【30代女性の育休】「NISAや株は順調なのに…」手当の振込遅れで直面した意外な落とし穴とは

【30代女性の育休】「NISAや株は順調なのに…」手当の振込遅れで直面した意外な落とし穴とは
【画像】 女性がはまった落とし穴

新NISAのスタートや株高のニュースを受け、将来のために資産形成を始めたという人は多いのではないでしょうか。
「貯蓄から投資へ」の流れが加速する一方で、ふとした瞬間に「手元の現金」の重要性を痛感するケースもあります。

今回は、育児休業中に思わぬ「資金ショート」の危機に直面し、家計のバランスについて考えさせられたという30代女性の体験談を紹介します。

予定していた入金がない?育休中に走った激震

都内の企業に勤める30代のAさん(女性)は現在、第一子の育児休業中です。
会社員として共働きをしていた頃は、夫婦それぞれが自立した収入を得ており、家計も比較的余裕を持って回していました。

しかし、育休に入り収入が給与から「育児休業給付金(手当)」に変わったことで、状況が変わります。
「ある月、予定していた手当の振込が少し遅れたんです。手続き上のタイムラグだとは思うのですが、通帳を見たときに血の気が引きました。生活費を引き出そうとしたら、想像以上に現金の残高がなかったんです」

Aさんの家庭では、将来を見据えてNISAや個別株への投資を積極的に行っていました。
資産全体で見れば決してマイナスではありません。

しかし、その資産の多くは「投資信託」や「株」という形になっており、すぐにATMから引き出せる「現金」の比率は極端に低くなっていたのです。
「画面上の数字(資産評価額)は増えているのに、今夜のスーパーで使う現金がないかもしれない。このギャップに正直焦りました」

「食費は私」のルールが重荷に変わる瞬間

Aさんの家庭では、夫婦で財布を別々に管理しており、家賃や光熱費などの固定費は夫、日々の食費や雑費はAさんが負担するという分担になっていました。
「働いていた頃はこのルールでまったく問題なかったんです。でも、私の収入が手当頼みになり、その入金が遅れるとなると話は別です。私の手元の現金が尽きることは、そのまま『食費が出せない』ことを意味しますから」

もちろん、夫に事情を話して現金を借りれば解決する話です。
しかし、Aさんはそこで躊躇してしまいました。

「なんだか言いにくかったんですよね。『お金がないから貸して』と言うのが、自分の管理能力不足を認めるようで…。それに、育休中の今だけの悩みかもしれないと思うと、わざわざ波風を立てたくないという気持ちもありました」

NISAや株に比重を置きすぎているのではないか。
もっと現金の比率を上げておくべきだったのではないか。

スーパーのレジに並びながら、Aさんの頭の中では「投資と現金のバランス」についての自問自答がぐるぐると回り続けました。

【専門家のコメント】生活防衛資金と投資のバランスについて

「投資と現金のバランス」については、一概に正しい答えを出すことは専門家でも難しい場合があります。
現金化しやすい株式であっても、取引時間外などすぐに売却することができないケースも少なくありません。

最近は様々な電子マネーも普及して便利になった反面、現金が必要な場面で焦ってしまうこともしばしばあります。
住んでいる地域や生活スタイルによっても異なりますが、「手元の現金」と「運用資産」のルールを度々見直すべき時代だと言えるでしょう。

かつては定期預金くらいでしたが、今は投資信託やNISAの活用など選択肢も増えています。様々なキャッシュレス決済に備えていても、まだ小銭が必要な過渡期でもあります。
たとえ完璧な金融資産に関する知識があっても、多少のミスは誰にでもあります。

出産を控えた人生の転換期を迎えられていることもあり、ルールも臨機応変に見直しながら、「幸福」という資産を何より大切に育んでいってください。

「助けて」といえる勇気もリスク管理のひとつ

この出来事を通して、Aさんは自分のお金に対する価値観を改めて見直したといいます。

「将来のためにドルや株を持つことも大事ですが、まずは『今』を安心して暮らせるだけの現金を確保したいと強く思いました。投資はあくまで余剰資金でやるもの、という基本を身をもって知った気がします」

また、夫婦間のお金コミュニケーションについても気づきがありました。
「ギリギリまで自分で踏ん張ろうとせず、もっと早い段階で『今月ちょっと厳しいから、数1000円だけお願い!』と明るく言えばよかったんです。急に『大金が必要!』と切り出すから相手も驚くし、自分も言い出しにくくなる。こまめに状況をシェアすることの大切さを学びました」

資産運用がブームとなっている今「数字上の資産」と「使えるお金」は別物です。
いざというときに立ち止まることのないよう、みなさんも一度、ご自身の「現金の割合」を確認してみてはいかがでしょうか。

【監修者】大貫宏一郎 株式会社ユーザーライフサイエンス会長
※本記事は、個人の体験談および専門家の見解をもとに構成しています。体の感じ方や原因には個人差があり、すべての人に当てはまるものではありません。

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