ささくれや小爪は、日常の中で誰もが一度は経験するものです。
「いつものこと」「少し痛いだけ」と、深く考えずに自己処理している人も多いのではないでしょうか。
今回話を聞いたのは、50代の会社員女性。
彼女もまた、長年当たり前のように行ってきた処理が、思わぬトラブルにつながった一人でした。
その日は、特別なことのない「普通の1日」だった
異変が起きた日は、仕事や生活において特別な出来事はなかったといいます。
「普段と変わらない1日でした。体調も特に悪くなかったです」
唯一気になっていたのは、指先の小爪を処理した部分に、少し痛みがあったこと。
ただ、それもいつも経験している範囲の違和感でした。
「いつも通りの処理だから大丈夫」と思っていた
女性はこれまで、小爪ができるたびに、引っ張ってむくように処理してきたそうです。
「小爪を引っ張りながらむくのは、いつもやっていることでした。
処理した後は多少痛みもありますし、今回もすぐ治ると思っていました」
これまで大きなトラブルになったことがなかったこともあり、特に気に留めなかったといいます。
時間が経って現れた異変 想像していなかった化膿
ところが、処理からしばらく経ったあと、状況は一変します。
「1時間ほど経ってから、かゆみが出てきて、膿も出てきたんです。
それまで何ともなかったので、本当に驚きました」
その日は様子を見ることにしましたが、翌日には指が腫れていたため皮膚科を受診。
そこで医師から告げられたのは、「爪囲炎(そういえん)」という診断でした。
「放置していたことを指摘されました。
化膿が悪化すると、癖が悪い状態になることもあると聞いて、知らないことでゾッとしました」
治るまでには約1か月。
その間は手袋をして過ごすなど、日常生活にも支障が出たといいます。
【専門家のコメント】小爪やささくれの自己処理で気をつけたいこと
この話について、Takushi clinic理事長の沢岻美奈子さんに話を聞きました。
小さな小爪やささくれでも、皮膚のバリアが破れることで細菌が入り込み、爪のまわりや指全体に炎症(化膿性爪囲炎など)を起こすことがあります。
むしったり噛んだりすると傷が深く・広くなり、より感染しやすくなります。
処理は、清潔なはさみや爪切りで飛び出た部分だけを根元近くから切り、消毒液で軽く消毒し、必要に応じて絆創膏で保護します。
無理に引っ張らないことが重要です。
病院受診の目安は、
①赤み・腫れ・痛みが強くなってくる
②膿がたまっている
③指が熱をもってズキズキする
④指が動かしにくい
⑤発熱やだるさを伴う場合などです。
糖尿病や免疫が低下している方、赤みが指全体や手に広がってきた場合は、早めに皮膚科や整形外科を受診してください。
「些細なことほど、軽く見ないでほしい」
今回の経験を通して、女性の考えは大きく変わりました。
「小爪はむいたりせず、爪切りなどで適切に処理するようになりました。
消毒をしながら行うことも意識しています」
最後に、同じように自己処理をしている人へ、こう呼びかけます。
「ささくれや小爪も、いつもやっているからと安易に引っ張ったりむいたりすると、
そこから黴菌が入り、化膿して長く治療が必要になることがあります。
腫れやかゆみが出たときは、様子を見ず、早めに皮膚科に行くことが大切です」
小さな違和感を軽く見ず、正しい対処を心がけること。
それが、思わぬトラブルを防ぐことにつながるのかもしれません。
【監修者】沢岻美奈子 産婦人科専門医 Takushi clinic理事長
※本記事は、個人の体験談および専門家の見解をもとに構成しています。体の感じ方や原因には個人差があり、すべての人に当てはまるものではありません。
