ただの首の痛みだと思ったら……「もっと早く知っていれば」30代女性を襲ったまさかの病気に「予想外」「考えもしなかった」

ただの首の痛みだと思ったら……「もっと早く知っていれば」30代女性を襲ったまさかの病気に「予想外」「考えもしなかった」

「少し寝違えたかな?」「疲れが溜まっているだけかも」

日々の生活の中で感じるちょっとした体の異変。

私たちはついつい「これくらいなら大丈夫」と自分に言い聞かせてしまいがちです。
しかし、そんな些細な違和感の裏に、思いもよらない疾患が隠れていることがあります。

今回は、仕事に向かう途中に突然の首の痛みに襲われた、30代女性の体験談を紹介します。

出勤途中に襲った「ギクッ」という衝撃

その日は、いつも通りの朝でした。
ところが、出勤するために外に出た瞬間、何の前触れもなく首に「ギクッ」とした痛みが走ったといいます。

「とくに激しい動きをしたわけではありませんでした。
ただ外に出ようとしただけなのに、急に首に衝撃が走って…」

女性には過去に「頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)」の治療歴があったため、真っ先に「また再発してしまったのかな」と考えたそうです。

痛みはあるものの、首を動かせないほどではない。
そして何より、仕事に行かなければならない時間。

「病院に行こうか迷いましたが、とにかく時間がなくて。
そのまま職場へ向かいました」


このときの判断が、その後の数時間をさらに辛いものにしていきました。

止まらない「左半分」の異変と、階段も降りられない恐怖

職場に到着し、業務をこなしていましたが、症状は刻一刻と悪化していきます。
最初は首の左側だけだった痛みが、時間の経過とともに背中、腰、さらには足へと広がっていったように感じたのです。

「気づけば体の左側だけに、痛みとしびれが出ていました。
さらに吐き気がしてきて、階段も手すりを使わなければゆっくりとしか降りられない状態になって…。
これはただ事ではないと怖くなりました」

ただの首の疲れではない。
そう確信した女性は、上司に事情を話し、早退して整形外科へ駆け込みました。


病院でレントゲンやMRI検査を受けた結果、下された診断は「頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア」
しかも、2箇所も発症していたのです。
首の骨と骨の間にあるクッション(椎間板)が飛び出し、神経を圧迫している状態でした。

「左側にヘルニアが出ていたため、違和感がすべて左半身に集中していたようです。
まさか首が原因だなんて、思ってもみませんでした」

【専門家のコメント】首の痛みについて注意したいポイント

首の痛みは多くの人が経験する症状ですが、その原因は筋肉の疲労から神経の圧迫までさまざまです。
頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫することで、首の痛みだけでなく、腕や手のしびれ・痛みを引き起こします。
一方で、症状の出方には個人差があり、「痛みが広がっているように感じる」こともありますが、典型的には神経の走行に沿った範囲に現れます。
また、強い痛みに伴って吐き気や不快感が出ることもありますが、これらは必ずしもヘルニア特有の症状ではありません。
注意が必要なのは、

片側の手足にしびれや力の入りにくさがある
急に症状が出て悪化している
歩きにくさやバランスの取りづらさがある
といった場合です。これらは頸椎だけでなく、脳や脊髄の病気が関係している可能性もあるため、早めの受診が重要です。
なお、頸椎椎間板ヘルニアの多くは、安静や薬物療法、リハビリなどの保存的治療で改善するケースが多く、必ずしも手術が必要になるわけではありません。

日常生活では、
長時間の前かがみ姿勢を避ける
スマートフォンやPCの位置を調整する
首や肩のストレッチを行う
といった対策が、予防や再発防止に役立ちます。

違和感を「いつものこと」と放置せず、普段と違う症状を感じた場合は早めに医療機関へ相談することが大切です。

「もっと早く知っていれば」後悔から学んだ、体との向き合い方

診断後、女性には痛み止めと湿布が処方され、数日間の安静を余儀なくされました。
医師との会話の中で、女性は自身の生活習慣が首に大きな負担をかけていたことを初めて知ります。

「仕事の内容そのものが首を酷使するものでした。
それに、自分が無意識にとっていた姿勢がヘルニアになりやすいものだったんです。
もっと早く自分の姿勢のリスクを知っていれば、事前に対策ができたのに…と痛感しました」


この経験を経て、彼女の生活は一変しました。

現在は仕事中に避けるべき体勢を上司に相談し、周囲の理解を得ながら働いています。
自宅でもスマホを触るときの姿勢を正し、枕を自分に合うものに変えるなど、首への負担を減らす工夫を欠かしません。

「少しでも違和感があれば無理をせず、ストレッチを取り入れるようになりました。
自分の体の『癖』を知ることが、自分を守る第一歩だと思います」

首の痛みは、ただの「こり」ではなく、体が発しているSOSかもしれません。

「これくらいなら」と我慢せず、自分の姿勢や生活環境を一度見直してみる。
それが、大きな病気を未然に防ぐ、何よりの予防策になるはずです。

今のあなたにできること

最近、スマホを覗き込む姿勢が続いていませんか?
まずは数分、首をゆっくり回して、自分の体に違和感がないか確認してみてください。

もし強いしびれや痛みが続くようなら、迷わず専門機関を受診することをおすすめします。

【監修者】医療法人社団筑三会理事長 消化器外科専門医 鈴木 隆二
※本記事は、個人の体験談および専門家の見解をもとに構成しています。体の感じ方や原因には個人差があり、すべての人に当てはまるものではありません。

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