赤ちゃんが生まれたばかりの頃は、育児に追われて睡眠もままなりません。そんな中、少しの手助けが大きな支えになります。
@hiro_hikageさんは、自律神経の病気で15年間引きこもりでしたが「社会のために少しでも役に立つことができるかもしれない」とYouTubeを始めました。
『双子の甥っ子と過ごす夜中の8時間』を投稿したところ「涙が出ました」「気持ちが救われる」「心強いでしかない」などのコメントがたくさん寄せられています。
@hiro_hikageさんに、双子の甥っ子たちの子守りをすることになった過程や、引きこもりだったことなどについて話を聞きました。
何とか力になりたいという思いで…
@hiro_hikageさんの2番目のお兄さんである、次男夫婦に双子の男の子が誕生しました。
初めての育児に加え、お兄さんは仕事で休めず、奥さんが一人でお世話をする日々。何とか力になりたいと思った@hiro_hikageさんは、予定を空けて手伝いに向かいました。

以前、長男夫婦の子ども(当時生後6ヶ月)を一度だけお世話した経験があり、その際は長男の奥さんに教えてもらいながらお世話しました。
今回は初めての新生児のお世話でしたが、次男の奥さんに教わりながら、一人でもお世話できるようになったといいます。

育児を通して気づいた、命の尊さと愛情の記憶
それまでは他人の赤ちゃんに興味がなかったという@hiro_hikageさん。しかし長男夫婦の出産、それから今回の双子の出産と育児のお手伝いを通して、甥っ子たちがかわいくて仕方なくなりました。

また、お世話をしていく中で、新生児、特に双子の場合は常に手がかかり、自分の時間を確保するのが難しいことを実感したと語ります。
「自分では生きていけない小さな命が愛おしくて、同時に自分も両親や親戚など、たくさんの人に愛されて育ったのだと気づきました」

夜中の育児を@hiro_hikageさんが引き受けた翌日、次男夫婦はとても喜んでくれていました。特に奥さんは「双子の面倒を見てくれたおかげで、久しぶりに朝までぐっすり眠れた」と感謝の気持ちを伝えてくれたそうです。
その言葉と喜んでくれた姿を見た@hiro_hikageさんは、とても嬉しくなり「お手伝いさせてもらってよかったな」と心から思うことができました。
「命がけの出産」から伝わった家族の想い
双子の甥っ子と初めて対面したとき、@hiro_hikageさんはその小ささに驚き、同時に「命」の力強さを感じました。初めて抱っこしたときには、胸にこみ上げるさまざまな感情を抑えきれず、思わず涙がこぼれたそうです。
出産時には、陣痛促進剤を使って自然分娩を試みた期間が3日間ありました。その間、次男が家族のLINEグループで状況を共有してくれていたといいます。
やりとりを通して、次男の奥さんの苦しさやご両親の切実な思い、そして家族の温かい励ましに触れ、強く心を動かされたと語ってくれました。

そこで、普段とても優しく、いつもニコニコしている次男の奥さんが「心が限界に近い状態」だと言っていたことが、胸を締めつけるように強く印象に残っていると@hiro_hikageさん。
「それだけ必死に、命をかけて出産に臨んでいると感じていたので、無事に生まれた双子を抱いたときは、安堵や喜びが一気に込み上げてきて、涙が止まりませんでした」と当時を振り返りました。
引きこもりだった自分でも、何か役に立つことができるかもしれない
@hiro_hikageさんが引きこもりになったきっかけは、8歳のときに自律神経の病気「起立性調節障害」と診断されたことでした。それ以来、体調が不安定で、小学校から高校まで思うように通学できない日々が続きました。
高校では留年や休学を重ねた末、中退することに。
「社会に対して自分に何ができるのか、何をしたいのかが分からなくなり、本格的に引きこもるようになりました」と当時を振り返ります。
そこで、@hiro_hikageさんは「長らく引きこもりだった自分でも、社会のために少しでも何か役に立つことができるかもしれない」と思い、YouTubeを始めることにしました。
以前は『きのえのプレイランド』という、@hiro_hikageさんとおばあちゃんのチャンネルをやっていましたが、その動画配信を通して、思ったよりもずっと多くの方から喜びの声をコメントとして頂けるようになったと話します。
それは今まで何度も社会に出ようと踏み出してみても、挫折してきた@hiro_hikageさんにとって、社会とのつながりが持て、さらに少しでも貢献できることはとても嬉しく特別なことでした。
「喜んでくれる方々がこんなにいるなら、もっと自分にできることがあるのでは、とくに自分と似た境遇の人たちにも勇気を届けられるかもしれない」という思いで現在もYouTubeを配信しています。
「これからも、喜んでくださる方々のため自分にできることを続けていきたいし、そのためなら新しい挑戦にも勇気を出して踏み出していきたいと思います」と語っていました。
赤ちゃんお世話をする@hiro_hikageさんの表情はとても優しくて、見ている方まで笑顔になります。この動画を、双子の甥っ子が大きくなったときに見せたらどんな反応をするか楽しみですね。また、病気があっても社会とつながれると、勇気づけられた人もいるのではないでしょうか。

