3週間経っても口内炎が治らず、病院へ。「実感がわかず、他人事みたいだった」告げられた病名と現在の様子を聞いた

3週間経っても口内炎が治らず、病院へ。「実感がわかず、他人事みたいだった」告げられた病名と現在の様子を聞いた
治療中の様子②(@nakano1224_2000さんより提供)

現在25歳の@nakano1224_2000さんは、大学4年生のときに舌がんと診断されました。その後、社会人となって2回の再発を経験し、現在も治療中です。

治療を重ねるなかで、諦めたいと思ったこともありました。しかしあるとき「諦めない」という言葉の意味に気づきます。

諦めない本当の意味について@nakano1224_2000さんに話を聞きました。

実感のないまま告げられた舌がん、そして再発

2024年7月、大学4年生だった@nakano1224_2000さんは、3週間ほど口内炎が治らない状態が続いていました。歯科検診をきっかけに「大きな病院で診たほうがいい」と勧められ、紹介先を受診した結果、舌がんと診断されます。

病名を聞いたときは「実感がまったく湧かず、自分のことなのに他人事のように感じた」と振り返ります。手術後は約1年半、大きな問題もなく社会人として働き、2〜3ヶ月に一度の定期検診を続けていました。

しかし2024年7月の定期検診で再発が判明。
「まさか」という思いとともに、強いショックを受けました。

再び大きな治療への不安を抱えながらも、舌の半分を切除する手術、頸部郭清、腹部の筋肉を用いた再建手術を実施。気管切開を伴い約1ヶ月入院し、その後は放射線治療と抗がん剤治療を行いました。

再発、転移も(@nakano1224_2000さんより提供)

繰り返される再発と向き合って

2回目の再発がわかったのは2025年3月。

鼻の奥と左鎖骨への転移がわかったとき、@nakano1224_2000さんの正直な思いは「またか」というものでした。あの苦しい治療を再び受けなければならないことに、強い不安を感じたといいます。

その後、手術で摘出を行い、放射線治療と抗がん剤治療を開始しました。さらに2025年5月には右耳下腺への転移も判明し、再び手術と放射線治療、抗がん剤治療を実施。治療は2025年11月上旬に完了しています。

再発を繰り返す状況に「なぜなんだろう」という疑問は消えませんでしたが、治療の流れや回復までの道筋が見えていたことで「やるべきことをやるしかない」と気持ちを切り替え、前向きに向き合うようになりました。

後遺症と生活の変化

現在、治療は一旦終了しており、経過観察のための通院を続けている@nakano1224_2000さん。

しかしながら、後遺症として、顔の右半分に麻痺が残っています。右頬は数ヶ月で改善する見込みですが、右目は神経断裂のため症状が残ると説明を受けているそうです。
生活面でも変化は大きく、滑舌の低下や首まわりの動かしづらさにより、上下を向くのがつらくなりました。また、飲み込みにくさから食事量が増えにくく、油断すると体重が落ちてしまうこともあります。

また、腹部の筋肉を使った再建手術の影響で、筋肉を伸ばすと痛みを感じることがあり、体力も以前より落ちて疲れやすくもなりました。顔のむくみや、右半分の麻痺といった症状もあります。
これまでの放射線治療の後遺症により、鼻の奥の組織が欠損。その影響による頭痛もあり、薬でコントロールしながら生活をしているそうです。

言葉を失いかけて気づいた、人の温かさ

治療を重ねるなかでさまざまな身体的変化がありましたが、最もつらかったのは会話がしづらくなり、人と話すこと自体が億劫になったことでした。特に初対面の人との会話では事情を説明する必要があり、うまく伝わらず距離を感じてしまう場面もあったといいます。

その一方で、これまでに出会ってきた人との会話を、より大切にしたいと思うようになりました。理解しようとしてくれる友人の存在が、大きな心の支えになっています。

さらにSNSでの発信を通じて、さまざまな境遇のなかで懸命に生きる人や、真摯に向き合ってくれる優しい人が多くいることを日々実感するようになりました。

治療の過程で気づいたこと(@nakano1224_2000さんより提供)

少しずつ前向きに捉えられるようになったのは、何か一つの出来事がきっかけだったわけではありません。治療を続けるなかで一人で考える時間が増え、20代で3度がんを経験したという自身の体験を、次第に客観的に見つめられるようになっていきました。

そこで、人に伝えられる何かを見出したいと思うようになり「せっかく得た体験を自分のなかだけに留めておくのはもったいない」と感じたことがSNSでの発信につながっているのです。

『今を生きる』ためのメッセージ

舌がんとわかったとき、@nakano1224_2000さんは同じ病気の体験談をネットで探しましたが、情報は想像以上に少なく、あっても40代・50代以上のものが中心だったそう。そこで「それなら自分が発信しよう」と考えたことが、発信のきっかけになりました。

@nakano1224_2000さんは、SNSを通じて「明日も当たり前に健康でいられる保証はありません。やりたいことや楽しみにしていることがあるなら、できるうちにやった方がいいと思っています。人は自分が思っているほど、5年後や10年後を正確に見通せるものではありません。だからこそ『今を楽しむこと』を大切にし、そのためにできる行動を積み重ねていくことが未来の自分につながります」ということを伝えたいと話します。

諦めないことの本当の意味(@nakano1224_2000さんより提供)

同じように闘病している人に向けて「今はとても苦しいと思いますが、その経験は必ずこれからの人生の糧になります。他の人にはない強みになるはずです。自分が大きなことを成し遂げているという自信を持ってほしい」と語ります。

また「他人に過度な期待をするのではなく、自分自身に期待してほしいと思います。最後に自分を助けてくれるのは、自分を信じた自分です」とも話していました。

今後は発信力を高め、病気の有無に関わらず、多くの人に自身の経験を届けていきたいと話す@nakano1224_2000さん。さらに、人生で一度立ち止まり、再スタートを切ろうとしている人のヒントになるようなコミュニティづくりも目標にしています。

@nakano1224_2000さんは「諦めない」とは頑張り続けることではなく、自分に残されたものと向き合いながら、どう生きていくかを考えることだと感じるようになりました。病気を受け入れ、SNSでの発信などを通して自分らしい生き方を模索する姿は、多くの人にさまざまな気づきを与えてくれます。

提供元:nakano1224_2000さん(Instagram)

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