笑い出しました。

バスの遅れでピリついていた車内もどこか和やかになり、周りの方も「お~元気だね~」などと声をかけてくれ、そのまま無事に目的地で降りられたそうです。

『子連れで乗ったバス車内での優しさ①』イラスト:23ca

周りの方に感謝の思い

このときの出来事についてマユさんに話を聞きました。

ー周りから助けてもらったとき、相手に対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
一人でとにかく早く泣き止ませないと、と焦っていたので嬉しかったのと、私も安心して落ち着くことができました。若いのに勇気を出して行動してくれたこともありがたかったし、バスを降りるときなど何度も「ありがとうございました。とても助かりました」と伝えると「可愛い赤ちゃんが笑ってくれて、私も嬉しかったです」とはにかんだ笑顔で言ってくれて、温かい気持ちになりました。
周りの方にもお礼を言ってバスを降りましたが「大丈夫よ〜気をつけてね〜」と声をかけてもらえて本当に嬉しかったです。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
困っていそうな方がいたら、とりあえず声をかけるようにしています。また、お子さん連れの方には微笑んで、嫌な気持ちにはなっていないことをアピールをするようにしています。

自分が思っている以上に優しい方は多い

ー育児をする上で、大変なことはどのようなことでしょうか?
子どもは親の思い通りには絶対に動かないことだと思います。もちろん子どもの自我が芽生えたり、好奇心が育つことは良いことなのですが、大人は周りの目も気になるので、どこまで好きにさせるかのバランスなどが難しいです。ただ怒るだけと叱るの区別をするのも難しいし、つい感情的になることが多いので反省です。また、大人のやることをよく見ているので、子どものお手本になれるような行動を意識しなければならないのも、少し大変だなと感じます。

ー同じように育児に悩む方に伝えたいことなどを教えてください。
育児で悩まない親は絶対にいないと思うので、切羽詰まったときは一呼吸おいて周りをよく見てみてください。また、自分が思っている以上に優しい方は多いので、ご厚意は素直に受け取ってみるのも良いことだと思います。

育児に悩んでいても、つい一人でどうにかしなくては…と思い詰めてしまうこともあるでしょう。しかし、周りに頼ってみるというのは、自分のためにも子どものためにも大切なことなのかもしれませんね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

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