小中学生はラーメン無料、条件は「夢を語ること」 異色サービスのわけ

小中学生はラーメン無料、条件は「夢を語ること」 異色サービスのわけ
夢を語れの店舗と中村吏希さん

「夢を恥ずかしげなく語ることができる、そんな世界に変えていきたいです」と語るのは中村吏希(なかむらりき)さん。23歳という若さで全国展開している二郎系ラーメン店「夢を語れ」のグループ代表に就任しました。

エネルギー溢れる1人の青年がどんな人生を送ってきたのか。その激動の人生と今後の夢について語ってもらいました。

進学と就職という選択肢に悩んで

中村吏希さん
中村吏希さん

高校時代は京都の野球名門校に推薦で進学。甲子園を目指し練習に励みました。ところが卒業が間近に迫ったころ「進学」と「就職」という選択肢に「どっちもやりたくない」「人と違うことがしたい」と思ったといいます。

その時なんとなく「海外へ行きたい」と思っていたことから、大学進学の推薦を断り、海外に行くための資金を貯めるために父親の会社に就職しました。そこで「海外へ行きたいんです」と周囲に夢を語っていると、タイミングよく海外事業を起こそうとしていた企業の社長に気に入られ、実際に海外で勤務することに。オランダなどの国を転々とし農業系建築を学び経験を積んでいきました。

その後、日本に戻り起業なども視野にいれていた矢先、「面白い人が来る」と参加したセミナーの講演を聞き、中村さんの人生は大きく変わっていきます。

創業者の講演に心を打たれラーメンの世界へ

自ら夢を語れ
自ら夢を語れ

その講演では、夢を語れグループの創業者である西岡さんが「お金のためにやるわけではない」「自殺者を減らしたい」と語っており、当時お金が全てだと考えていた中村さんは「こんな考えがあるんだ!」「こんな面白い人がいるんだ!」と衝撃を受けたそうです。

その後、東京出張中に西岡さんが「修行する人を募集する」という情報を聞き、会社を退職。当時は二郎系ラーメンも知らなければ、特段ラーメンが好きだったというわけではありませんでしたが、勢いそのままに単身で別府のラーメン店へ修行に行くことになりました。

修行する人数も少なく、休みにはアルバイトをして生計を立てるなど忙しい日々を送った中村さん。つらかったのではないかという筆者の問いに「これだけやったし、この後ラーメン店として独立してもやっていけるという確信が持てたので何ともありませんでした」と笑顔で語ります。

「夢を語れ…のラーメン
「夢を語れ…のラーメン

そして「海鮮が好きだから」という理由で北海道札幌市へ移住し「夢を語れ」を札幌でオープン。当初は銀行からの融資が降りず、店舗工事費の支払い面でも苦難がありましたが、クラウドファンディングで資金を集めたりと何とか乗り越え経営を軌道に乗せました。

小中学生はラーメン代無料!その代わり夢を語れ!

「夢を語れ」では、夢を語る習慣を定着させつつ、次世代の若者につなげていく取り組みとして、「ラーメンを食べた後に小中学生が夢を語ればラーメンを無料にする」キャンペーンを実施しています。

「若者の自殺率が世界の中でも高い日本で、若者が夢を語れる世の中を作りたい」と、子どもたちへ売り上げの一部を還元しています。

「小中学生の1,000円と社会人の1,000円ではお金の価値は違います。なので別のところでお金を使ってもらったり、成長した後にまた来てもらればと思います。受けた恩を次世代に繋いでいきたいので開店当初から続けています」

また、店で語るのはハードルが高いと考えた中村さんは付箋に夢を書く方法を考案しました。

夢の付箋
夢の付箋

「夢という単語をもっと身近にしていきたいです。それが希望が持てずに自殺していく若者を減らせると信じています」と熱く語ります。

「夢は変わっていい。今の夢をどんどん叫べるようにしたい」

そんな中村さんにも夢があります。
それは、2023年11月27日にワーキングホリデーで行きたかったニュージーランドで「夢を語れ」をオープンすること。 ここまで規模を大きくしてきた店を手放すというのです。

店も畳んでしまうんですか?と筆者が聞くと「五分五分です。今は畳もうと思ってます。ですけど、夢は変わっていいので。あくまで今の考えではそうなので」と笑顔で語ります。

仕事は大人の遊びと断言し、ひたすらワクワクするもの、楽しそうな事をする。そして挑戦する心を忘れない中村さんは、今日も夢を語り続けます。

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