マラソンの練習中、ひざの違和感に気づいた芸人。怪我かと思っていると…その後、判明した事実に衝撃を受ける。 現在、ポジティブな発信をする様子に迫る

マラソンの練習中、ひざの違和感に気づいた芸人。怪我かと思っていると…その後、判明した事実に衝撃を受ける。 現在、ポジティブな発信をする様子に迫る
入院中のお写真②(ノビ山本さんより提供)

脂肪細胞から発生する悪性腫瘍(軟部肉腫)の一種である「脂肪肉腫」という病気を知っていますか?富山県住みます芸人ノビ山本さんはひざの裏にコブがあることを発見し、病院で精密検査を受けた結果「脂肪肉腫」と診断されました。ノビ山本さんは、脂肪肉腫や抗がん剤治療への理解を深め「よりよい世の中にしたい」という思いで病気について発信しています。病気がわかったときのことや今後の目標、現在の活躍などについて話を聞きました。

痛みやしびれ、違和感などまったくなかった…

ノビ山本さんは、テレビ番組の企画でマラソンに出場することになり、練習に励んでいました。ところが、練習後に一緒に走っていた人から、ひざの裏にコブのようなふくらみがあると指摘されます。

痛みやしびれなどはなく、体の異変もまったく感じなかったため、練習中の怪我かと思い病院を受診。精密検査の結果、腫瘍が見つかりました。その時点では悪性か良性かはわからず、手術をしてみなければ判断できないと言われたそうです。

当時、2ヶ月後にマラソンを控えていたノビ山本さん。すぐに手術をすると練習時間の調整が難しくなります。マラソンを辞退する選択もありましたが「せっかくいただいた仕事であり、芸人として最後までやり遂げたかった」との思いから、痛みやしびれがないことを理由に、走り終えてから手術を受けることにしました。

この判断は本人に委ねられ、希望通りマラソンを完走。走行中や終了後も、右ひざ裏の膨らみ以外に目立った症状はなかったといいます。

その後、予定通り手術が行われ、「脂肪肉腫」と診断されました。

腫瘍があると知らされた当初、ノビ山本さんは「勝手に良性だと思い込んでいました」と話します。しかし、悪性と告げられた際には「治療しなければ前に進めない」とすぐに気持ちを切り替え、入院して治療を始める決意をしました。

ひざ裏の腫瘍(ノビ山本さんより提供)
入院中のお写真➀(ノビ山本さんより提供)
入院中のお写真②(ノビ山本さんより提供)

「笑顔で明るく病気に勝つ」

現在「がんの再発はなく、寛解に向かっています」と語るノビ山本さん。抗がん剤の副作用はなかったものの、放射線治療で生じた潰瘍の治療のために右膝裏に医療機器を装着しており、その交換時の痛みがつらかったといいます。

病気と闘った日々について「つらい状況の中でも、そのことからいろんな人生の局面で成長できると学んだのと同時に母の支えに感動しました」と振り返りました。

治療中も欠かさず動画配信をしていたノビ山本さん。その理由は、吉本興業の先輩芸人さんが足の怪我で入院しているとき、SNSで入院生活を発信していてその活動に感銘を受けたからでした。

ノビ山本さんは「笑顔で明るく病気に勝つ」と、いつも笑顔で配信をしています。それには「気持ち的に落ち込んでも何も解決しないので、常に前へ進む気持ち、常に人生の表舞台に立ち続けないと人生楽しくないと日々考えています」という思いがありました。

この考え方は、吉本興業の先輩芸人との共演で学んだと話します。

 

ノビ山本さん(ノビ山本さんより提供)
現在の様子(ノビ山本さんより提供)

自身の経験からチャリティ活動に参加

退院して日常生活に戻り「日々普通に生活できる幸せを噛みしめています…」とノビ山本さん。

また、がんを患ってから、自分以外のがん患者さんが取り組んでいる活動への興味が湧いたノビ山本さんは、さまざまな活動に取り組んでいます。

今年は、がん患者さんやそのご家族を支援し、地域全体でがんと向き合い、がん征圧を目指して一年を通じて取り組むチャリティ活動に参加しました。2025年10月に行われたチャリティイベントでは、司会を9時間務めたといいます。

そして、ノビ山本さんの今後の目標は、ピン芸人の賞レースで3回戦進出と、富山県を全国に全力アピールすることです。SNSでは病気の経験を生かし「人生をどう楽しむか」「自分の人生をどう演出するか」を伝えていきたいと話していました。

痛みやしびれなどの自覚症状がなければ、見落としてしまう病気もあるかもしれません。定期的に検査をすることで防げることもあるでしょう。健康でいられることは何よりも幸せなことですね。

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