仕事にプライベートに忙しい毎日を送っていると、自身の体調変化をつい後回しにしてしまうことはありませんか。
とくに女性特有の不調は「よくあること」「そのうち治るだろう」と自己判断してしまいがちです。
しかし、その「楽観視」の裏に、思わぬ疾患が隠れていることもあります。
今回は、生理不順を「楽だから」と放置していた結果、ある診断を受けた20代女性の体験談を紹介します。
「生理がこない=快適」と考えてしまった数ヶ月
今回お話を伺ったのは、看護師として働く20代のAさんです。
医療の現場に身を置く彼女ですが、自身の体のこととなると、対応は少し違ったようです。
異変の始まりは、生理がストップしたことでした。
「最初は『あれ、今月こないな』くらいで、そこまで気にしていませんでした。むしろ、生理がないこと自体が体力的にも精神的にも楽で…。旅行の予定も立てやすいし、ラッキーくらいに思っていたんです」
結局、Aさんの生理は3ヶ月間も来ない状態が続きました。
看護師という知識がある職業であっても、多忙な日々の中では「痛みがない」「生活に支障がない」という状態が、受診を遠ざける要因になってしまったといいます。
「忙しさを言い訳に『まだ大丈夫だろう』と自分に言い聞かせて、病院へ行くのを後回しにしてしまいました」
お腹の違和感で受診を決意。告げられた診断名は…
そんなAさんが重い腰を上げたきっかけは、ある身体的な変化でした。
「だんだんと、お腹がパンパンに張るようになってきたんです。ただの食べすぎや便秘とは違う、明らかな違和感がありました」
さすがに不安を感じたAさんは、婦人科を受診します。
そこで医師から告げられたのは「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」という診断でした。
「先生からは『卵子がうまく排卵されずに、卵巣の中に詰まっているような状態』だと説明を受けました。あんなにお腹が張っていたのは、これが原因だったのかと驚きました」
生理が来なかったのは、単なるリズムの乱れではなく、排卵障壁によるものだったのです。
Aさんはその日から、薬で人工的に生理を起こさせる処置を行い、現在もホルモン治療を続けています。
【専門家のコメント】多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について注意したいポイント
月経が3ヶ月以上こない状態は、体が出している重要なサインです。
PCOSは排卵がうまく起こらず月経不順・無月経につながることがあり、放置すると将来の妊娠希望や代謝面にも影響する可能性があります。
まず妊娠の可能性を確認したうえで、月経が止まる/乱れる状態が続く場合は早めに婦人科へ相談しましょう。
「よくある悩み」で片付けないために
現在、治療を続けながら体調管理に向き合っているAさん。
当時の自分を振り返り、こう語ります。
「生理不順は多くの女性が経験する『よくある悩み』ですが、放置していると身体的な症状が出るだけでなく、将来の妊娠機能にも影響する可能性があると痛感しました」
「楽だから」といって体のサインを見逃してしまったことへの後悔は、今のAさんの行動を大きく変えました。
現在では、婦人科系の不調を感じたら、すぐに病院へ行くことを習慣にしているそうです。
痛みがないからといって、体が正常であるとは限りません。
「生理がこない」というサインを体からのSOSと捉え、早めに専門家に相談すること。
それが、未来の自分の体を守る第一歩になるのかもしれません。
【監修者】医療法人社団筑三会理事長 消化器外科専門医 鈴木 隆二
※本記事は、個人の体験談および専門家の見解をもとに構成しています。体の感じ方や原因には個人差があり、すべての人に当てはまるものではありません。
