グアテマラの学生を日本から“遠隔支援” 協力隊でできた縁、自分にできることを考え続ける

グアテマラの学生を日本から“遠隔支援” 協力隊でできた縁、自分にできることを考え続ける
ホワイトマクファーレン(旧姓:岩月)・美樹さんがグアテマラで取り組んだ壁画制作

新型コロナウイルスの拡大は、世界中で、特に経済的が安定していない国々において、多くの社会的な影響をもたらしている。中米にあるグアテマラもそうした国の1つだ。グアテマラでは、学校に通えない生徒や、経済的な影響から十分な学習の機会が得られないといった、さまざまな課題が発生している。

こうした問題の解決につながればと、意欲あるグアテマラの学生を経済的に支援する取り組みを始めた女性がいる。ホワイトマクファーレン(旧姓:岩月)・美樹さんだ。

美樹さん1
美樹さん1

グアテマラで見えたこと。取り組んだこと。

美樹さんとグアテマラとの縁は、3年前にさかのぼる。青年海外協力隊として、世界遺産に登録されている町アンティグアから、5kmほど山をのぼったサンクリストバルエルアルト村に派遣されたのが始まりだ。北海道と四国をあわせたほどの大きさのこの国で、NGO「CasaSito(以下、カサシト)」に配属され、地域開発と子どもたちの情操教育を担った。

世界遺産に…ティグア。
世界遺産に…ティグア。

美樹さんの目からみると、村のいろいろな課題や可能性が見えた。しかし自分はあくまで2年の任期が終わったら日本に帰らなければならない立場。だからこそ、そこで何が本当に必要なのかを見極めて活動することを念頭に置いて活動した。そして、自分のしたいことにこだわるのではなく、現地の人の視点に立って活動することを心がけたそうだ。

村の人と一緒にそばの栽培をしたり、壁画を描いたりと、実にさまざまな地域開発につながる活動をしたという。そのかいあって、美樹さんはいつの間にかコミュニティの一員として認められるようになった。

任地での活動風景
任地での活動風景

遠隔でもできることがある。

目の前の人たちと、より良い未来に向かって真摯に向き合い走り続けてきたグアテマラの日々は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、思いがけないタイミングで終了を迎えることになった。帰国後、自分に何ができるのだろうと、悩み、通訳や翻訳業、語学講師といった仕事をしながら、摸索し続けてきた。

そして手探りながらも、グアテマラのために何かをしたいと、2021年1月から元配属先であるカサシトと連携し、グアテマラの学生を支援するプロジェクトを開始した。

新型コロナウイルスの影響で学校に行けない、家族が多くて家に勉強できる環境がない、勉強を頑張って人生を変えたい。そう思っている学生たちが、学習強化のために通うことのできるアフタースクールを、グアテマラの北、アルタ・ベラ・パズ県に設立・運営するプロジェクトだ。このプロジェクトは、既にグアテマラの他の県(サカテペケス)で成功しており、毎年、国の奨学金を獲得して高校や大学進学する、優秀な生徒が育っている。

CasaS…ッフたち。
CasaS…ッフたち。

勉強意欲があって頑張っている学生を1人でも多く支援するためにプロジェクトを拡大することになり、今後はプロジェクトの一環として、クラウドファンディングや、日本でグアテマラコーヒーを取り扱うカフェ等を対象としたフィールドトリップ(オンライン)を計画しているそうだ。

遠隔での協力のため難しいこともあるものの、「グアテマラに信頼できる同僚がいるので、彼らと一緒にこれからも頑張っていきたい!」と意欲に燃える。

協力隊から始まったグアテマラとの縁。それは今新たなフェーズへと進みつつある。グアテマラの人々と、何より自分自身と向き合い続けてきた美樹さんは、道を切り開いていく強さと、困難に負けないしなやかさを武器に、これからも日本とグアテマラの人々をつなぐ架け橋となっていくことだろう。

美樹さん2
美樹さん2

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