「新札幌の名物にして、地元を盛り上げていきたいです」。そう話すのは「ピロザンギ」のレシピを開発した、札幌市厚別区にあるカラオケピロスの店員"オールバック”こと佐藤啓太さんです。カラオケ店で生まれたこのザンギ(鶏の唐揚げ)は、シニア層を中心に人気となり、今はキッチンカーでの移動販売も行うように。その変遷と今後の展望を伺いました。

ピロザンギを町の名物に。地元の高齢者に元気を

地元で愛される店・地元で愛されるメニュー。そんな商品を目指し、佐藤さんが開発したのが塩味ベースの「ピロザンギ」です。薄めの衣とちょうどいい塩味で、油が重くなく、ごはんが進むおいしいザンギです。

ピロザンギ(3個 480円)。大ぶりで、衣は薄めのサクサクなザンギ。シンプルな塩だが、食べ飽きず冷めてもおいしい。

コロナ禍前には、カラオケピロスのザンギランチを目当てに、毎日食べに来る人もいたとか。常連客の生活の一部になってきたことから、ブランドとして「ピロザンギ」と名付けられました。

「厚別区新札幌っていうのが、シニアの方が非常に多い町なんです。自分たちの親世代が作ってきた街なので、カラオケピロスも日中の時間帯は、わざわざ自分のためだけに家で揚げ物をしない1人で来るシニアの方が来る。だからピロスでザンギを食べてもらえたんです」

コロナ禍でピロザンギカー誕生。当初は出店場所に苦難

しかし新型コロナウイルスが日本で猛威を振るうと、カラオケピロスも営業が思い通りにできなくなってしまいました。

そこで、ピロザンギをもっと知って欲しいという思いから、2021年5月にキッチンカーでピロザンギの移動販売をスタートさせます。

ピロザンギカー。新札幌の名物を目指し様々な場所に出店中。

当初は出店場所が見つからず、初めて出した場所は老人ホームだったといいます。

しかし、元々シニアに受けていたピロザンギと老人ホームは相性がよく、話題になったのをきっかけに少しずつ出店する範囲を拡大していきました。

また「店員をローカルタレントにしたい」という店長の思いから、それぞれニックネームを付けて活動したため、店員ごとのファンが付き、そのユニークさから複数メディアで取り上げられ、知名度がどんどん伸びていったといいます。

「現在では札幌ドームや、札幌市外にも出店するなど、各地で好評いただいています。ピロザンギをおいしいと思って買ってくれるお客様のおかげですね。本当にありがたいです」と佐藤さんは笑顔で話します。

カラオケピロスの入り口

最後に佐藤さんへ今後の展望を伺いました。

「皆さんにピロザンギ食べてほしいなっていうのが1番の思いですね。地元厚別区新札幌にこういったものがあるんだよっていうのを、地元の方に知ってほしいっていうのが1番ですね。とにかく地元に根ざした文化になりたいです」

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