良かれと思ってやってくれた子どもの行動が、時に親の想像をはるかに超えることがあります。
今回は「途方に暮れました」と笑いながら語ってくれた、50代の働くお母さんのエピソードを紹介します。
約6年前、当時13歳だった息子さんが、お母さんを助けるために炊飯に挑戦したところ、とんでもない事件が起きたとのこと。その豪快で忘れられない思い出について、お話を伺いました。
お母さんのピンチ!息子に託した炊飯依頼
今から約6年前のある日、お母さんは仕事が残業になり、夕飯の時間に間に合わなくなってしまいました。
そこで、当時中学1年生だった息子さんに、電話でご飯を炊いておいてほしいとお願いをすることに。
「ごめんね!家庭科でやったようにお米を3合といで、3合の線まで水を入れて炊飯器のスイッチをオンしておいてくれる?」
そう頼むと、息子さんからは「大丈夫!分かった!」と、とても元気の良い返事が返ってきたそうです。
炊飯器、爆発寸前!?まさかの光景に母、呆然
急いで帰宅したお母さんが炊飯器を見ると、スイッチは「保温」の状態に。「ありがとねー、助かったよ」と感謝しながら蓋を開けた瞬間、異変が起きました。
「すごい勢いで蓋がボンッ!と開いたんです。中を見たら、とても3合とは思えない量のご飯が、釜にパンパンに詰まっていました。よく蓋が壊れなかったなと思うくらいです」
驚いて息子さんに確認すると、「何合出したか分からなくなっちゃって。水も大体の勘で入れてみた」とのこと。
試しに一口食べてみると、すべてが「ポリポリ」と音を立てる、半分生米の状態でした。
お母さんは、その光景を前に「とにかく驚きました。大胆すぎる!と言うのが最初の印象です。次に、この大量の生炊きご飯をどうしようかと、途方に暮れました」と当時を振り返ります。
「わかるだろう」という思い込みが生んだ、リゾット生活
お母さんは「家庭科の調理実習で炊飯も何回かやっていたので、当然わかるだろうと思っていました」と言います。
しかし「何合出したか分からなくなった」という、全く想定していなかった事態が発生。
その後の「まあ、適当でいっか!」という息子の行動に、ただただ驚くばかりでした。
「こちらが『わかるだろう』と思っていることでも、まさかのところで想定外の流れになるんだなと、この時身に染みて分かりました」
この出来事を通して、指示を出す際には、途中で分からなくなった場合の対処法まで伝えることの大切さを学んだそうです。
ちなみに、パンパンに詰まっていた大量の生炊きご飯は、小分けにして冷凍庫へ。
その後しばらく、ご一家の食卓は雑炊とリゾットのメニューが続いたということです。
息子さんの豪快な失敗は、お母さんにとって「伝えることの難しさ」と「子どものユニークさ」を再認識する、忘れられない出来事となりました。
このお話のように、お子さんとのやり取りで「ハッとした」エピソードはありますか?
