あなたの愛犬や愛猫の健康管理は大丈夫ですか?
病気になってから病院に駆け込むのではなく、飼い主がホームドクターとなって日常的にチェックして、健康なワンニャンライフが送れるようにサポートしましょう。
今回は、東洋医学的に見た食の見立てと、住環境を含む環境ケアのアドバイスを行うOhana四国の代表に、具体的な活動内容や犬や猫への思いなどを聞きました。

Ohana四国には愛犬や愛猫の健康相談が寄せられています。

東洋医学の観点で症状の根本改善目指す

Ohana四国は、完全予約制で犬や猫の健康相談を受け付けています。東洋医学の観点から、症状の奥に潜む原因を探り当て、根本的な改善を目指すというもの。経絡の検査や冷え・むくみの検査、脈診のほか、飼い主から日々の行動など約60項目以上の確認を経て、今の症状にあった食材、調理法、与え方、環境ケアの指導を行っています。

経絡検査をしているところ。各臓器の状態や冷えむくみなどを調べ、状態に応じた食材の種類や割合を伝えるほか、マッサージや温灸ケアも指導します。

代表のohana_shikoku(Instagramアカウント)さんは、犬と猫の食事療法インストラクター師範の資格を持ち、さまざまな症状で悩む飼い主に食事のアドバイスやケアの方法を指導しています。

【猫ビフォー】水の流れが悪く、目のまわりがむくんでいます。舌もむくんで色が薄くなっています。

【猫アフター】食事によって翌日に改善しました。

愛猫の病気がきっかけ

犬や猫の食事療法インストラクターという職業は珍しく、四国中を見渡しても同じような活動をしている人は見受けられません。ohana_shikokuさんがこの道に進むことになったきっかけは、愛猫われくんの病気でした。

講座には愛猫われくんの写真を持参しているそう。いつも見守ってくれています。

われくんは保護猫で、生まれつき脳に障害をもっており、噛みつきなどの行為が目立ちました。動物病院に連れて行っても「これは治りません。ずっと病気と付き合っていかなければ」と言われるばかり。それでも諦めきれないohana_shikokuさん、のちに師匠となる森研一さんとの出会いが転機となりました。

「自然治癒力を覚醒させる体にやさしい治療法を掲げた動物クリニックを開業している森先生の話はすべてが目からウロコの連続でした。“これは面白い!”と心が震えましたね」と振り返ります。薬でなく食事療法で健康を取り戻すという原点に立ち返り、われくんの食事を見直すと大きな改善が見られたのです。

犬猫たちと過ごした原風景

ohana_shikokuさんは現在、飼い主がホームドクターとなるための各種講座を開催しています。その原動力を聞くと、こんな答えが返ってきました。

少人数制で行なっている講座。相談に来られる人は動物病院に行っても症状が改善しなかった飼い主たち。

「私の原風景にあるように思います。幼い頃から犬や猫がまわりにいたんですが、あるとき迷子になって途方に暮れていると、どこからとなく野良犬がやってきて、家まで送ってくれたなんて不思議な経験もしました。私は犬や猫に守られてきました。私にとって仲間だったんです。その頃でしょうか、殺処分の現状を知りました。大きなショックを受けると同時に、いつか自分の稼ぎで犬猫を守る活動をするんだと心に決めたんです」

その心は変わることなく、保護団体への寄付などを続けてきましたが、難しい症状をもつ保護犬や保護猫との出会いもあり、自分が学ばなければという思いが強くなっていきました。

世界中の犬や猫が健やかに生きられるように

ohana_shikokuさんの行う食事療法は決して難しいことではありません。食材もスーパーに並んでいるものでいいし、高価なものを買い与える必要もありません。“体は食べたものでできる”という観点から、食事と代謝を考えてその子に合った食事を提供することを心がけているのだそう。

特別なものは買わなくていい。四季のある日本には“その時”に必要な食材がスーパーにあります。

「これからは、普通にペットを飼っている人たちにも、ペットの未病や食事の大切さをわかる人が増えてくれたらうれしいですね」

病気になってから病院へ行くのではなく、日頃から飼い主がホームドクターとなって愛犬や愛猫を見ておくことが大切です。

「西洋医学では薬をたくさん処方しますが、薬には、長期にわたる服薬などによって副作用もあります。私が指導する食事療法は、犬猫たちに負担が少ないように、短期間での症状改善を目指していきます。そのために、私が学び続けることでアプローチの方法が増えることは大切だと思っています。西洋医学も東洋医学もどちらも良いところがありますので、その特徴を知って飼い主さんにホームドクターになって頂きたいと思っています。だから、これからも勉強を続けていきます。それに学びの時間も楽しいんですよ」

ohana_shikokuさんプロデュースの鹿肉ジャーキー。手で細かくちぎって与えられるので、食べ過ぎ防止ができ、消化にもいいのでお腹にもやさしいおやつです。

師範の資格をとっても「さらに勉強を続けていかなくては」というohana_shikokuさん。その言葉からは使命感と犬猫たちへの愛が溢れていました。

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