子どもの急な「お願い!」は、なぜかいつもバタバタしている朝にやってくるものです。親の対応力と創造力が試されるその瞬間、あなたならどう乗り切りますか?
そんな中、今回「最初は怒ってしまいました」と苦笑いしながら語るのは、30代で看護師として働くお母さん、マナミさん。
登校15分前に発覚した「座布団事件」を、お母さんの見事な機転と“ある犠牲”によって乗り切った、朝のドタバタ劇についてお話を伺いました。
「今日だった!」登校15分前のSOSに母、絶句
その日の朝も、マナミさんの家は戦場のような忙しさでした。自身も仕事へ行くため、お弁当作りと自分の支度を猛スピードでこなしていた、まさにその時。
7歳になる自由奔放な娘、ユイちゃんが、リビングに響き渡る声でこう言い放ったのです。
「あ! 今日、劇の発表会だったから座布団が欲しいんだった!」
時計を見ると、登校まであとわずか15分。「今言う!?」と、マナミさんの頭は真っ白に。子どもサイズの座布団なんて、急に用意できるはずもありません。あまりのタイミングの悪さに、最初は思わずユイちゃんを怒ってしまったと言います。
母の犠牲は化粧時間!即席「バスタオル座布団」爆誕
しかし、「ないものはないから、持たずに行きなさい!」と言いかけたマナミさんは、ふと我に返ります。
『でも、劇の発表会ってことは体育館…。寒いし、冷たい床に直に座らせるのは可哀想だな…』
そう思い直したマナミさんは、即座に代用品を作ることを決意。家にあるもので、お尻を守れるクッションになるものを探します。
「これだ!」と引っ張り出してきたのは、いただきものの、柄が可愛い新品同様のバスタオル。急いで裁縫箱を出し、バスタオルを綺麗な四角に折りたたむと、崩れないように四隅を太い糸でザクザクと縫い付けました。
タオル探しに3分、縫い付けに5分。合計約8分で、世界に一つの「即席バスタオル座布団」が爆誕したのです。
「なんとか登校時間には間に合いました。もちろん、私が念入りに化粧をする時間は、跡形もなく消え去りましたが…(笑)」
友達にも「すごいね!」世界に一つの座布団に娘もご機嫌
マナミさんに怒られて最初はしょんぼりしていたユイちゃんでしたが、お母さんが猛スピードで何かを作り始めると、興味津々な様子でその手元をじっと見つめていたそうです。
そして、完成した座布団が、運良く自分好みの可愛い柄だったこともあり、一転してご機嫌に。
「学校でも、仲良しのお友達に『それ、手作り?すごいね!』と褒めてもらえたみたいで、とても嬉しそうに報告してくれました」
朝の絶体絶命のピンチは、お母さんの機転と(化粧時間の)犠牲によって、娘の笑顔と誇らしげな気持ちへと変わりました。マナミさんの「なんとかしてあげたい」という愛情が、バスタオルを最高の座布団へと変身させたのです。
このお話のように、お子さんとのやり取りで「ハッとした」エピソードはありますか?
