コバンザメを知っていますか? よくマンタやジンベエザメなどの大きい魚の下にくっついている魚として有名です。他の魚にくっつくために、頭部には小判型の吸盤があります。このコバンザメが、家のドアなどにピッタリと貼りついている写真がTwitterに投稿され、話題になっています。

コメント欄は、「え?貼れるの?」「こんなに吸着するんだ。コバンザメって」などの驚いたコメントや、「売ってるの見たことないですが」「すごーい。おいしいのかな。お味はどんな感じでしたか?」と、コバンザメの購入経路やその味について気になるというコメントなどで盛り上がっていました。

このツイートをした夢海さん(@YUMEUMI27)に、詳しい話を聞きました。

遊んでいたわけではなく、データ収集

夢海さんは、さまざまな種類の魚を捌いて食べて、調理法や味、解説付きイラストなどを発信する活動をしています。今回、コバンザメを貼っていたのも、その吸着力の情報・データ収集を目的にしたものだそうです。

「コバンザメが生きていなくても貼りつくような構造をしていて、よくある半透明の吸盤と似たような構造でした。基本的には平らであればくっつきました」

いろいろと貼って検証していると、母親から「(家が)魚くさくなる」と怒られたとのことでした。

部屋のドアにも貼りつくコバンザメ(夢海さん提供)

魚好きが高じて

夢海さんは、幼稚園時代にリュウグウノツカイという魚の標本を見たことをきっかけに、魚への興味を持ち、それから魚の図鑑を擦り切れるくらいまで読んでいました。当時から水族館は夢のような場所で、今も水族館は7館の水族館の年間パスポートを持つほど好きだそうです。

「夜は、毎日魚を食べています。全然飽きませんね」

今まで食べた魚は520種類以上。現在も日々更新を続けています。魚を捌きながら、身の質などを見て、調理法を考えているそうです。

基本的には一緒に住んでいる両親とは別の食事ですが、料理が出来たところで、両親がいると「ちょっと食べてみてよ」ということもあるそうです。両親は、夢海さんの趣味には何も言わないそうですが、最初にサメを持ち帰った時には若干ひいていたといいます。

「今はサメがいても、『またサメきたんだー』と慣れた感じです」

骨まで無駄にしない

データ収集のあとは、コバンザメをお刺身、にぎり寿司、塩焼き、しゃぶしゃぶにして、余すところなく食べたとのことです。魚は干物にしたり、冷凍したりしながら保存して全部食べきることを大切にしています。特徴的な魚の骨は標本にして飾っているそうです。

『カジキやらマンボウやらサメやらの骨に囲まれて生活しています』(夢海さん提供)

実は、コバンザメを食べたのは2回目。
「過去に食べた時はまだまだ自分の腕が未熟だったので、ちゃんとおいしさを最大限引き出して食べられていない気がしてリベンジしました」

どこまでも、魚に対しての真摯な気持ちと愛情を持っている夢海さん。目標は、『魚の味や水族館の魚の解説をするイラスト付きの書籍を出版する』ことだそうです。魚愛を体現している夢海さんの今後の活躍に期待しています。

ドアにひっついているコバンザメ(夢海さん提供)

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