体内の免疫システムが誤って自律神経系を攻撃してしまう、まれな自己免疫疾患「自己免疫性自律神経節障害」。
この病気と診断された@aag_fightさんは、入退院を繰り返しながら看護師として働いてきました。現在は休職中ですが、職場復帰を目標にしています。腹痛やドライアイ、排尿が困難になるなど、さまざまな症状と向き合う日々や、看護師という仕事への思いを伺いました。
国家試験直前に起きた急変
@aag_fightさんは、看護師を目指して看護学校に通っていました。1年生の9月頃から手の震えが強くなり、看護技術の演習にも支障が出るように。原因を調べるため、脳神経内科や内科、糖尿病内科を受診し、最終的に糖尿病内科のクリニックで低血糖を繰り返していることが判明します。
詳しい検査を受けたものの原因は分からず、3年生になるまで入退院を繰り返しながら過ごしました。
しかし3年生になって1月の国家試験直前、強い腹痛で緊急入院することに。便秘と下痢を繰り返した末、排便が止まり、鼻からチューブを挿入しました。さらにCT検査で膀胱に約800ml〜1Lの尿が溜まっていることが判明し、尿道カテーテルも使用することに。
絶食のため点滴も必要となり、@aag_fightさんは3本の管を入れたまま国家試験に臨みました。試験後すぐに再入院し、複数の診療科で検査と治療を重ねた結果「自己免疫性自律神経節障害」と診断されました。

診断がついたことで見えた希望
「自己免疫性自律神経節障害」という希少疾患だと判明したとき、最も大きかったのは安堵の気持ちだったといいます。19歳で看護学校に入学してから23歳で卒業するまで原因が分からず入退院を繰り返し、留年も経験しましたが、ようやく治療に進めると感じられたためでした。
「病名はどうでもよかったです。よくなって看護師になれるのなら…」という心境だったと語ります。

病気による症状はさまざまですが、主に瞳孔散大、便秘、腸閉塞、腹痛、尿が溜まっていても排出できない、ドライアイ、ドライマウス、起立性低血圧、低血糖などがみられます。
「自己免疫性自律神経節障害」は交感神経と副交感神経に関わる病気で、@aag_fightさんは交感神経が優位なため、これらの症状が当てはまると教えてくれました。
一番怖いのは「感染症」
病気が分かってから、@aag_fightさんが最も苦しんでいるのは感染症です。
自己免疫疾患の治療では免疫抑制剤を使うことが多く、免疫力が低下します。さらに、病気の特性上、絶食しなければ体調が安定しない時期があり、高カロリー輸液を行うため、心臓近くの血管にCVカテーテルを入れて生活しています。
このCVカテーテルが感染すると、菌が全身に回り、菌血症や敗血症といった命に関わる状態を引き起こすことも。実際に@aag_fightさんは感染症による敗血症で集中治療室に入った経験もあり、感染によって入院が長引くことが一番つらいと語っていました。

そこで、手洗い、うがい、消毒、マスク、処置を行うときは手袋を必ず履くなどの感染症対策を徹底。食事は胃腸への負担を抑えるため、低残渣(ていざんさ)食を選び、炭酸飲料は避け、カフェインもできるだけ控えています。
仕事への思いと「痛みがあっても自分らしく生きたい」という気持ち
@aag_fightさんは国家試験合格後、約7年間、就職できないまま入退院を繰り返し、家より病院で過ごす時間の方が長い日々が続きました。思うように気持ちをコントロールできず、病気と向き合う余裕が持てないまま、時間だけが過ぎていったといいます。
治療を頑張り続けることができたのは、病院にいる看護師や医療ソーシャルワーカー、医者の存在があったからでした。
「そんな存在に憧れ続けて、看護師という仕事をしたいというまっすぐな気持ちが今に至っていると思います」と@aag_fightさん。
@aag_fightさんは、以前は週4回看護師として働いていましたが、症状が急激に悪化して緊急入院し、半年間の入院を経験しました。その後、週1回から段階的に復職したものの、数ヶ月後に強い腹痛で再び救急搬送され、入院。現在は休職しています。
今年中の復職を目標に、今は毎日、訪問看護と訪問リハビリを利用し、体調の安定と体力づくりに取り組んでいます。休職については「仕事を休んでいることへの罪悪感は常にあります。退職ではなく休職を選んだ以上、早く復職したい気持ちが強いです」と打ち明けてくれました。

@aag_fightさんは、姿勢を整えたりホットパックや服薬で痛みを和らげようとする病棟看護師や訪問看護師の姿を身近で見てきました。そうした関わりのなかで、看護師への感謝の気持ちがより深まり、痛みに耐えるだけでなく、状態をよくするために行動しながら「痛みがあっても自分らしく生きたい」と前向きに考えるようになったそうです。
看護師として職場復帰することを目標に
@aag_fightさんは、同じように病で苦しむ人たちに対して、闘病中、特に入院中に不安や孤独を感じても、一人だけではないことを伝えたいと話します。

「看護師さんお医者さん、家族、病気を持った仲間、友達。看護師さんは入院中、一番そばにいてくれる。自分の素直な思いをぶつけたら両手を広げて受け止めてくれると思います。そして、病気を持った仲間は一番心強いはず。痛みを知っている分優しく接してくれるし、あなたが頑張っているから私も頑張れる。一緒に頑張りましょう」

今後の@aag_fightさんの目標は、今年中に尿カテーテル、点滴、経鼻栄養チューブの3本の管を抜きたいということ。また、職場復帰して看護師として働くことも目標としています。
@aag_fightさんはSNSで入院、退院したときのことや日々の体調について発信しています。ある投稿では「日に日にできることが増えてとても嬉しい」と話していました。それには「ずっと応援しています」「励みになる方々が沢山いると思う」などのコメントがたくさん寄せられています。
「きっとできる。夢は叶う」
@aag_fightさんが努力を重ねている姿は、多くの人たちの励みとなるでしょう。

