ミルクを飲まないのに体重が増える1歳息子。病院に行くと…医師「間違いなくガンですね」5年の治療を経た現在、SNSで発信を続けるワケ

ミルクを飲まないのに体重が増える1歳息子。病院に行くと…医師「間違いなくガンですね」5年の治療を経た現在、SNSで発信を続けるワケ

@soragram410さんの息子さんは、1歳2ヶ月で「間違いなくがん」と診断されました。つらい治療を家族と共に乗り越え、5年後には元気な姿をInstagramに投稿しています。
そこで、お母さんである@soragram410さんに息子さんのことを聞きました。

「間違いなくがんです」と言われて…

息子さんは生後8ヶ月ごろから離乳食の量が増えず、1歳のころには減少。ミルクも新生児の量しか飲めなかったのに、体重は増加し、お腹はぽっこり、手足は細く、背中の肋骨も浮き出ていました。

低体重で生まれたため、毎月病院を受診していたという@soragram410さん。そこでは医師の診察があったので、毎回、息子さんのことを相談していましたが腫瘍の発見までには至りませんでした。

息子さんは1歳2ヶ月のときに風邪をひいて受診した小児科で、腹部を触診した医師から「硬さに左右差があるから腹部エコーをしてみましょう」と検査をした結果、明らかに大きなできものがあることがわかりました。さらに精密検査をするため、総合病院への紹介状をもらって2日後に受診し「間違いなくこれはがんです」とはっきり言われ、即入院となります。

1歳2ヶ月でがんに…(@soragram410さんより提供)
がんと診断されて(@soragram410さんより提供)

息子さんは入院して1週間後手術をし、腫瘍を摘出。摘出した腫瘍は700gもあり、おそらく「ウィルムス腫瘍(腎芽腫)」だろうとのことでした。診断が確定したのは病理検査結果が出てからだったため、約1ヶ月程度かかったといいます。

8ヶ月ほどの投与予定で抗がん剤治療が開始

手術後、NICUで集中管理が始まり、そのとき息子さんは腫瘍で血管が圧迫され、血圧が異常値となります。
「恐ろしかったです…」と振り返る@soragram410さん。

10日ほどで小児病棟に戻り、8ヶ月間の抗がん剤治療が始まりました。副作用で髪が抜け、食欲もさらに減少。抗生物質の服用や便秘の対応、大量の下剤の使用、衛生管理など、多くの苦労がありました。

「大人ならできる衛生管理も、1歳のイヤイヤ期の子どもには手を洗ってもらうだけでも大変でした」と@soragram410さん。

抗がん剤を開始(@soragram410さんより提供)

それだけ奮闘した甲斐もあり、息子さんは抗がん剤治療中発熱や感染はなく、スケジュール通り治療を進めることができました。
「この治療法はスケジュール通り行えば、再発防止率90%というエビデンスがあるそうです」と@soragram410さん。

体調管理に神経質になるほど(@soragram410さんより提供)

発熱や感染があると抗がん剤のスケジュール通り投与できず、再発防止率90%が下がってしまうため、家族は一丸となって計画通りの治療を目標に頑張りました。

息子さんは毎日、吐き気や苦い薬を我慢しながらも、いつも笑顔だったそうです。@soragram410さんと旦那さんは、その笑顔が大好きで守りたい一心でした。両親も毎日手伝いに来てくれ「家族の支えがあったからこそ乗り越えられた」と話しています。

カテーテルの管理が大変だった

息子さんの入院中はコロナ禍で付き添いの交代ができず大変でしたが、それ以上にカテーテルの管理が大変でした。

抗がん剤は点滴で行われ、胸に刺したチューブ(中心静脈カテーテル)が常についた状態になります。素手で触れると感染の危険があるためテープで固定しますが、8ヶ月の治療期間中はかぶれも起こりやすく、1歳の子どもが触れないようにするのは簡単ではありませんでした。

かゆくて無意識にかいてテープを剥がしてしまえば、即貼り直しとなります。
「寝てる間もかいてしまい、何度も貼り直したことを覚えています」と@soragram410さん。そのたびにナースコールをして処置してもらいますが、息子さんは眠たくてイヤイヤ期のため大暴れ。

治療の後半は自宅で過ごせる時間も増えましたが、テープが剥がれれば夜中でも救急で病院に行く必要がありました。

お風呂に入るときには防水テープを貼る作業を(@soragram410さんより提供)

お風呂の際の防水テープ貼りも毎日奮闘し、じっとしていない息子さんを動画やおもちゃで気を引きながら対応。貼れずに浸水すれば救急搬送が必要でした。さらに、感染予防のため大人も風邪をひかないよう常に注意が必要で、気の休まるときはなかったといいます。

誰かにとって希望となりますように

@soragram410さんは、最初は息子さんのことをSNSに載せるか悩みました。しかし入院中、病気について調べても情報が少なく、他の家族の対応や心の持ち方も知りたくて、Instagramで闘病アカウントに質問していたそうです。

励ましの言葉が支えとなったことに感謝し「息子の元気な姿が誰かの希望になれば」と思い、発信を始めました。

5年後の息子さん(@soragram410さんより提供)

息子さんは、現在とても元気になりました。運動会のリレーでは2人抜きをして一位になるくらい活発な男の子に。

元気になりました(@soragram410さんより提供)

幼稚園に入った当初は「他の子より体が小さく、食べる量も少なく、体力もない」と感じたそうですが、今はそこまで気にならない程度まで増えてきたと。

@soragram410さんは「ようやくここまで来たなという感じです」と話していました。

好きなものも食べられるように(@soragram410さんより提供)

今後、息子さんには「自分のやりたいことにどんどんチャレンジして、一度きりの人生を思う存分楽しんでほしいです。やりたいと思ったことは全部やらせてあげたいです」と語っていました。

がんという病と闘った息子さん。本人の頑張りと家族の支えがあったからこそ、こんなに元気になったのでしょう。これからはやりたいことにチャレンジして、たくさん楽しんでほしいですね。

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