毎日の仕事や家事で、目の疲れや渇きを感じることはありませんか?
「少しゴロゴロするけれど、市販の目薬をさせば治るだろう」そんなふうに軽く考えて放置してしまうことは、誰にでも起こりうることです。
しかし、その「痛みのなさ」の裏側に、意外なリスクが隠れていることがあります。
今回は、1ヶ月以上続く目の違和感を放置してしまった結果、思わぬ診断を受けた40代女性の体験談を紹介します。
「目ヤニで視界が濁る」始まりは小さな違和感から
都内で会社員として働く40代のAさんは、ある日、目に異変を感じました。
「最初は、なんとなく目がゴロゴロするな、という程度でした。ただ、いつもより目ヤニが多くて、視界が少し白く濁るような感覚があったんです」
パソコンに向かう時間の長いデスクワーク。
目の疲れは日常茶飯事です。
Aさんは「またドライアイかな」と思い、手持ちの目薬をさして様子を見ることにしました。
不思議だったのは、決定的な「痛み」がなかったことです。
「激痛があればすぐに病院に行ったと思います。でも、痛くはなくて、ただゴロゴロするだけ。そのうち治るだろう、いわゆる『日にち薬』で解決するだろうと高をくくっていました」
「コンタクトをすると楽になる」という誤解
Aさんが眼科受診を先延ばしにしてしまった最大の理由は、コンタクトレンズの使用感にありました。
「裸眼だとゴロゴロするのに、コンタクトレンズを入れると、その違和感が気にならなくなるんです。だから『そこまで大ごとではないだろう』と勝手に判断してしまいました」
仕事中はコンタクトレンズをして過ごすため、日中は不快感がありません。
しかし、レンズを外すと再び現れるゴロゴロ感と、治まらない目ヤニ。
そんな状態が1ヶ月以上続いた頃、Aさんはようやく「さすがにおかしいかもしれない」と思い始め、重い腰を上げて眼科を受診しました。
医師から告げられた「違和感が消えた理由」
検査の結果、医師から告げられたのは「角膜に傷が入っている」という診断でした。
幸い、傷口からの細菌感染による化膿はしていませんでしたが、診断を聞いたAさんは、ある事実に衝撃を受けます。
「先生に『コンタクトをしていると痛くないんですけど…』と伝えたら、それは逆効果だったと教えられました。コンタクトレンズが『絆創膏』のような役割をして、傷口を覆ってしまっていたため、まぶたが傷に触れる刺激を感じず、痛みが隠されていただけだったんです」
傷があるのに、レンズで蓋をして感覚を麻痺させていた…。
「もしこのまま放置して化膿していたら、もっと深刻な治療が必要になっていただろう」と医師に告げられ、Aさんは背筋が凍る思いでした。
その日から2週間、コンタクトレンズの使用は一切禁止。処方された点眼薬を使いながら、メガネ生活を余儀なくされました。
「仕事に行くとき、メガネだとどうしても化粧がしづらくて…。毎朝の不便さを感じるたびに、もっと早く病院に行けばよかったと後悔しました」
【専門家のコメント】コンタクト装用ときの「痛みのなさ」について注意したいポイント
コンタクト装用中に症状が軽く感じても、角膜の傷や炎症が隠れていることがあります。
角膜は感染を起こすと急速に悪化し、視力に影響する可能性もあるため、ゴロゴロ感・目やに・充血・見えにくさが続く場合は、自己判断で点眼や装用継続をせず、早めに眼科で診断を受けましょう。
目は「むき出しの臓器」自己判断せず早めの受診を
現在、Aさんの目の症状は落ち着きましたが、医師からは「角膜の傷は完全には元通りにならないこともある」として、今後も注意深く付き合っていく必要があると言われています。
「今回のことで、コンタクトレンズは目の傷を隠してしまうことがあると初めて知りました。今は極力メガネで過ごす時間を増やし、ドライアイ気味と言われたので適切な点眼を心がけています」
Aさんは自身の経験を振り返り「少しでも違和感があれば、自己判断せずにすぐ病院へ行くべき」と痛感しています。
痛みがないから大丈夫、コンタクトをすれば楽になるから大丈夫。
その思い込みが、治癒を遅らせてしまうかもしれません。
皆さんの目は、小さなSOSを出していませんか?
【監修者】医療法人社団筑三会理事長 消化器外科専門医 鈴木 隆二
※本記事は、個人の体験談および専門家の見解をもとに構成しています。体の感じ方や原因には個人差があり、すべての人に当てはまるものではありません。
