かがわ里海コンシェルジュが今回お伝えするのは、香川県高松市庵治町で、楽しく学べる海岸清掃活動「庵治なビーチクリーン」に取り組む溝渕誠(48)さんと中西省吾(64)さんのお話です。

テーマを持って楽しく海岸清掃を

地元の人だけでなく庵治町外からもたくさんの参加者が

「庵治なビーチクリーン」は、高松市庵治町内の海岸で実施されており、このイベントの特徴は、清掃活動を楽しめるように毎回“テーマ”があることです。第1回は自然の恵みを存分に満喫できる「庵治の自然」をテーマに、第2回は高尻海岸で人と人がつながれる場として「対話」をテーマに。そして2020年11月に行われた第3回目は、町内の「歯ART美術館」の協力のもと、「海岸清掃活動」×「アート」のコラボが実現しました。

親子でごみ拾いに挑戦!

海岸清掃の後に場所を歯ART美術館に移して、アート写真「水中の生物の美」を鑑賞したり、それぞれが海岸で見つけた「お宝」を見せ合ったりしました。

参加者のお宝「アオイガイ」アンモナイトみたい!

イベントに参加するだけでなく、自分たちから活動を

溝渕さんに、この活動を始めたきっかけを尋ねました。

「もともと自然が好きで、山や海のイベントに昔から参加していました。ビーチクリーンと出会ったのは、10年ほど前に、かがわ里海大学でも海ごみの講座で講師をされている森田桂治さん主催のビーチクリーンアップに参加したのが最初です。とても『楽しみ』ながら参加させてもらいました。そこから、海ごみに興味が出てきて、かがわ里海大学の『海ごみリーダー養成講座』を受講したり。肩肘張らずにのんびり楽しめるのが、僕に合っていたみたいで、何度も受講させてもらいました」

「海ごみリーダー養成講座」の様子

「でも海ごみのイベントに参加するだけではいけないなと思い始めて。いろんなビーチクリーンアップのイベントに参加しても、なかなか海ごみって減らないんですよね。自分でももっと積極的に活動したいなと思うようになったんです。そこで、企業のCSR活動の時にお世話になった中西さんに相談してたら『じゃあ一緒にやってみよう!』となって」

「2019年に中西さんの支援のもと、庵治で海岸清掃活動に山歩き要素を加えたCSR活動のイベントを開催しました。イベントの後には、地元の漁協の婦人会の方に『郷土料理のタコ飯とフグ汁』をふるまってもらって。自然が豊かで、歴史と文化がある庵治で、『プライスレスな体験』をして、その日から庵治のことが大好きになりました!」

この体験がきっかけとなって2人は意気投合し、庵治を拠点とした「庵治なビーチクリーン」が誕生。清掃活動を通して、地域住民や新しい仲間とどんどん“つながって”いきました。地域住民の人との“つながり”の役目は中西さんが担い、イベントには自治会の協力も得られるように。そして香川大学の教員で庵治町在住のロン・リムさん、フェアトレード団体代表の丸山輝裕さんが仲間に加わりました。仕事も年代も経歴も違うユニークな仲間で、今は4人で一緒に活動内容を話し合うのが“楽しい”時間だそうです。

庵治なビーチクリーン実行委員の4人。庵治は愛の聖地なのでLOVEのポーズ

清掃活動を通して人がつながっていく

そんな溝渕さんと中西さんには、海岸清掃活動をする上で工夫していることが2つあるそうです。

1つ目は、「海ごみが環境や生き物に与える影響を参加者に伝えること」です。「ごみを捨てたらダメ」と言うことだけでなく、その理由を伝えることで行動変容に繋がる「気づき」があります。

海ごみミニ講座の様子

2つ目は、参加者同士が対話によって交流できる「人と人が“つながる”場所」づくりです。「海ごみに関心のある人」と「海ごみの知識を持つ人」がつながる、「地元の人」と「他の地域の人」がつながる、さまざま背景を持つ人たちが海岸清掃活動でつながる。

インタビュー中にも、「庵治は少子高齢化の課題もあって、このイベントと地域のつながりをもっと強くして、地域コミュニティの行事の中でできるようになるといいなあ」や「子ども達への海ごみ教育にも興味があって。庵治のことを誇りに思ってほしいし、ビーチクリーンのWEB開催で世界のいろんなところにつながるといいな」などたくさんのアイデアを話してくれました。

この“つながり”という化学反応で、海ごみ問題だけでなく、「過疎や高齢化など地域の社会課題の解決につながる」のかもしれません。

最後に、活動を通じて嬉しかったことを溝渕さんが話してくれました。

「初めて海岸清掃活動のイベントを開催した際に、海ごみリーダーの仲間が駆けつけてくれたことです。さらに、回を重ねるうちに『手伝うよ!』と言ってくれる新しい仲間もできました。自分一人でできることは知れていますが、仲間が集まるとできることも広がります。『次は何しようか?』と皆で画策することは本当に面白い時間でワクワクします!定期的に海岸清掃活動をやっていきたいですが、あまり意気込まずに、無理なくちょっと緩いぐらいの感じがいいのかなと(笑)」

庵治を愛する溝渕さんと中西さんにインタビューをして、人と人との“つながり”の大切さを改めて学びました。「庵治なビーチクリーンアップ」の情報は、Facebookのアカウントで発信されています。