車通りが多い道に倒れていた子猫 慌てて駆け寄ると『足はブラブラで…』11年後の現在の姿に「涙が出ました」「痛さによく耐えたよ」「頭が下がります」

車通りが多い道に倒れていた子猫 慌てて駆け寄ると『足はブラブラで…』11年後の現在の姿に「涙が出ました」「痛さによく耐えたよ」「頭が下がります」
下半身麻痺のカリンちゃん(@oomori_nyansさんより提供)

@oomori_nyansさんのお母さんが拾ってきた猫は下半身麻痺でした。しかし、数週間後にはぴょんぴょんと跳ねて動き回るようにまでなります。

足の摩擦でけがをしないか心配した@oomori_nyansさんは、ズボンをプレゼントすることに。その様子をTikTokに投稿したところ「涙が出ました」「痛さによく耐えたよ」「頭が下がります」などのコメントが寄せられています。

そこで@oomori_nyansさんに話を聞きました。

足が動かなくても懸命に生きる子猫

今から11年前の7月ごろ、@oomori_nyansさんのお母さんは、国道の車通りが多い道路の真ん中に横たわる子猫を見つけました。

何度もひかれないよう道路脇へ移そうと車を停めて抱き上げると、まだ息をしていたため「見捨てられない!」と、急いで家へ連れ帰ります。

下半身麻痺のカリンちゃん(@oomori_nyansさんより提供)

「抱きかかえたときは足がブラブラで力がなく、衰弱していました」と@oomori_nyansさん。

当時、家には3匹の保護猫がいて家計も厳しく、飼うかどうか家族で悩みましたが「懸命に生きようとする命は見捨てられない」と迎え入れることを決意。

その子猫はカリンちゃんと名付けられました。
「将来的に足が動くようになって、元気になってくれたらいいなと言う意味を込めて、「可能性・希望」という花言葉でもある「カリン」から命名しました。」と話します。

動物病院で受けた診断と懸命なリハビリの日々

元気がなく弱っていたカリンちゃんを、まず動物病院へ連れて行き、軽い処置と状態を診てもらうことに。ひどい損傷はありませんでしたが、神経を痛めて足が動かない可能性が高いという診断でした。

病院へ連れて行ったとき(@oomori_nyansさんより提供)

その後も排泄がうまくできず、何度も病院で指導を受けたり、尿路結石の治療をしたりと最初は苦労が続いたといいます。

足が動くかもしれないという希望もあり、通院時には獣医からマッサージ方法を学びました。現在も足は動きませんが、いつか医療が進歩して奇跡が起こるかもしれないとの思いから、切断はしていません。

足は動かないものの、カリンちゃんは10日ほどでご飯が食べられるようになり、ぴょんぴょん跳ねるまで回復しました。そのときの様子を「足が動かなくなったので、歩き方がわからない?慣れない?ような感じに見えました」と話します。

その後、カリンちゃんは自分なりの歩き方を覚え、驚くほど速く走れるようになりました。その姿はとても微笑ましく、足が動かなくても元気に生きる姿に、@oomori_nyansさん家族も前向きな気持ちになったといいます。

@oomori_nyans

足の摩擦を心配してあるものをプレゼント

カリンちゃんがぴょんぴょんと跳ねて動き回るようになり、少し元気になってきたころ、子猫で好奇心も多い時期だったためか、よく家中を駆け回るようになったといいます。

その姿を見たときに、足を摩擦などで怪我をしないか心配だった@oomori_nyansさんは、家族で話し合いズボン第1号型を制作しました。

ズボン第1号(@oomori_nyansさんより提供)

しかし、そのズボンは脱げやすく足を十分に保護できませんでした。そこで@oomori_nyansさんは、カリンちゃんの体を計測して型紙を作り、試行錯誤を重ねます。

ズボン第2号(@oomori_nyansさんより提供)

第1号型完成から2〜3ヶ月後、脱げにくく足をしっかり守れる第2号型の原型が完成し、以降は怪我もなくなりました。

下半身麻痺の猫と暮らす日々の工夫

下半身麻痺があるカリンちゃんのお世話で気を付けていることは、pHコントロールのできる、尿路結石用のご飯をなるべくあげること。また1日に2~3回の排泄の際、尿や便を絞り出す際の力加減は、カリンちゃんのその日のコンディションを見極めているといいます。

「排泄の時間は、カリンちゃんの健康状態を知る一番大切な時間です」と話します。

※pHコントロール…水溶液の酸性度やアルカリ度を示すpH値を調整することを指します。特に、猫の尿路結石症の予防や治療のために、食事療法で尿のpH値を調整する場合によく使われます。

さらに大切なのは、足や尻尾など下半身の怪我を撫でながら触診で確認することです。健康な猫なら動きで怪我に気づけますが、カリンちゃんは下半身麻痺で痛みを感じないため、この方法しかありません。

また、後ろ足の肉球が乾燥してガサガサになるためクリームで保湿し、足が曲がって苦しそうな姿勢で寝ているときは、楽な体勢に直すことも心がけています。

足が動かないとは思えないほど元気なカリンちゃんに…

現在のカリンちゃんは、足が動かないとは思えないほど元気で、走り回ったり、少し高いソファでも手だけで自分で登り降りしたりしているそうです。

「ボス猫気質なのか、他の子と喧嘩するときは1歩も引かず、前に向かっていきます」と@oomori_nyansさんは笑いながら話します。

@oomori_nyans 

1歩も引かないカリンちゃん(@oomori_nyansさんより提供)

排泄時のズボンの脱ぎ着も理解した上で大人しくしたり、腕枕で寝るなど甘えん坊な一面もあったりと、可愛らしいカリンちゃんの姿も。

くつろぐカリンちゃん(@oomori_nyansさんより提供
11歳になったカリンちゃん(@oomori_nyansさんより提供

@oomori_nyansさんはカリンちゃんが幸せに生きていけるように、今後も大切に育ててそばで見守っていきたいと話します。

「10歳を超えた、次のカリンちゃんの目標は目指せ20歳です!」と語ってくれました。

下半身麻痺とは思えないほど元気に動き回るカリンちゃんの姿に、こちらまで笑顔になります。11歳になったカリンちゃん、これからも幸せに過ごしてほしいですね。

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