子どもの言葉のセンスは、大人が想像もしない角度から笑いと感動をくれます。今回は、実家にお泊まり中の娘さん(小1)が送ってきたLINEに悶えたという真央さん(仮名・30代・会社員)に、胸が温まるエピソードを伺いました。
祖母のスマホで
「娘を初めて一人きりで実家に泊まらせた翌朝、母のスマホからLINE通知が来たんです」と振り返る真央さん。メッセージには、次の行き先を示すようにこう書かれていました。
「こえん」
「あいらび」
読み返した真央さんは思わず固まりました。――こえん? あいらび? 一瞬「暗号かな?」と思ったそうです。
『こえん』は『こうえん』、『あいらび』は『アイラブユー』
意味を推理してみると、どうやら「こえん」は“こうえん”(公園)、「あいらび」は“アイラブユー”のことらしいと判明。
娘さんは耳で覚えたフレーズをそのまま入力したものの、まだ長音記号「ー」や拗音・促音が難しく、ひらがなのまま送信した結果だったのです。
真央さんは「もう可愛すぎて悶えました」と当時の心境を一言。
出かける準備中だった手も止まり、スマホを握りしめてニヤニヤしたと笑います。
音で覚え、文字に挑む——子どもの吸収力に感服
娘さんは普段から歌や英語のフレーズを耳で覚え、すぐ口ずさむタイプ。
今回も「こうえん」「アイラブユー」を音でしっかりインプットしていたものの、入力時は“あいらーびゅー”と聞こえたまま書いたため、“あいらび”に短縮されたようです。
「まだ習いたてのひらがなだけで、長い横棒も小さい『ゃ』『ゅ』『ょ』も使わずにどう伝えるか考えたんでしょうね。子どもの工夫って本当に面白いし、吸収力の速さに驚かされます」
“文字に残す喜び”が家族の新ブームに
この一件をきっかけに、家族の間では「書いて伝えるって嬉しいね」が合言葉に。
帰宅後の娘さんは、メモ帳や付箋にひらがなでメッセージを書くことに夢中になり、リビングの壁には小さな手紙が増えていったそうです。
「口で言うだけじゃなく、文字に残すと後で読み返してまた笑えるんですよね。私も夫も“言葉を形にする楽しさ”を再発見しました」
かわいい誤変換がくれた、家族のコミュニケーション革命
耳で覚えた言葉を懸命に文字にする——その健気な努力とユニークな表現は、家族の心をぎゅっとつかみました。“こえん”と“あいらび”のおかげで、真央さん一家には「手紙文化」という新しい楽しみが根づきつつあります。
子どもの一文字一文字は、小さくても大きな愛情表現。これからも壁に増え続けるメモを眺めながら、家族は笑顔であふれる毎日を重ねていくことでしょう。
