南太平洋に浮かぶ島国「パプアニューギニア独立国」をご存知だろうか?

日本の1.25倍の面積を持つその国には、多種多様な文化を持つ約1000の部族が暮らしている。電気も水道も止まりがちなこの地で、2年間「青年海外協力隊」として過ごした服部晃平さんは、帰国後、パプアの面白さや世界の多様さを知ってもらいたいと、4コマ漫画を制作し、発信を続けている。

服部さんのリアルな体験や心の声が、4コマ漫画に込められている。

服部さんが実体験をもとに描いているという漫画を読むと、日本では考えられないような文化や考え方、価値観の違いに驚かされる。

日本と真逆?!あまりに違う習慣や文化に悪戦苦闘!

転勤をきっかけに、新しいことに挑戦してみようと思い立ち、協力隊に応募した服部晃平さん。

服部晃平さんが青年海外協力隊としてパプアに最初に降り立ったのは、2018年1月のこと。協力隊になるまで全く知らなかったというパプアは、多様な民族が暮らし、民族ごとに使われている言語も異なる。共通語であるピジン語を学んだものの、言葉や文化が異なるもの同士が暮らすパプアでは、日本のように「察する」とか「相手の気持ちを汲み取る」なんて習慣はなく、思ったことは「素直に、できる限り具体的に」伝えなければ聞いてもらえない。さらにパプアには「計画性」「勤勉さ」「集団行動」といった、日本の常識は全く通用しない。派遣当初は戸惑うことばかりで、挫けそうになることもたくさんあったそうだ。

パプアの授業風景。授業の内容や実験の題材は、パプア人にとって身近な素材を使うことを心がけた。

生徒が学校に来ない?!

理科教育という職種で活動していた服部さんは、パプアの理科教育の中であまり取り入れられていなかった「実験」をカリキュラムの中に取り入れ、授業を組み立てていた。

ただ、日本では考えにくいことだが、パプアの生徒たちは、雨の日や夏休み明けは学校に来ないこともあり、欠席者が多くいる中、授業が進められないこともあった。そんなときは発想を変えて、来ていた生徒たちと一緒に理科のおもしろさを知ってもらえたらと、「ペットボトルロケット」や「粉塵爆発実験」「超ロング糸電話」などを作って実験した。創意工夫を凝らした実験は、他の先生たちの関心も惹き、評判だった。

他の先生の関心もひけたらと思って野外で実験を行うこともあった。

こうした臨機応変な対応力や行動力は最初から持ち合わせていたわけではなく、いつも想像の斜め上をいくパプアの暮らしの中で、徐々に身についていったそうだ。

世界は面白い!でも、どうやったらその面白さが伝わるだろう?試行錯誤の中で生まれた4コマ漫画。

パプアでの暮らしは驚きの連続だったが、同時に世界は多様さと面白さで満ちていることを実感する日々でもあった。そんな暮らしをいろいろな方法で発信しようと、協力隊で活動していた当時から、ブログやYouTubeなどで発信を続けていた。あるとき、漫画だったら、もっと気軽に読んでもらえるのではないかと考え、それまで興味があった絵のスキルを生かして、4コマ漫画の制作を始めた。

漫画で取り上げる内容は、パプアで書き留めた日記や、滞在中にブログに書いてきたものをもとにしている。

手軽に読める4コマの中には、服部さんの生の体験やリアルな思いが綴られている。いろいろなことがあった2年間だったけれど、「自分は一番いいところに派遣してもらった」と胸を張って言える時間だったそうだ。日本にいたら気づけなかったたくさんのことを、パプアでの日々で教えられた。お金では買えない価値を手に入れた服部さんが描く漫画は、私たちの心を世界に向けて開き、多様な価値観に触れる機会を与えてくれる。

※漫画は服部さんのブログ「パプア服部くんのPNG日記」で公開されています