アレルギーと聞くと、食べ物や花粉を思い浮かべる人が多いかもしれません。
30代・自営業の男性も、まさか自分の症状が「食べ物ではないもの」によるものだとは、想像もしていなかった一人でした。
外から暖房の効いた店に入った瞬間、腕が赤くなった
最初の違和感は、冬の日の何気ない場面でした。
外を歩いたあと、暖房の効いた飲食店に入った瞬間、腕が一気に赤くなり、かゆみが出たそうです。
「最初は乾燥かな、と思いました」。
ところが、別の日に暖かい室内から寒い外へ出たときも、同じような症状が出ました。
「これはおかしいな」と感じ、受診することにしたといいます。
原因は、いわゆる「温度差アレルギー」だった
診察で説明されたのは、急激な温度の変化によって、じんましんのような反応が出る体質がある、ということでした。
正式な名称は別にあるものの、一般的には「温度差アレルギー」と呼ばれることもあるそうです。
「食べ物や花粉が原因だと思い込んでいたので、温度が引き金になると聞いて、正直驚きました」。
「避けようがない原因」に、思わず笑ってしまった
男性がまず感じたのは、意外性でした。
食べ物なら控えることができる。 花粉なら対策もある。 でも、日常の温度変化は完全には避けられない。
「温度差でアレルギーってあるの?と、正直笑うしかありませんでした」。
一方で、原因が分かったことで、「どう付き合えばいいのか」が見えた安心感もあったといいます。
少し意識するだけで、気持ちは楽になった
それ以降、男性は急激な温度差を避ける工夫を意識するようになりました。
冬は脱ぎ着しやすい服装を選ぶ。 夏は冷房の効いた場所に長時間いない。 どれも大きな対策ではありませんが、習慣にすることで、症状が出ても慌てなくなったそうです。
「前より、気持ち的にかなり楽になりました」。
【専門家の見解】温度差による反応は、体質として起こることがある
このことについて、Takushi clinic理事長の沢岻 美奈子さんに話を聞きました。
温度差アレルギーは正式なアレルギーではなくて、血管や自律神経の反応で起こる皮膚の過敏症状です。
入浴後や、暖房の効いた室内への出入りや、運動後に手足や体が痒くなります。
アレルギー検査で原因が見つからないことも多いので、衣類の調節や保湿でバリア機能を保つなど工夫をしましょう。
「まさかこんなことが原因?」と思ったら
この話は、誰にでも同じ症状が起こる、というものではありません。
ただ、「自分が思っている原因と違うところに、きっかけがあることもある」という一例です。
乾燥や疲れ、気のせいだと思って流している違和感。 それが、温度や環境の変化と関係している可能性も、ゼロではありません。
もし今、「理由はよく分からないけれど、同じような症状が続いている」と感じることがあるとしたら。 それは本当に、いつものこととして片付けてしまっていいものなのでしょうか。
【監修者】沢岻美奈子 産婦人科専門医 Takushi clinic理事長
※本記事は、個人の体験談および専門家の見解をもとに構成しています。体の感じ方や原因には個人差があり、すべての人に当てはまるものではありません。
