「ふとした一言や、何気ない日常の景色が、人生を変える決意をくれることがあります」――そんな言葉をまるで証明するように、Instagramで人気を集める【シニア専門ダイエット】まるちゃんこと(@hisayo_65)さんは、65 歳からのダイエットで 27 キロもの減量に成功しました。投稿のコメント欄には「きれいですね」「年齢は関係ないですね」「凄過ぎます」といった温かな声が絶えません。ご本人に、その決意が芽生えた瞬間から現在に至るまでの歩みを伺いました。
“知らない人が来た”――母のひと言が胸に灯した火

65 歳までの @hisayo_65 さんは、子育てと義両親の介護を優先し、自分のことはどうしても後回しになっていたそうです。
転機は同年、認知症を患うお母さまが放った「知らない人が来たわね」というひと言でした。
太った自分を母が認識できなかった瞬間、胸の奥にぽっと小さくも温かな火がともり「今こそ変わらなくては」と思い至りました。
健康リスクが教えてくれた“今しかない”という合図

当時の体重は 83 キロ。体重増加で脊柱管狭窄症が悪化し、腰のしびれで眠れない夜が続いたといいます。
さらに脂肪肝と診断され、「このままでは肝硬変になるかもしれません」と医師から告げられるなど、健康面でも切羽詰まった状況でした。
階段を数段上るだけで息が上がるたび、母の言葉が静かに胸に響き、決意は揺るぎないものになっていきました。
“食べて痩せる”メソッドとの出会いがもたらした希望
二人の息子さんを育てる食卓は、揚げ物とパンが主役。
ファスティングやオートミールにも挑戦したものの長続きしませんでした。
そんな試行錯誤の中で出会ったのが、栄養バランスを整えつつ「しっかり食べて痩せる」方法です。
「これなら一生続けられる」と感じた @hisayo_65 さんは、専門家に学び、糖質と脂質の摂り過ぎを控え、加工品を減らし、ぐっすり眠る生活を整えていきました。
献立に季節の彩りが増え、キッチンには湯気と笑顔が戻ります。
三年間で 27 キロ減、それ以上に軽くなった心

取り組みから三年後、体重は 56 キロに。
「一人では 70 キロが限界だと思っていたので、60 キロを切れたときは本当に驚きました」とほほ笑みます。
空腹で苦しい思いをすることはほとんどなく、むしろ「今日は何をおいしく食べようか」と献立を考える時間がいちばん大変だったとか。
栄養が行き渡るとホルモンバランスが整い、満ち足りた気分が続きました。
連れ合いに対する小さなイライラもすっと消え、「大丈夫、なんとかなるわ」と前向きに考えられる自分に出会えたそうです。
次の夢は、70 歳で踊るバレリーナ
今年、 @hisayo_65 さんは素人モデルとしてランウェイを歩く新たな挑戦を果たしました。
心の中には「シニアビューティーの舞台に立ってみたい」という密かな願いも宿ります。
「50 代でスキューバダイビングに挑戦したので、70 歳になったらバレエを習いたいんです」と、今はストレッチに励む毎日です。
背筋を伸ばし、未来へ一歩を踏み出す姿はとても軽やかでした。
あたためた決意は、いつでも芽吹く

年齢を理由に夢をあきらめる必要はありません。
決意の種は、日常のふとした瞬間に落ちています。
@hisayo_65 さんが教えてくれるのは、「食べることを楽しみながら、自分を好きになる道を探せば、人生はやさしく変わる」ということ。
もし今、心のどこかで「何かを始めたい」と感じているのなら、今日の夕食を少しだけ丁寧に考えてみてはいかがでしょうか。湯気の向こうに、まだ見ぬ新しい自分がそっと顔をのぞかせるかもしれません。

