「恥ずかしくて申し訳なかった」エレベーター内での“暗黙のルール”を先輩から指摘され…専門家の見解を聞いた

「恥ずかしくて申し訳なかった」エレベーター内での“暗黙のルール”を先輩から指摘され…専門家の見解を聞いた

通勤や仕事中に、当たり前のように使っているエレベーター。
その中にも、特定の立ち位置や行動に関する暗黙のマナーがあると聞いて、驚いた経験はありませんか。
今回は、30代・アルバイト勤務の女性に、社会人になってから初めて知ったエレベーター内でのマナーについて話を聞きました。

意識したことがなかった、エレベーター内での立ち位置

女性がそのマナーを知ったのは、社会人として働き始めて間もない頃でした。
それまで、エレベーター内での立ち位置や操作について、特に意識したことはなかったといいます。
入口付近に立つ人が開閉ボタンを操作し、先に降りる人を優先する。
そうした気遣いが基本であることを、当時は知らなかったそうです。

先輩との同乗で気づいた、さりげない配慮

ある日、先輩と一緒にオフィスビルのエレベーターに乗ったときのことでした。
女性は何も考えず、自然と奥の方に立ってしまいました。
すると、入口付近に立った先輩が、開閉ボタンを操作し続け、降りる際も周囲に気を配っている様子だったといいます。

その後、先輩から、
入口に立つ人が操作するのがマナーだよ。
と、やさしく教えられました。
その場で初めて、暗黙のルールがあることを知ったそうです。

恥ずかしさと申し訳なさを感じた瞬間

注意されたとき、女性は強い恥ずかしさと申し訳なさを感じました。
今まで当たり前のように使っていたエレベーターにも、周囲への配慮が必要だったのだと気づいたからです。
自分の未熟さを痛感した一方で、社会人としてのマナーをひとつ学べたという実感もあったといいます。

「次からは意識しよう」と前向きに受け止めた

その出来事をきっかけに、女性はエレベーターに乗る際、立ち位置や周囲の動きを意識するようになりました。
完璧にできているわけではないものの、
誰が入口に近いか。
先に降りる人はいないか。
といった点を、自然と気にするようになったそうです。

社会人としての経験を重ねる中で、
少しずつ身についていくものなのかもしれない。
そんなふうに感じていると話します。

マナーは「知っているかどうか」で差が出ることもある

今回のエピソードは、エレベーターの使い方に正解がひとつある、という話ではありません。
ただ、職場という場では、周囲への配慮として受け取られやすい行動が存在するのも事実です。
こうした暗黙のマナーについて、どのように考えればよいのでしょうか。

ここから、ビジネスマナーの専門家に解説を聞きました。

専門家のコメント

このようなケースについて、撫子Plus株式会社の鮎永 麻琴さんに話を聞きました。

■ なぜエレベーター内で「立ち位置」が意識されるのか

エレベーター内の立ち位置や操作に関するマナーは、
効率や上下関係を示すためというより、「周囲への配慮」を形にしたものと考えると分かりやすいでしょう。
入口付近に立った人が開閉ボタンを操作する、先に降りる人を優先する、こうした行動は、

• 乗り降りをスムーズにする
• 他の人が動きやすい状況をつくる

といった、場を円滑に回すための気遣いとして自然に生まれたものです。
つまり、立ち位置そのものが重要なのではなく、
「周囲を見て、必要な行動を取ろうとする姿勢」が重視されているのです。

■ 必ず守るべき「絶対ルール」なのか

結論から言えば、
エレベーターの立ち位置や操作は、必ず守らなければならない絶対的なルールではありません。
法律や社内規定で明文化されているケースはほとんどなく、あくまで「暗黙のマナー」「慣習」に近いものです。

そのため、
• 知らなかったからといって非常識
• できなかったから評価が下がる

という性質のものではありません。
大切なのは、知ったあとにどう振る舞うか。
それだけで、受け取られ方は大きく変わります。

■ 職場や状況によって考え方が変わる点

エレベーターのマナーは、実は職場や環境によって考え方が異なります。
たとえば、

• 少人数の職場では、特に役割を分けないことも多い
• 外部の来客がいる場面では、より丁寧な配慮が求められる
• 忙しい時間帯や満員時には、形式より安全やスムーズさが優先される

といったように、「その場に合っているかどうか」が判断基準になります。
常に入口に立たなければいけない、必ずボタンを操作しなければならない、
というよりも、今、この場で自分ができる配慮は何かを考えることが、コミュニケーションとしては本質的です。

■ 知らなかった場合の受け止め方

今回のエピソードのように、
「知らなかった暗黙のマナー」を後から知って、
恥ずかしさや申し訳なさを感じる人は少なくありません。

ですが、
知らなかったこと自体は、決してマイナスではありません。
むしろ、

• やさしく教えてもらえた
• 注意ではなく、共有として伝えてもらえた

という点に目を向けると、
それは職場で受け入れられているサインとも言えます。
社会人としてのマナーや配慮は、最初からすべて知っている人の方が少ないものです。
「次から意識しよう」
そう前向きに受け止められた時点で、
コミュニケーション力は確実に育っています。

■ 行動マナーも「完璧さ」より「姿勢」が伝わる

エレベーターに限らず、職場での行動マナーは、完璧にできるかどうかよりも、

• 周囲を見ようとしているか
• 学ぼうとする姿勢があるか

といった部分が、自然と相手に伝わります。気づいたことを少しずつ取り入れていく。
それだけで、職場での安心感や信頼感は積み重なっていくものです。

知らなかったことを、必要以上に気にしなくていい

職場には、言葉遣いだけでなく、行動に関するマナーも数多く存在します。
すべてを最初から知っている人は、ほとんどいません。

大切なのは、知らなかったことを責めることではなく、気づいたあとにどう振る舞うかです。

専門家の解説を参考にしながら、少しずつ意識していくことが、無理なく職場に馴染むことにつながるのかもしれません。

※本記事は、実際の体験談をもとに構成しています。
※マナーの受け取られ方は、職場や相手との関係性によって異なる場合があります。

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