野球の練習中、お腹にボールが当たった8歳息子。その後、寝たきりになってしまい→「怪我は治ったのに…」原因不明の病と向き合った家族に迫る。

野球の練習中、お腹にボールが当たった8歳息子。その後、寝たきりになってしまい→「怪我は治ったのに…」原因不明の病と向き合った家族に迫る。

「昨日まで当たり前だった毎日が、ある日突然、なくなりました」とSNSで語る@dolce_music_timeさん。

息子さんは野球の練習中に怪我をしたことをきっかけに体調を崩し、家族の日常は一変しました。今回は、病気と向き合い続ける息子さんと、その家族の歩みに迫ります。

野球中のケガから始まった原因不明の体調不良

当時、小学3年生で8歳だった息子さんは、野球の練習中にボールがお腹に強く当たり、立ち上がれないほどの腹痛を訴えました。救急を受診しましたが、大きな問題はないと判断され、その後は普段通りに過ごしていたそうです。

野球の練習中に怪我をして(@dolce_music_timeさんより提供)

しかし2週間後、息子さんは自力で歩けないほどの激しい腹痛に襲われます。日曜日だったため、まずは一日様子を見ましたが改善せず、以前受診した病院を再び訪れました。

そこでも原因が分からなかったため、@dolce_music_timeさんがエコー検査をお願いしたところ、脾臓の3分の2が損傷していることが判明。対応できる設備がなかったため、救急車で別の病院へ搬送され、緊急入院となりました。

当初は、医師も@dolce_music_timeさん家族も、怪我が回復すれば元気になると思っていたとのこと。

息子さん①(@dolce_music_timeさんより提供)

息子さんは2週間の絶対安静を経て退院。その後も自宅で安静に過ごし、回復を待つ日々が続きました。

ところが、脾臓の状態がよくなっても体調は次第に悪化。一日中ひどい吐き気が続き、起き上がることもできなくなりました。病院を受診し、血液検査やエコー検査を受けましたが、異常は見つかりません。

「精神的なもの」と言われることも多く、原因が分からないまま、何件もの病院を受診したといいます。

原因不明の日々(@dolce_music_timeさんより提供)

たどり着いた「脳脊髄液減少症」の診断

そうした中、@dolce_music_timeさんが親として最もつらかったのは、日に日に元気がなくなっていく息子さんを目の前にしながら、何もしてあげられないことでした。

「このまま元の生活に戻れないのではないか」という不安を抱えながら、日々を過ごしていたと振り返ります。

そんな中、息子さんの様子を見ていると、横になると吐き気が軽減されていることに気づきました。@dolce_music_timeさん自身にも同じような経験があり、自身の症状と似ていると感じていたため、小児科の医師に伝えていましたが、「精神的なもの」と言われるだけでした。

そこで、@dolce_music_timeさんは自身の主治医のもとへ息子さんを連れていくことに。

主治医の病院へ(@dolce_music_timeさんより提供)

その病院で「脳槽(のうそう)シンチグラフィー」という検査を受けた結果、息子さんは、何らかの原因で脳脊髄液が漏れ出してしまう「脳脊髄液減少症」と診断されました。

以前、@dolce_music_timeさんが同じ検査を受けた際は、画像では分からないほど漏れがわずかだったそうです。一方、息子さんの場合は腰周辺からの漏れが一目で分かるほどだったといいます。翌日には、患者さん自身の血液を漏れている部分に注入する「ブラッドパッチ」という治療を受けました。

@dolce_music_timeさん家族は、息子さんの不調の原因が分かり、治療への道筋が見えたことで、少し安心できたと当時を振り返ります。

症状が大きく改善した息子さん

治療前の息子さんは、ほぼ寝たきりの状態でした。ブラッドパッチの後も、少し起き上がれる程度で、起き上がって文字を書くことも難しかったそうです。

その後、少しずつ体調がよくなったり悪くなったりを繰り返しながら、次第に起き上がれる時間が長くなりました。友達も家に遊びに来てくれるようになり、息子さんは友達と過ごしている間、楽しくてつらい症状を一時的に忘れられることもあったとのこと。

やがて、友達と一緒に初めて学校までと同じくらいの距離を歩けるようになり、最近では初めて自転車にも乗れたといいます。

現在9歳となった息子さんは、症状が以前より大きく改善。定期的な経過観察を続けながら、体調を見て無理をしないよう生活しています。

当たり前の日常を大切に

@dolce_music_timeさんがSNSで病気や治療の様子を発信し始めたのは、「原因が分からず苦しんでいる方に、この病気を知ってもらいたい」と思ったことがきっかけでした。

「脳脊髄液減少症は周囲から理解されにくく、診断まで時間がかかることもあります。私たちが受診したほとんどの小児科医はこの病気を知らず、私たち家族も診断にたどり着くまで多くの時間を要しました」と明かします。

現在は都内の病院まで通っていることから、「どの病院でも治療と診断ができるようになってほしい」との思いも、発信する理由の一つです。

「今回の経験を通して、当たり前に学校へ行けること、好きなことができること、家族で笑って過ごせることは、決して当たり前ではないと実感しました」と話す@dolce_music_timeさん。

今後については、「何よりも家族みんなが健康で、笑顔で当たり前の日常を大切に過ごしていきたいと思っています」と語ります。

さらに、「これからも息子のペースを大切にしながら、一日一日を大事に過ごしていきたいです。また、私自身もSNSでの発信や仕事を通して、病気への理解が少しでも広がるよう活動を続けていきたいと思っています」と話していました。

原因が分からず、今も苦しんでいる人がいるかもしれません。@dolce_music_timeさんの発信が、「脳脊髄液減少症」という病気を知るきっかけとなり、同じように悩む人にとって何かのヒントになることを願います。

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