起床時の頭痛と吐き気に違和感を覚えた男性。病院に行くと医師「緊急入院です」告げられた病とは

起床時の頭痛と吐き気に違和感を覚えた男性。病院に行くと医師「緊急入院です」告げられた病とは
【実際の写真】現在の様子

就職して3ヶ月ほどが経つと、仕事に慣れ、やりがいや楽しさを感じ始める人も多い時期でしょう。

そんな中、@cancer.salonさんは脳腫瘍と診断され、手術や治療を受けることになります。薬剤師として医療を提供する立場だった@cancer.salonさんは、このとき医療を受ける側となりました。

病気を経験したことで、医療を受ける立場だからこそ見えてきた課題。就職して3ヶ月で病気が判明した当時の心境や、今後の課題への向き合い方について話を聞きました。

就職3ヶ月、突然告げられた「脳腫瘍」の診断

薬剤師として就職して約3ヶ月が経った2020年7月頃。@cancer.salonさんは、起床時の頭痛や吐き気、強い疲労感に加え、右を見るときだけ視界が歪むなど、体調の異変を感じるようになりました。

その後、職場の健康診断で「脳腫瘍の疑いがあります」と告げられ、精密検査の結果、緊急入院となり脳腫瘍と診断されます。診断と同時に手術、抗がん剤治療、放射線治療が決まり、本人の意思とは関係なく、物事が一気に進んでいく感覚でした。

新卒3ヶ月でがんと診断①(@cancer.salonさんより提供)

がんである「脳腫瘍」と告げられた当時、@cancer.salonさんは社会人になったばかりの24歳。地元で就職し、将来を前向きに思い描いていた矢先の出来事でした。がんと聞いた瞬間「人生が終わった」と感じたのが正直な心境だったといいます。

「これから積み上げていくはずだった人生が、突然リセットされたようだった」と振り返り、薬剤師として得てきた知識と、実際に当事者として直面する現実の重さはまったく違うものだと痛感しました。

新卒3ヶ月でがんと診断②(@cancer.salonさんより提供)

手術の先にあった、もう一つの闘い

脳腫瘍の手術は無事に終わったものの、その後に髄膜炎を発症。

激しい頭痛と40度近い高熱が続き「今まで経験したことのない痛み」としか表現できない状態だったといいます。痛み止めの点滴を受けながら「とにかく今日を耐える」ことだけを考える日々が続きました。

新卒3ヶ月でがんと診断③(@cancer.salonさんより提供)

@cancer.salonさんは、手術が終われば少しは楽になると思っていた分、髄膜炎を発症したことで「治療は終わりではなく、まだ続く。現実を突きつけられた感覚でした」と、当時の気持ちを語ります。

支えられる経験が、誰かを支える力へと変わるまで

治療を終えた@cancer.salonさんは、2020年12月に体調と相談しながら社会復帰しました。

徐々に体力を取り戻すなかで患者さんと関わる機会が増え「自身の闘病経験を、患者さんに寄り添う力として生かしたい」と考えるように。より多くのがん患者と関われる職場へ転職。

現在は、治療中だけでなく治療後の社会生活まで支えられる薬剤師を目指し、活動を続けています。

新卒3ヶ月でがんと診断④(@cancer.salonさんより提供)

闘病中、常にそばで支えていたのは奥さんでした。2人は治療のさなかに結婚。奥さんにとって@cancer.salonさんとの結婚は「病気があるから」ではなく「一緒に生きていく」という自然な選択でした。

奥さんは「がんは人生の一部であり、特別なものとして扱いすぎない、でも無視もしない」という姿勢で向き合っており、@cancer.salonさんはその距離感を日々の生活の中で感じているそうです。

現在は抗てんかん薬の内服を続けながら、定期的な通院と検査を行っている@cancer.salonさん。
「治療が終わっても医療との関わりは続く」その現実を、多くの人に知ってほしいと話していました。

支援の循環を広げたい思い

今後は、がん患者が社会復帰するまでの間を支える仕組みをつくりたいと明かす@cancer.salonさん。

がん経験者が治療中の患者さんの話を聞き、支える「ピアサポート」は、現在はボランティアが中心です。しかし、体力的にフルタイム勤務が難しい人でも、社会復帰までの間に仕事として関われ、対価が得られる仕組みがあってもよいのではないかと考えました。

新卒3ヶ月でがんと診断⑤(@cancer.salonさんより提供)

熊本では同じ病棟で闘病した仲間とともに、小児がんや若年がん患者を支援するレモネードスタンドの活動も行っています。

「支えられる側だった自分たちが、今度は誰かを支える側になる。その循環をこれからも広げていきたいです」と話していました。

がんや病気をきっかけに、一時的に仕事を休んだり、退職を選択したりするケースもあり、社会復帰に不安を感じる人は少なくありません。@cancer.salonさんが考えるような仕組みは、入院中や治療中の心の支えにつながる可能性があります。今後、こうした取り組みがどのように広がっていくのかが注目されます。

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