「左足がビリビリする」その後病院へ行くと…医師「このまま入院です」判明した病とは

「左足がビリビリする」その後病院へ行くと…医師「このまま入院です」判明した病とは
入院中(@mogu_puku.tさんより提供)

23歳のとき、左足にビリビリとした衝撃を感じたことをきっかけに、田積幸さん(@mogu_puku.t)は病院を受診しました。

検査の結果、すぐに入院となり、その後「多発性硬化症」という難病が告げられます。多発性硬化症は、視神経や脳、脊髄など中枢神経に炎症が起こる病気で、部位によって症状は異なり、視力低下や手足のしびれ、筋力低下などが現れるといいます。

突然の診断を受けた田積幸さん(@mogu_puku.t)に、当時の状況や現在の活動について話を聞きました。

突然の異変から始まった入院と検査

田積幸さん(@mogu_puku.t)は、今から13年前の23歳のとき、左足を触ると皮膚の上にもう1枚あるような感覚を覚えました。さらに、帰宅後に冷えた足先を湯船に浸けた瞬間、ビリビリと稲妻のような衝撃が走ります。

その後、左足と左腕に力が入りにくくなり、異変を感じて近くの内科を受診。すぐに大学病院の神経内科を勧められ、翌日MRI検査を受けた結果、脊髄に炎症が見つかります。そして医師に「このまま入院です」と告げられました。

田積幸さん(@mogu_puku.t)は、何が起きているのかわからないまま病室に案内され、髄液検査を受けることに。
「安静にしていてください」と言われ、天井を見つめながら過ごす中、恐怖でいっぱいになりました。

皮下注射(田積幸さん(@mogu_puku.t)より提供)

「多発性硬化症」との診断

その後、脊髄の炎症を抑えるためステロイドパルス療法を開始。しばらくして髄液検査の結果が判明し「多発性硬化症」と診断されました。

診断前から主治医に「多発性硬化症の可能性がある」と言われていたため、病気について調べていた田積幸さん(@mogu_puku.t)。しかし「車いす」「障がい」といった言葉が目に入り、どこか他人事のように感じる一方で、自分の将来を思い複雑な気持ちを抱いていました。

診断名をはっきりと聞いたときは「そうなんだ…」と呆然としてしまいます。一緒にいた両親は、大きなショックを受けていたそうです。

ステロイドパルス療法(田積幸さん(@mogu_puku.t)より提供)

治療と再発、それでも前へ

力の入りにくさやしびれは改善し、大きな後遺症は残りませんでしたが、治療はつらいものだったと振り返ります。田積幸さん(@mogu_puku.t)の場合、特に副作用で顔が丸くなるなど、体への負担が大きくありました。

2週間入院し、退院後は一度仕事に復帰しますが、その後再発。再び治療を受けることになり、同様につらい経験でした。

入院中(田積幸さん(@mogu_puku.t)より提供)

その後はしばらく再発なく過ごしていましたが、結婚後、妊娠を見据えて再発予防薬を変更。しかし十分な効果が得られず再発します。
再び治療を受けた後、別の薬に切り替え、約2年後に息子さんを授かりました。

産後(田積幸さん(@mogu_puku.t)より提供)

それからは、症状も安定して子育てに励んでいた田積幸さん(@mogu_puku.t)。しかし、息子さんが3歳のころに新しい再発予防薬に変えたところ、疲れやすさやだるさが強く出るようになります。

家事や子育ても休みながらでなければ難しく、精神的な負担もあったことから、主治医の判断で以前の薬に戻すことに。その後は安定して過ごせているそうです。

親子で(田積幸さん(@mogu_puku.t)より提供)

「頼る勇気」がくれた変化

つらい治療や、家事や子育てが思うようにできない中で支えになったのは旦那さんの存在でした。体調が優れない時期には、家事や育児を担ってくれたといいます。

それでも無理をしてしまう日がありました。すると、ある日「あなたに必要なのは、俺を頼る勇気だよ」と言われ、ハッとた田積幸さん(@mogu_puku.t)。それ以来は「申し訳ない」という気持ちは考えないようにして「できるときはやる、できないときは頼る」を意識するようになりました。

現在も疲れやすい症状はあるものの、旦那さんの支えのもと、笑顔で過ごせているそうです。

「だからこそ」の一歩で広がる新しい景色

田積幸さん(@mogu_puku.t)は現在、多発性硬化症と診断されてから10年。これまでに2度の再発のほか、結婚や妊娠、出産、子育てを経験してきました。

その経験を誰かの役に立てたいという思いから発信を開始。当初はブログで発信していましたが、より多くの人に届けるため、現在はInstagramを中心に活動しています。

また田積幸さん(@mogu_puku.t)は発信だけでなく、難病当事者3名で「病気のある人もない人も当たり前に生きられる社会」を目指す、一般社団法人エニワンプロジェクトで理事を務めています。

一般社団法人エニワンプロジェクト理事3名(@mogu_puku.tさんより提供)

一般社団法人エニワンプロジェクトでは、交流会の開催をはじめ、病気や障がいへの偏見をなくす活動や「当事者の声」を届ける取り組み、企業との共同開発などを行っています。交流会は毎月開催され、そのほかイベントやワークショップも定期的に実施しています。

こうした活動やSNSでの発信を通して、病気や障がいの有無に関わらず、人の気持ちは重なる瞬間があることや、多様な考え方に気づかされる機会が多くあったといいます。

田積幸さん(@mogu_puku.t)は「病気だから、子どもがいるからではなく『だからこそ』の気持ちで一歩踏み出せば、新しい景色が見えてくるはずです」と語り、さらに「これまでのSNS発信や活動を通して受け取ってきた多くの恩を胸に、1人でも多くの方の笑顔につなげていきたいと考えています」と話していました。

田積幸さん(田積幸さん(@mogu_puku.t)より提供)

田積幸さん(@mogu_puku.t)が語っていた「だからこそ」という言葉が印象に残ります。病気の有無に関わらず「〜だから」と一歩をためらうことは少なくありません。こうした発信や活動は、一歩踏み出すきっかけのひとつになることでしょう。

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