海に捨てられたビニール袋 その中には衰弱した子猫が…→急いで保護した結果、1年後の姿に「涙が出ました」「ありがとう」

海に捨てられたビニール袋 その中には衰弱した子猫が…→急いで保護した結果、1年後の姿に「涙が出ました」「ありがとう」

離島の波打ち際で、1匹の子猫が発見されました。さらに近くにあったビニール袋の中には、まだ目も開かない2匹の子猫が。

思わず目を疑うような状況の中で、小さな命たちは必死に生きようとしていました。

子猫たちを偶然見つけたのは、YouTubeで釣り動画などを発信している『@ヒミツキチチャンネル』さん。
突然の出会いに驚きながらも、命を救おうとすぐに行動に移します。

この出来事を伝える投稿には、「涙が出ました」「助けてくださりありがとうございます」「許せない」など、たくさんの声が寄せられました。

そんな衝撃的な出会いから始まった、子猫たちの保護の経緯とその後の暮らしについて、お話を伺いました。

波打ち際とビニールの中に子猫が…

@ヒミツキチチャンネルさんが釣りに訪れていたのは、いつも通っている離島の地磯でした。
その道中、同行していた漁師さんが、波打ち際に横たわる茶色い子猫を発見します。

さらにその近くには、海水に少し浸かったビニール袋が落ちていて、残り2匹の子猫が入っていたのです。3匹ともにまだ目が開いておらず、1匹はへその緒がついたままでした。

当時は春先で、海水はまだ冷たい時期。@ヒミツキチチャンネルさんは突然の状況に頭が真っ白になり、目の前の猫の様子を理解するのに時間がかかったそうです。

保護することに…(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)

とりあえず3匹の子猫を保護し、宿に連れて帰って海水で濡れた体を拭き、ペットボトルにお湯を入れて温めました。

温めてもらう子猫たち(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)

そして、3匹の子猫を連れて帰ることにします。そのとき、離島から帰る船に一緒に乗っていた猫の子育てに詳しい方が、3匹の中の1匹、茶色の子猫を引き取ってくれました。

茶色の子猫を引き取ってくれる方が…(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)

2匹との暮らしの始まり

@ヒミツキチチャンネルさんが引き取った2匹の子猫は、ニョッキくんとキッキくんと名付けられました。2匹とも男の子です。

ニョッキちゃん(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)
キッキちゃん(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)

2匹を保護した当時、自宅では5匹の保護猫と一緒に生活していました。当初は2匹を里親に出す予定で迎えてくれる方がいたのですが、キッキくんがてんかん発作を起こしてしまったため、2匹ともに保護することになったといいます。

2匹を迎えるにあたって、@ヒミツキチチャンネルさんは初めてのことではなかったため「不安はありませんでした」と語ります。

20日後には歩き回るように(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)

ニョッキくんとキッキくんはすくすくと成長していきました。保護して20日後には歩き回るようになります。
@ヒミツキチチャンネルさんは「保護して良かった。何をしてもかわいい存在」と、当時を振り返りました。

一年後のニョッキちゃん(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)

すくすく成長中の3匹、それぞれの個性と今の暮らし

現在の2匹の様子について聞くと、ニョッキくんはドアのすり抜けが得意すぎて困っているのだとか。
「甘やかされて育ったので、いたずらをして怒ってもまったく気にせず、逃げることもありません」と話してくれました。

一年後のキッキくん(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)

一方、キッキくんはたまにてんかん発作が起きるものの、ぬいぐるみのようにおっとりした性格。物怖じもしないそうです。
「2匹とも純粋に成長しているのでかわいいです」と話します。

ニョッキくんは保護時117gだった体重が、1年後には4.6㎏に。キッキくんも116gから4㎏まで成長しました。

また、先住猫のトゥトゥちゃんは2匹にとってまるで母親のような存在に。グルーミングをしてあげたり、されたりと、優しく寄り添ってくれています。さらに他の先住猫たちも、2匹を受け入れて面倒を見てくれているとのこと。

保護当日に船で引き取られていった茶色の子猫は「大吉くん」と名付けられ、現在は新しい飼い主さんのもとで元気に暮らしています。

茶色の子猫、大吉くんその後(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)

動画で伝えたい、命の重さと責任

今回の動画を投稿した理由は、ビニール袋に入れられた命の存在を多くの人に知ってもらい、動物を遺棄する行為が犯罪であり、決して許されることではないと伝えたかったからだといいます。

また、同じように子猫を保護された方の参考になればという思いも込められていました。@ヒミツキチチャンネルさん自身も手探りで育てる中で、猫に詳しい視聴者の方々からアドバイスをいただけたらという気持ちもありました。

一年後(@ヒミツキチチャンネルさんより提供)

@ヒミツキチチャンネルさんは「今後も記録動画を撮り続けることで、視聴者さんの楽しみの一つとなってもらえたら嬉しいです。いつも視聴者さんからの応援やコメントに元気を頂いたり勉強させてもらったりしています」と語ってくれました。

今回は、たまたま釣りに訪れていた@ヒミツキチチャンネルさんが偶然発見してくれたことで、3匹の小さな命は救われました。どんな理由があっても、動物を遺棄することは許される行為ではありません。命を軽んじることなく、ひとつひとつに向き合うことが、私たちに求められている責任だと改めて感じさせられます。

助けられたニョッキくんとキッキくん、そして大吉くんが、これからも穏やかで愛情に包まれた日々を過ごせますように。そして、この物語が一人でも多くの人に届き、命の尊さについて考えるきっかけとなればと思います。

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